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EVPって何?人事担当者は知るべき?従業員価値提案とは?

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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企業が人材を獲得・定着させるためには、報酬や福利厚生だけでなく、従業員が感じる「価値」全体に目を向ける必要があります。そこで注目されているのが「EVP(従業員価値提案)」です。本記事では、EVPの基本概念や重要性、設計・活用のポイントをわかりやすく解説し、人事担当者が押さえておくべき視点を紹介します。

EVPとは何か

EVP(Employee Value Proposition)とは、「企業が従業員に提供する価値の総称」を意味します。給与や福利厚生といった目に見える報酬だけでなく、働きがいや成長機会、職場文化など、従業員が企業に対して感じるあらゆる魅力が含まれます。

つまり、EVPは「なぜ人がこの会社で働きたいと思うのか」「なぜ辞めずに働き続けたいと感じるのか」を言語化したものといえます。


EVPの主な構成要素

EVPは複数の要素で構成されており、企業の状況やビジョンに応じてその中身は異なります。以下に代表的な構成項目を表で整理しました。

項目名内容の例
報酬給与、ボーナス、福利厚生、手当など
成長機会研修、キャリアパス、チャレンジできる仕事など
企業文化風通しの良さ、上司との関係、働きがい、価値観の共有など
ワークライフバランス柔軟な働き方、休暇制度、リモート勤務の可否など
社会的意義仕事を通じた社会貢献、サステナビリティへの取り組みなど

これらが従業員にとって魅力的に感じられるかどうかが、EVPの強さを決定づけます。


EVPが注目されている背景

少子高齢化と人材流動性の高まりにより、企業が「選ばれる立場」となった現代では、給与だけでは優秀な人材を惹きつけることが難しくなっています。そのため、自社の魅力を明確に打ち出し、従業員との関係を構築する手段としてEVPの重要性が高まっています。

また、エンゲージメント向上や定着率の改善といった効果も期待されており、単なる採用施策にとどまらず、戦略的な人事・組織づくりの軸として活用されています。


EVPを設計する際のポイント

効果的なEVPを設計するには、単に制度を並べるだけでは不十分です。以下のような視点を踏まえることが重要です。

現場社員の声を反映する

経営層や人事部門だけで設計すると、現場とのズレが生じやすくなります。現場社員へのインタビューやアンケートを通じて、「実際に感じている魅力」や「不満点」を把握し、EVPに落とし込むことが重要です。

自社らしさを明確にする

他社と似たようなEVPでは、人材に選ばれる理由にはなりません。自社ならではの文化や強み、働き方、成長支援の仕組みなど、「ここにしかない価値」を明確に伝える必要があります。


EVPがもたらすメリット

EVPを戦略的に活用することで、組織に多くのメリットをもたらすことができます。以下に主な利点を挙げます。

採用力の強化

求職者に対して魅力を明確に伝えることができるため、採用競争力が高まり、自社に合った人材を惹きつけやすくなります。

定着率の向上

従業員が「ここで働き続ける理由」を感じられるようになれば、離職率の低下にもつながります。特に若手社員にとって、働く意味の明確化は定着の大きな要素となります。


EVPの浸透と活用方法

EVPは策定して終わりではなく、社員や求職者に向けて正しく伝え、日常業務にまで浸透させることが重要です。具体的には、以下のような活用方法があります。

  • 採用ページやパンフレットに自社のEVPを明示する
  • 社内の評価制度や報酬制度と一貫性を持たせる
  • 社員の成功事例や体験談を通じて、価値を言語化し共有する

こうした取り組みを通じて、EVPは単なるコンセプトから「組織文化の中核」として機能するようになります。


まとめ

EVPは、採用力の強化や従業員定着の向上に直結する「企業からの価値提案」です。給与や制度といった表面的な情報だけではなく、働く意味や文化、キャリアの可能性といった本質的な魅力を伝えることが求められています。これからの人事担当者には、EVPを軸に戦略的な人材戦略を描く視点が欠かせません。ぜひ自社らしいEVPの設計と活用に取り組んでみてください。