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BCPって何?策定のメリットと作成方法について解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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企業を取り巻くリスクは、自然災害やパンデミック、サイバー攻撃など多岐にわたります。こうした緊急事態に備え、事業を継続できる体制を整えておくための計画がBCP(事業継続計画)です。本記事では、BCPの基本的な意味から、策定することによるメリット、具体的な作成手順までをわかりやすく解説します。中小企業から大企業まで、業種を問わず経営に関わるすべての方に役立つ内容です。

BCPとは何か

緊急時にも事業を止めないための計画

BCPとは「Business Continuity Plan」の略で、日本語では「事業継続計画」と訳されます。災害、事故、感染症の拡大などによって通常業務が継続できなくなる事態に備え、あらかじめ策定しておく計画を指します。

BCPは単なるマニュアルではなく、以下のような目的を持った実践的な計画です。

  • 企業の重要な業務を中断させずに続ける
  • 業務が停止した場合でも速やかに復旧させる
  • 社員や顧客、取引先の安全と信頼を守る

つまり、企業が社会的責任を果たしつつ、経済的損失を最小限に抑えるための「危機管理戦略」と言えるでしょう。


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BCP策定の主なメリット

リスク管理だけでなく企業価値も向上

BCPを策定することで、企業が得られるメリットは多数存在します。以下の表は主なメリットをまとめたものです。

メリット内容
事業の早期再開災害発生後の損失を最小化し、迅速に業務再開が可能
社会的信用の向上顧客や取引先に対して信頼性の高い企業であることを示せる
従業員の安全確保事前に対応を整えることで、従業員の命と生活を守れる
サプライチェーンの維持取引先との関係を保ち、流通の混乱を防ぐ

このように、BCPは単なる災害対策にとどまらず、企業の競争力強化やブランディングにも直結します。


BCPが求められる背景

多様化するリスクと企業責任の変化

近年、企業にとってBCPの必要性はますます高まっています。背景には以下のような要因があります。

  • 自然災害の頻発(地震、豪雨、台風など)
  • 感染症リスク(新型コロナウイルスなど)
  • 情報漏洩やサイバー攻撃の増加
  • 海外拠点との連携によるリスク分散の必要性

また、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営やサステナビリティの観点からも、BCPを整備することは企業としての社会的責任(CSR)を果たすうえで欠かせないといえるでしょう。


BCPの基本構成

どのような内容を含めるべきか

BCPは企業の規模や業種によって構成が異なりますが、共通して含めるべき基本的な項目があります。

  • 被害の想定(想定リスクの種類と影響)
  • 優先業務の洗い出し(どの業務を最優先で継続するか)
  • 対応策(バックアップ体制、代替拠点など)
  • 情報共有の方法(社内外への連絡手段)
  • 従業員の行動マニュアル(安否確認、出勤ルール)
  • 復旧手順(段階的な復旧フロー)

これらを網羅的に盛り込むことで、有事の際にも混乱を最小限に抑え、スムーズな対応が可能になります。


BCP策定のステップ

具体的な作成プロセスを紹介

BCPを初めて作成する企業にとって、何から手を付ければ良いか分からないケースも多いでしょう。以下は、一般的な策定ステップです。

  1. 現状分析
     重要業務、資産、人材の洗い出しを行い、事業に不可欠な要素を明確化します。
  2. リスク評価
     想定されるリスクの種類と、それぞれの影響度・発生確率を評価します。
  3. 継続・復旧目標の設定
     中断が許されない業務と、どの程度の期間で復旧させるかを定めます。
  4. 対応策の検討と文書化
     代替手段、通信手段、緊急連絡体制などの具体策を文書化します。
  5. 教育と訓練の実施
     従業員への周知と、定期的な訓練により実行力を高めます。
  6. 定期的な見直し
     事業環境やリスクの変化に応じて、BCPの内容を更新します。

BCP策定に活用できる外部支援

専門家や制度を活用することで効率化

自社だけでBCPを策定するのが難しい場合は、外部の支援を利用するのも有効です。特に中小企業の場合、各自治体や商工会議所、中小企業庁などが提供する支援制度を活用することで、効率的に進めることができます。

以下は代表的な支援方法です。

  • 中小企業庁のガイドラインやひな形の活用
  • 専門コンサルタントによる策定支援
  • 補助金制度の利用(BCP策定支援補助金など)
  • 地方自治体主導のワークショップ参加

専門家の支援を受けることで、自社に適したBCPを短期間で整備し、実効性の高い計画を構築することが可能です。


BCPの社内浸透と実効性の確保

策定だけで満足しない運用が鍵

BCPは策定して終わりではなく、実際に機能させるためには「運用」と「改善」が不可欠です。特に社内浸透を図るうえで、次のようなアプローチが求められます。

  • 全社員への周知徹底と定期的な説明会
  • 年1回以上のBCP訓練実施
  • 定期的なBCPレビューと内容のアップデート
  • 管理職・リーダー層への役割分担の明確化

BCPの有無が企業の生死を分ける時代において、机上の計画だけでなく「実際に使えるBCP」を意識した取り組みが求められます。


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まとめ

BCP(事業継続計画)は、企業の存続と信頼性を守るために欠かせない戦略的ツールです。災害やリスクに備えておくことは、単なる危機管理ではなく、企業の未来を守る経営戦略の一部といえるでしょう。

策定には一定の労力が必要ですが、外部支援の活用や段階的な導入により、どの企業でも実現可能です。今こそ、BCPの策定に取り組み、万が一に備えた強い組織づくりを進めましょう。