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確定給付企業年金とは?メリットとデメリットをわかりやすく解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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老後の生活資金を支える制度の一つとして注目されている「確定給付企業年金(DB:Defined Benefit Plan)」。企業が退職後の年金額をあらかじめ約束し、運用や給付を行う仕組みです。公的年金に上乗せされる私的年金の一種であり、安心感がある一方で企業側の負担が大きい点も特徴です。本記事では、確定給付企業年金の仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく紹介します。

確定給付企業年金とは

確定給付企業年金とは、企業があらかじめ「将来受け取る年金額」を定め、その給付を保証する企業年金制度です。退職後に受け取る年金額は、勤続年数や給与額などに基づいて決定され、加入者自身の運用結果に影響されない点が特徴です。

主な仕組み

  • 企業が掛金を拠出し、年金資産を管理・運用する
  • 退職時または老後に、あらかじめ決められた金額を受け取れる
  • 運用の成果や損失は基本的に企業が負担

つまり、加入者にとっては「将来もらえる金額が安定している」安心感のある制度です。


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確定給付企業年金のメリット

確定給付企業年金には、加入者と企業の双方にとって利点があります。特に、将来の生活設計を立てやすい点が大きな魅力です。

主なメリット

  • 将来の給付額が確定している
    運用結果に関係なく、退職後に受け取る年金額があらかじめ決まっているため、老後の生活を安定的に設計できます。
  • 長期的な安心感が得られる
    企業が責任を持って運用・給付を行うため、加入者は市場の変動を気にせず安心して将来を見据えられます。
  • 税制上の優遇措置がある
    掛金は全額が損金算入され、受給時も一定額まで非課税扱いとなるなど、税負担を軽減できます。

確定給付企業年金のデメリット

一方で、確定給付企業年金にはいくつかの課題やリスクも存在します。

主なデメリット

  • 企業側の運用リスクが高い
    運用がうまくいかず資産が不足した場合、企業がその差額を補う必要があります。経営に負担を与える可能性があります。
  • 転職時の取り扱いが複雑
    転職先に同様の制度がない場合、年金資産を持ち運ぶことができず、受給時期や方法が限定されることがあります。
  • 企業の制度変更リスク
    経営状況の悪化などにより、制度そのものが廃止・見直されるケースもあります。

メリットとデメリットの比較表

項目メリットデメリット
将来の給付受け取る金額があらかじめ確定している給付額の変更は企業次第
運用リスク加入者が負う必要がない企業がリスクを負担
安定性老後の生活設計がしやすい制度変更・廃止の可能性あり
税制優遇掛金や受給に税の優遇措置がある手続きや管理が複雑

確定拠出年金(DC)との違い

企業年金には「確定給付型(DB)」と「確定拠出型(DC)」の2種類があります。両者の違いを理解しておくことも重要です。

  • 確定給付年金(DB):企業が給付額を約束し、運用リスクを負う
  • 確定拠出年金(DC):企業が掛金額を定め、運用は加入者自身が行う

つまり、DBは「企業が責任を持つ制度」、DCは「個人が運用する制度」という違いがあります。


確定給付企業年金を導入する企業の理由

企業がこの制度を導入する背景には、次のような目的があります。

  • 従業員の長期定着を促す
  • 退職金制度をより安定的に運用する
  • 企業の社会的信用を高める

特に大企業では、福利厚生の一環として確定給付企業年金を採用しているケースが多く見られます。


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まとめ

確定給付企業年金は、将来の年金額があらかじめ決まっている安心感のある制度です。老後の生活設計を立てやすい一方で、企業側に運用リスクが集中するため、経営状況によっては制度変更の可能性もあります。

自分が勤務する会社の年金制度の内容を理解し、将来の資産形成をどのように組み立てるかを考えることが大切です。安定した老後を迎えるためにも、制度の特徴を正しく把握しておきましょう。