, 創業期に欠かせないリスクマネジメントとは?事業を守るためのポイントを解説 | シェアマインド経営サークル

創業期に欠かせないリスクマネジメントとは?事業を守るためのポイントを解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

詳しく見る

起業したばかりの創業期は、資金繰り・人材・信頼構築など、あらゆる面で不安定な時期です。そんな時期にこそ必要なのが「リスクマネジメント」。万が一に備えた備えがあるかどうかで、事業の存続や成長に大きな差が出てきます。本記事では、創業初期に意識すべきリスクの種類と、それぞれへの具体的な対策についてわかりやすく解説します。

リスクマネジメントとは?

不測の事態に備える「事業の安全装置」

リスクマネジメントとは、将来起こりうるリスクを事前に洗い出し、それを回避・軽減・対応する仕組みを作ることです。特に創業期の企業は、リスクに対する体力が弱いため、一つのミスが致命傷になることもあります。

計画的にリスクを予測し、対応策を事前に準備しておくことで、いざという時のダメージを最小限に抑えることができます。

経営管理・組織運営のプロフェッショナル監修

●数々の会社経営から
多角的視点での企業支援!
●申請から導入まで
一気通貫で徹底サポート!
●問い合わせ・相談から申請まで
完全無料!

ピッタリな補助金・助成金が見つかる!

創業期に発生しやすいリスクの種類

リスク分類内容
経営リスク資金ショート、売上未達、人材不足など
法務リスク契約トラブル、知的財産侵害、法律違反など
情報セキュリティリスク顧客情報の漏洩、ウイルス感染、データの消失など
オペレーションリスク業務の属人化、システムトラブル、ミスによる損失など
社会的信用リスクSNSでの炎上、社員の不祥事、風評被害など
自然災害リスク地震・台風・停電など、事業継続に関わるインフラリスク

特に創業期は「想定外の事態」が発生しやすく、どのリスクも現実味を持って対策する必要があります。

創業期におけるリスクマネジメントの基本手順

ステップ内容
リスクの洗い出し自社の業種・体制に応じて想定されるリスクをリストアップする
リスクの評価発生頻度と損失の大きさから、重要度の高いリスクを特定する
対策の策定回避・軽減・保有・転嫁(保険や委託など)の視点で具体的対策を決める
実施と訓練決めたルールやフローを実行できる体制を整える。訓練・マニュアル整備も含む
モニタリングと見直し定期的に実態を確認し、必要に応じてリスク対策を更新する

初期段階では完璧を目指すより、「致命傷になるリスクをまず潰す」ことが重要です。

創業期に重点を置きたい具体的なリスク対策

資金繰りリスクへの対応

  • 毎月の収支予測を立て、早めに資金ショートを察知
  • 複数の資金調達手段(融資・補助金・出資)の確保
  • 取引先への支払・入金スケジュールを厳密に管理

契約リスクへの対応

  • 雛形をそのまま使わず、専門家のリーガルチェックを受ける
  • 重要な取引は必ず書面で契約し、証拠を残す
  • NDA(秘密保持契約)を積極的に活用

セキュリティリスクへの対応

  • パスワード管理のルールを設ける(定期変更・共有禁止など)
  • 無料のクラウド利用に注意し、情報の保存場所を明確化
  • バックアップを定期的に実施

社内ルールの整備によるリスク対策

  • 勤怠・経費・SNS利用などの基本ルールを早期に整備
  • 業務の属人化を防ぐため、業務マニュアルを作成
  • ハラスメントやコンプライアンス違反防止の研修

創業期のリスクマネジメントが重要な理由

理由解説
経営基盤が脆弱一度のミスやトラブルが、そのまま倒産リスクに直結する
顧客・取引先の信頼確保リスク管理体制があることで、外部からの信用を得やすくなる
投資家・金融機関への説明力事業計画にリスク管理が盛り込まれていると、支援を得やすくなる
成長に向けた準備になる小規模なうちからルール整備をすることで、事業拡大時にも対応しやすくなる

事業の将来性だけでなく「事業の継続性」を見せることで、外部からの評価も変わります。

よくある創業者のリスク管理の失敗例

失敗例結果
契約内容を確認せずに取引開始トラブル時に自社の責任が大きくなり損害が拡大
売上予測を楽観視して仕入れ過多資金繰りが詰まり、運転資金が枯渇
社員の問題行動を放置SNSで炎上し、顧客や取引先からの信用を一気に失う
セキュリティ対策を怠ったまま運用開始顧客データ流出やウイルス感染などで事業停止の危機になる

創業時はやることが多く「見落としやすい」ですが、早期に最低限のリスク対策を講じておくことが重要です。

経営管理・組織運営のプロフェッショナル監修

●数々の会社経営から
多角的視点での企業支援!
●申請から導入まで
一気通貫で徹底サポート!
●問い合わせ・相談から申請まで
完全無料!

ピッタリな補助金・助成金が見つかる!

まとめ

創業期は、アイデアやビジョンに目を向けがちですが、それと同じくらい「守り」も大切です。リスクマネジメントをしっかり行うことで、予期せぬ事態への備えができ、長く安定した事業運営につながります。

完璧な管理は求めずとも、「何が起こり得るか」「どう対応するか」を一度でも考えておくだけで、経営判断に余裕が生まれます。創業時こそ、攻めと守りのバランスを意識した経営を目指しましょう。