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黒字経営と赤字経営の境界線はどこをみたら分かる?見方と判断ポイントを解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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経営者であれば誰しも「黒字経営を続けたい」と願うものですが、実際には「黒字と赤字の境界線がどこにあるのか」「数字のどこを見れば分かるのか」が曖昧なことも少なくありません。本記事では、黒字と赤字の基本的な定義から、損益計算書(PL)の見方、健全経営を判断するための具体的な指標と見落としがちな注意点をわかりやすく解説します。

黒字経営と赤字経営の違いとは?

損益計算書(PL)の「最終利益」がカギ

経営においての「黒字」「赤字」は、最終的な利益がプラスかマイナスかによって判断されます。これは損益計算書(PL)の「当期純利益」または「税引後利益」と呼ばれる項目です。

項目黒字経営赤字経営
売上高費用を上回っている費用を下回っている
経費・コスト適正に管理されている無駄な支出や固定費がかさんでいる
当期純利益プラス(黒字)マイナス(赤字)
キャッシュフロープラス傾向マイナス傾向

黒字でもキャッシュが減っている企業もあれば、赤字でも資金繰りは安定している企業もあるため、「利益」だけでなく「キャッシュ」の状況も合わせて見ることが重要です。

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黒字と赤字の境界線はどこにある?

売上と支出のバランスに注目

企業の収益構造を簡略化すると以下のようになります。

売上 ー 経費 = 利益

この式で、利益がプラスであれば黒字、マイナスであれば赤字です。したがって、「黒字か赤字か」を判断する際には、まずは「利益が出ているかどうか」を確認するのが第一歩です。

チェックポイント確認すべき項目
売上の伸び昨年対比で売上は増えているか
売上総利益(粗利)原価を差し引いた後の利益率は維持できているか
営業利益本業でしっかり収益が出ているか
経常利益金利・投資収益などを含めた経営体力はどうか
当期純利益税金などすべて差し引いた最終的な利益は黒字か

損益分岐点を知ることも重要

損益分岐点とは、「売上と費用がちょうど一致するライン」を指し、これを超えた売上が出ていれば黒字、下回っていれば赤字になります。

計算式内容
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率収益と支出がイコールになる売上高
限界利益率 = 粗利 ÷ 売上高商品1個売って得られる純粋な利益の割合

この損益分岐点の把握により、赤字転落リスクを未然に防ぐ経営判断が可能になります。

黒字でも油断できないケースとは?

実は「キャッシュ不足」の可能性も

決算書上で黒字でも、実際にはキャッシュが足りず資金繰りに苦しむケースもあります。これは売掛金の回収遅延や、設備投資によるキャッシュアウトが原因で起こる「黒字倒産」の典型です。

税金・借入返済に要注意

黒字だと法人税が発生します。また、借入の元本返済は費用に計上されないため、利益があっても現金が手元から出ていく構造に注意が必要です。

赤字でも健全な状態とは?

赤字が続くと経営危機に見えますが、次のようなケースでは「戦略的な赤字」と捉えられます。

赤字の理由健全性の判断ポイント
新規事業への先行投資投資額に見合う成長見込みがあるか
一時的な損失計上翌期以降に回復見込みがあるか
減価償却費が大きい実際のキャッシュフローがプラスであるか

重要なのは、「なぜ赤字なのか」を定量的に把握し、将来的な黒字化のシナリオがあるかどうかです。

黒字経営を維持するためのポイント

  • 固定費の見直し:家賃、人件費、通信費など固定的に発生する費用を最適化する
  • 利益率の高い商品への注力:薄利多売より、高粗利商品に注力する方が利益確保しやすい
  • 資金繰りの管理:利益が出ていても現金が足りなければ経営は破綻するため、月次でキャッシュフローを確認
  • 定期的な決算分析:四半期ごとの財務チェックと改善行動が黒字の継続には不可欠
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まとめ

黒字経営と赤字経営の境界線は、損益計算書上の「利益」に加え、キャッシュの動きや損益分岐点、経費構造のバランスなど多面的に判断することが必要です。ただ単に「黒字=安心」「赤字=危険」とは言い切れず、数字の背景を読み取る力が経営には欠かせません。

定期的な財務状況の確認と、売上・コストの適正管理を行うことで、継続的な黒字経営の実現を目指していきましょう。