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顧客カルテの作り方とは?ポイントも解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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顧客との関係を深め、営業活動の成果を高めるうえで、顧客カルテは欠かせないツールです。顧客カルテをきちんと設計・運用することで、情報の一元管理・担当交代時の引き継ぎ・マーケティング戦略の精度向上が期待できます。本記事では、顧客カルテの意味・作り方・押さえるべきポイントをわかりやすく整理します。

顧客カルテとは何か

顧客カルテの定義と役割

顧客カルテとは、取引先企業や個人顧客に関する基本情報・接点履歴・購買履歴などを一元的に整理・管理するデータベースのようなものです。
このツールを活用することで、次のような利点があります。

  • 組織全体で同一の顧客情報を共有できることで、異なる担当者間でもスムーズな情報引き継ぎが可能となる。
  • 顧客ごとの行動履歴や反応を把握することで、営業・マーケティング活動の精度が高まる。
  • 情報が散在していると「誰がいつどんな対応をしたか」が見えにくくなりますが、顧客カルテを整備することで「顧客理解」を強化できる。

さらに管理方法として「紙管理」か「電子管理」かに大きく分かれます。紙管理ではファイルや紙帳票に顧客情報を記録して保管する形式、一方で電子管理ではソフトウェアやクラウドツールを使い、顧客情報をデジタル化・共有可能にします。
現代では電子管理が主流となっており、モバイルやクラウド対応によって外出先からも確認・入力できるという利便性が高まっています。


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顧客カルテに入れる項目と設計のコツ

項目の整理と設計のポイント

顧客カルテを作る際には、どんな項目を入れるか明確にしておくことが重要です。以下の表で、代表的な項目とその意図を整理しました。

項目分類内容例意図・効果
基本情報顧客名/担当者名/連絡先/企業所在地など顧客を識別し、基本的な接触ができるようにする
接点・対応履歴打ち合わせ日時・内容・次回アクションなど営業の流れを追い、漏れを防止する
購買・取引履歴過去の購入商品/購入金額/回数など顧客の価値を把握し、クロスセル・アップセルに活用
特記事項・ニーズ顧客の課題/要望/興味・関心事項など顧客に合わせた提案を実現するための材料

このように、項目を明確化することで「どの情報が必要か」が整理され、担当者も迷わず入力・活用できます。
設計時のコツとしては以下の点も挙げられます。

  • 必要最小限の項目に絞ることで入力負荷を軽減する。
  • 部門横断的に使える項目設計とし、営業・マーケティング・カスタマーサポートが活用できる共通フォーマットにする。
  • 定期的に見直せるよう、履歴欄や更新日時などを設けて情報の鮮度を保つ。

入力・運用のための箇条書きリスト

  • モバイルやクラウド対応のツールを選び、外出先でも入力・確認ができる環境を整える。
  • 担当者交代や異動があった際にも引き継ぎしやすいフォーマット(統一レイアウト)にする。

顧客カルテを作成するステップ

段階的な作り方

顧客カルテの構築には、以下のようなステップで進めると効率的です。

1 準備段階
 ・現状の顧客データ管理状況を確認し、課題を洗い出す。
 ・どの部門がどの情報を使うか、目的を整理する。

2 項目設計
 ・上記で挙げた項目分類をもとに、自社に必要な項目を選定・カスタマイズ。
 ・入力フォーマット(紙/デジタル)、権限・共有範囲を決定する。

3 データ移行・入力
 ・既存の顧客データを整理・重複削除して、カルテ形式に移行。
 ・初期入力ルールを設定し、担当者へ教育を行う。

4 運用・改善
 ・運用開始後、定期的に入力状況・活用状況をレビュー。
 ・運用上の障壁や入力漏れを発見し、改善策を実施。

運用時の注意点を整理した箇条書き

  • 情報が古いまま放置されないよう、「更新日」や「担当者入力必須」のルールを設ける。
  • セキュリティ・プライバシー面の配慮を行い、アクセス権限/保存期間を明確にする。

顧客カルテ活用による効果と押さえるべきポイント

活用効果の整理

顧客カルテを適切に運用することで、以下のような効果が期待できます。

効果説明
情報共有の促進組織内で顧客情報が共有され、対応の一貫性が生まれる
営業・戦略の精度向上顧客ごとの履歴・ニーズを把握し、提案の質が高まる
引き継ぎの円滑化担当者の退職・異動時にも情報が残り、対応が滞らない

ポイント・注意点

顧客カルテを作るだけでは効果は出ません。押さえておくべきポイントを整理します。

  • データを蓄積して終わりではなく、活用する文化を組織に定着させる。
  • 担当者が使いやすいインターフェース・入力手順を設計することで、運用定着率が上がる。
  • 運用開始後も定期的に効果を振り返り、不要項目の削除や新たな項目の追加を検討する。
  • 管理すべき情報が増えすぎると入力漏れ・管理負荷の原因になるため、項目数は最適化を心がける。

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まとめ

顧客カルテは、顧客理解を深め、営業・マーケティング・サポートを強化するための基盤となるツールです。意味や役割を正しく理解し、必要な項目を整理したうえで設計し、運用ステップを踏むことでその効果は格段に高まります。また、活用効果を最大化するためには運用後のレビュー・改善も欠かせません。顧客カルテの構築は、単なる情報整理ではなく、組織全体の顧客対応力を高める重要なプロセスです。