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ティール組織って?ヒエラルキー組織との違いとは?

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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働き方や組織の在り方が多様化する中、「ティール組織」というモデルが注目を集めています。ヒエラルキー型(階層型)と比べ、権力構造・意思決定・従業員の関わり方などの点で大きく異なります。この記事では、ティール組織の特徴・ヒエラルキー組織との違い・導入するための要素・メリット・注意点をわかりやすく解説します。

ティール組織とは何か

自主性と進化する目的を重視する新しい組織モデル

ティール組織とは、指示命令型ではなく、構成員一人ひとりが自主的に判断して行動することを前提とした組織のことを指します。主要な特徴は以下の三つです。

  • セルフマネジメント(自己管理):役職や命令系統に縛られず、現場で判断できる仕組み
  • ホールネス(全体性):仕事の側面だけでなく、人としての全体性を尊重する関わり方
  • エボリューショナリー・パーパス(進化する目的):組織目的が固定されず、環境変化やメンバーの意見を受けて変化・進化していく

このような考え方は、従来のトップダウン型のヒエラルキー組織とは大きく異なります。


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ヒエラルキー組織との比較:違いを整理する

階層構造と意思決定の流れに関する相違点

ヒエラルキー組織(階層組織)との主な違いを以下の表にまとめます。

要素ヒエラルキー組織の特徴ティール組織の特徴
意思決定上位者からの指示・管理命令型現場や個人に判断を委ねる自己管理型
権限分散明確な役職・序列が存在役職より役割、流動的で柔軟な構成
目的・目標組織が設定した方針に従う組織・メンバー双方が目的を見直しながら進化
従業員の関わり方指示を受け従うことが中心自発性・創造性・責任を持って動く

この比較から、ティール組織では従業員の主体性や柔軟性が重視され、ヒエラルキー組織では管理と統制が中心となることが見えてきます。


ティール組織が注目される背景と発展段階

時代の変化と組織進化の段階

近年ビジネス環境の変化・多様性の拡大・働く人の価値観の変化などにより、ヒエラルキー型だけでは対応しきれない局面が増えています。ティール組織はそうした課題へのらしい応答として注目されています。

また、組織の進化を示す発展段階としては、以下のようなモデルが提唱されています。

  • レッド組織:強いリーダーの支配、命令中心
  • アンバー組織:明確な階層とルール、堅牢だが柔軟性に欠ける
  • オレンジ組織:成果主義、競争による成長重視
  • グリーン組織:共感・文化重視、ボトムアップ型の要素を含む
  • ティール組織:自己管理・ホールネス・目的の進化を持つ最先端モデル

ティール組織の導入にあたっての要素とメリット

成功に必要な取り組みと期待できる効果

ティール組織を目指す上で重要となる要素と、それによって得られるメリットを整理します。

要素具体内容
自主経営(セルフマネジメント)の制度設計権限移譲、現場判断、役割の柔軟性を持たせる
組織目的の共有と進化ミッション/ビジョンを固定せず更新していく仕組み
個の尊重と心理的安全性確保互いの意見を尊重する文化、役職より対話が中心

これらによって以下のようなメリットが期待できます。

  • 意思決定のスピードアップと現場対応力の向上
  • 従業員のやる気・創造性の発揮
  • 社員の離職率低下・定着率向上
  • 組織が変化する環境に柔軟に適応できる力

導入時の課題と注意すべきポイント

文化とのギャップ・管理職の役割変化などの障壁

ティール組織は理想的に聞こえますが、実際に運用する際には多くの障害があります。

  • 従来の階層文化が強く根付いている組織では、自主性・役割の柔軟性を受け入れにくい
  • 管理職の存在意義が変わるため、役職者の抵抗や戸惑いが出ることがある
  • 意思決定プロセスが曖昧になり、責任の所在が不明確になるリスク
  • 自発性を持つ社員とのすり合わせや価値観共有に時間がかかる

これらの課題を避けるために部分的な試行導入からスタートすること、明確なサポート体制を用意することが重要です。


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まとめ

ティール組織は、自己管理・ホールネス・進化する目的を柱とし、従来型ヒエラルキー組織とは異なる価値観と運営スタイルを持つモデルです。

ただし導入には文化や役割・意思決定の在り方の見直しが必要であり、短期間で変革を期待するのではなく、段階的に実践を重ねていくことが成功の秘訣です。

組織を見直したい経営者やマネジメント層は、自社の現状に応じてティール組織の要素を取り入れることで、より柔軟で人を重んじる組織へと進化できる可能性が高まります。