副業を始めると収入が増える一方で、「社会保険料も上がるのでは?」と不安になる方も少なくありません。実際、副業の内容や働き方によっては、社会保険料が増えるケースがあります。本業に影響を及ぼさずに副業を行うためにも、社会保険の仕組みを正しく理解することが大切です。この記事では、副業と社会保険料の関係や、増額が起こる場合の条件についてわかりやすく解説します。
社会保険料の基本とは?副業を始める前に知っておきたい仕組み
社会保険料とは、健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険など、将来や生活に備える公的な保険制度への負担額を指します。原則として「本業の勤務先」で加入し、収入に応じて金額が決まります。
項目 | 内容 |
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加入先 | 一般的には本業の会社で「健康保険」と「厚生年金」に加入 |
保険料の決まり方 | 毎月の給与から天引きされる「標準報酬月額」に基づいて決定 |
年度更新 | 年に1度(通常4~6月の給与)をもとに翌年の保険料が決定される |
つまり、社会保険料は「どれだけ稼いだか」よりも「本業での報酬額」に基づいて決まるため、副業が必ずしも影響するわけではありません。
副業が社会保険料に影響するのはどんなとき?増えるケースをチェックしよう
副業が社会保険料に影響を与えるのは、一部のケースに限られます。以下のような状況に当てはまる場合は、保険料が増える可能性があります。
ケース | 解説 |
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副業先でも社会保険の加入条件を満たす場合 | 勤務時間や収入が基準を超えると、副業先でも保険加入が必要になる「ダブルワーク加入」が発生 |
副業収入を含めて年収が上がり、市町村国民健康保険に加入している場合 | 国保では「世帯収入」を基に保険料が算出されるため、副業収入が増えると保険料が上がる |
確定申告によって収入が反映された場合 | 年収増により住民税が上がり、会社に知られる可能性がある(ただし社会保険料とは別) |
法人化した場合 | 代表者報酬を受け取ると、代表者として別途社会保険に加入する必要が出てくる |
とくにパート・アルバイト型の副業でも、週20時間以上・月収8.8万円以上などの条件を満たすと副業先でも社会保険の対象になる可能性があります。
社会保険料が増えることを防ぐには?副業選びと申告方法がカギになる
副業によって不要に社会保険料が上がってしまうのを防ぐには、事前の情報収集と適切な働き方の選択が重要です。
対策 | 解説 |
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勤務時間を調整する | 副業先で社会保険加入基準を超えないようシフトや収入を調整する |
業務委託・フリーランス型を選ぶ | 雇用契約ではなく、委託契約にすることで社会保険の対象外となる |
確定申告時の住民税通知に注意 | 「住民税の特別徴収」を選ばず「普通徴収」にすることで会社に副業が知られにくくなる |
税理士に相談する | 副業内容が複雑な場合は、社会保険や税務の専門家のアドバイスを受けると安心 |
本業の就業規則を確認する | 社会保険とは別に、副業可否が会社規定で決まっている場合があるため事前に確認を |
副業のスタイルや収入の得方を工夫することで、社会保険料への影響を抑えることが可能です。
まとめ
副業によって社会保険料が増えるかどうかは、その働き方と契約形態によって異なります。必ずしも「収入が増えた=保険料が上がる」わけではありませんが、副業先でも社会保険に加入する条件を満たすと、保険料負担が増える可能性があります。収入アップと保険料増のバランスを考慮し、自分に合った副業スタイルを選ぶことが、無理なく続けられる副業生活の第一歩です。