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買掛金と売掛金とは?会計処理の流れと相殺処理について解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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企業間取引では、「買掛金」や「売掛金」が発生します。これらは資金管理や決算処理において重要な項目であり、正しい会計処理が求められます。
本記事では、買掛金と売掛金の違い、会計処理の流れ、相殺処理の方法について詳しく解説します。

買掛金と売掛金とは?

買掛金とは?

買掛金(Accounts Payable)とは、企業が商品やサービスを仕入れたものの、まだ支払いが完了していない未払いの金額を指します。

項目内容
意味仕入れた商品・サービスの未払い金
会計区分負債
記帳方法「買掛金」として処理
具体例仕入先から商品を受け取り、翌月末に支払い予定の場合

売掛金とは?

**売掛金(Accounts Receivable)**とは、企業が商品やサービスを販売し、まだ代金を受け取っていない未回収の金額を指します。

項目内容
意味販売した商品・サービスの未回収金
会計区分資産
記帳方法「売掛金」として処理
具体例取引先に商品を納品し、請求書を発行、翌月末に入金予定の場合

買掛金と売掛金の違い

比較項目買掛金売掛金
定義仕入れたが未払いの金額販売したが未回収の金額
会計区分負債資産
記帳の方向貸方(クレジット)借方(デビット)
具体例仕入先からの請求取引先への請求

買掛金と売掛金の会計処理の流れ

1. 買掛金の会計処理

企業が商品を仕入れた際に「買掛金」が発生し、支払い時に消込(相殺)されます。

処理タイミング仕訳
仕入れ時仕入(費用)100,000円 / 買掛金(負債)100,000円
支払い時買掛金(負債)100,000円 / 現金・預金(資産)100,000円

2. 売掛金の会計処理

企業が商品を販売した際に「売掛金」が発生し、入金時に消込(回収)されます。

処理タイミング仕訳
売上発生時売掛金(資産)100,000円 / 売上(収益)100,000円
入金時現金・預金(資産)100,000円 / 売掛金(資産)100,000円

買掛金と売掛金の相殺処理

1. 相殺処理とは?

企業間取引では、同じ取引先との間で売掛金と買掛金が同時に発生するケースがあります。その場合、支払いや入金を別々に処理するのではなく、差額を精算する「相殺処理」を行うことが可能です。

相殺の仕組み具体例
売掛金と買掛金を相殺A社がB社に対して100,000円の売掛金を持ち、B社から50,000円の買掛金がある場合、差額の50,000円を入金処理する

2. 相殺処理の会計仕訳

処理タイミング仕訳
売上発生時売掛金 100,000円 / 売上 100,000円
仕入発生時仕入 50,000円 / 買掛金 50,000円
相殺処理時買掛金 50,000円 / 売掛金 50,000円
差額入金時現金・預金 50,000円 / 売掛金 50,000円

買掛金・売掛金の管理ポイントと注意点

1. 入金・支払いの遅延防止

買掛金や売掛金の管理が甘いと、キャッシュフローに影響を与えます。

リスク対策
売掛金の回収遅延支払期限の管理、督促の実施
買掛金の支払い遅延仕入先との信用低下を防ぐため、期限を守る

2. 正確な帳簿管理

不適切な記帳は、決算時の誤りにつながるため注意が必要です。

問題点対策
記帳漏れ会計ソフトを活用し、自動記録を行う
記帳ミス定期的な監査や確認を実施

3. 相殺処理の適用条件を確認

相殺処理は、双方の合意が必要であり、契約内容を確認することが重要です。

リスク対策
相殺できない取引がある契約条件を事前に確認する
取引先の合意が得られない書面で相殺のルールを明文化

買掛金・売掛金管理の成功事例

企業の業種課題導入後の効果
小売業売掛金の回収遅延が多発督促フローの強化で回収率向上
製造業買掛金の支払いミス会計ソフト導入で支払い漏れを防止
IT企業相殺処理の手間が多い自動化システムで相殺処理を効率化

まとめ

買掛金と売掛金は、企業の資金管理において重要な負債・資産項目です。

適切な管理ポイント

  • 入金・支払いの期限を厳守し、キャッシュフローを安定させる
  • 帳簿を正確に記録し、決算時のトラブルを防ぐ
  • 相殺処理を適切に活用し、業務負担を軽減する

適切な会計処理と管理体制を整えることで、企業の財務健全性を維持し、スムーズな取引を実現しましょう。