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プロパー借換制度とは何か?目的や活用メリットをわかりやすく解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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中小企業や個人事業主にとって、資金繰りの見直しは経営改善の重要な一手です。その中で注目されているのが「プロパー借換制度」。保証付き融資から保証なしのプロパー融資へと切り替えることで、金融機関と企業との関係性をより強固にする制度です。本記事では、プロパー借換制度の目的や仕組み、メリット・注意点までを詳しく解説します。

プロパー借換制度とは

金融機関の「自前融資」への切り替え支援

プロパー借換制度とは、信用保証協会の保証付き融資を利用している企業が、将来的にその保証を外し、金融機関がリスクを直接負担する「プロパー融資」へと切り替える流れを支援する制度です。

もともと保証付き融資とは、信用保証協会がリスクを引き受ける仕組みで、企業側にとっては審査のハードルが低い代わりに、金融機関との信頼関係が薄くなる傾向がありました。

プロパー借換制度は、こうした構造を見直し、企業と金融機関がより深い関係性を築くためのステップとして設けられた制度です。


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制度の目的と背景

中小企業の持続的成長を支援

この制度が導入された背景には、新型コロナウイルスによる実質無利子・無担保融資(いわゆるゼロゼロ融資)によって、過剰債務を抱えた中小企業が増えたことがあります。

これらの借入が集中して返済期を迎える中、企業の資金繰り悪化を未然に防ぐため、国や金融庁が主導してプロパー借換制度を推進しています。

背景と目的内容
コロナ融資の集中返済数年後に集中する元本返済による資金繰り悪化への備え
経営支援型金融への移行表面的な融資から、伴走支援型の関係構築へ
信用保証の偏重是正公的保証依存から脱却し、金融機関のリスク負担を促す

この制度は一時的な救済ではなく、長期的に企業と金融機関双方にとってメリットのある枠組みとして設計されています。


プロパー借換制度のメリット

経営安定と金融機関との信頼強化

プロパー借換制度を活用することで、次のような利点が生まれます。

メリット項目内容
保証料の削減信用保証協会を利用しないことで、保証料の負担がなくなる
自由な資金使途プロパー融資は用途が柔軟で、運転資金や設備投資などに活用しやすい
金融機関との関係深化プロパー化により金融機関の支援が手厚くなり、経営アドバイスも受けやすくなる
融資期間の延長可能性借換により返済期間の見直しが可能となり、月々の返済負担が軽くなる
財務体質改善の後押し金融機関からの適切なフィードバックにより、経営の見直しが進む

特に、今後の成長を見据えた設備投資や販路拡大を計画している企業にとっては、大きな追い風になります。


利用時の注意点とデメリット

金融機関との対話と信用が不可欠

一方で、プロパー融資には保証付き融資に比べて「審査のハードルが高い」という現実があります。

注意点・デメリット項目内容
審査が厳しい金融機関がリスクを負うため、事業計画や財務資料が重視される
融資が通らない可能性経営状況が悪い場合、プロパーへの切り替えが認められないケースもある
金利が若干高くなることも保証付き融資に比べて若干の金利上昇が発生する可能性がある
金融機関との継続的な対話が必要定期的な報告や経営状況の開示が求められる

これらを踏まえると、準備不足のまま申込をすると否決されるリスクがあるため、専門家や金融機関担当者と事前にしっかり相談することが重要です。


利用のステップと手続きの流れ

どのように申し込むのか

プロパー借換制度の活用には、主に以下のようなステップが想定されます。

ステップ内容
1 現在の借入状況の整理保証付き融資の残高、返済計画などを一覧にする
2 金融機関へ相談担当者と今後の資金繰りや事業計画について意見交換する
3 事業計画の作成プロパー融資に耐えうる内容の経営計画を用意する
4 借換申込と審査書類提出後、金融機関による審査
5 実行・借換完了審査通過後に借換が実行され、返済が一本化される

ポイントは「数字だけでなく、経営姿勢や将来ビジョンを明確に伝えること」です。


どんな企業に向いているか

活用に適した企業の特徴

プロパー借換制度は、以下のような企業にとって特に効果的です。

適したケース解説
将来の投資を計画している企業保証料負担を軽減し、投資余力を確保できる
金融機関との関係性を深めたい企業財務支援にとどまらず経営支援も受けられるようになる
コロナ融資返済が重荷となっている企業借換で返済期間を見直し、キャッシュフローを改善できる

ただし、事業の継続性や返済能力が問われるため、無理な借換ではなく「将来を見据えた戦略的借換」であることが前提となります。


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まとめ

プロパー借換制度は、信用保証に依存していた企業が、金融機関と対等な関係を築きながら資金調達するための重要なステップです。単なる借換ではなく、金融支援から経営支援へとつなげる制度として、今後ますます注目されるでしょう。

活用するには、事前の準備や経営計画の明確化が不可欠です。安定した財務体質と将来の成長性を示すことで、金融機関の信頼を得て、より持続的な経営に向けた足がかりを築いていくことが求められます。