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ピラミッドストラクチャーって?ロジックツリーと何が違う?

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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「話が分かりにくい」「何が言いたいのか伝わらない」と感じるプレゼンや資料は、論理の組み立て方に原因があることが多いです。そんなときに有効なのが「ピラミッドストラクチャー」という思考法です。情報を整理し、結論と根拠の関係を明確に示すこの手法は、説得力のあるコミュニケーションに欠かせません。また、似たフレームワークに「ロジックツリー」がありますが、その違いを正しく理解することも重要です。本記事では、ピラミッドストラクチャーの基本とロジックツリーとの違い、実務での活用方法について解説します。

ピラミッドストラクチャーとは?

結論から順に論理を積み上げる構造化思考法

ピラミッドストラクチャーとは、最上段に結論(メッセージ)を配置し、その下に根拠となる論点や事実を順に並べていく論理構造のことです。「結論ファースト」で話の全体像をつかみやすくし、そのあとに納得感のある根拠を提示することで、聞き手の理解と共感を得ることができます。

項目内容
定義結論→理由→具体例の順で情報を構成し、論理を積み上げていく思考法
主な活用場面プレゼン資料作成、提案書、報告書、ビジネス会話、面接、スピーチなど
目的論理的に話を構成し、聞き手にとってわかりやすく・納得しやすくする

ピラミッドストラクチャーの構成要素

構成要素内容
トップメッセージ結論や主張。伝えたいことの「一言サマリー」
根拠結論を支える理由。なぜその主張が正しいのかを示すロジック
事実・データ根拠を裏付ける具体的な事例・数字・過去の実績など

ピラミッドストラクチャーの作り方

ステップ解説
1. 結論を決める何を伝えたいのか、どのような主張をしたいのかを一文にまとめる
2. 結論の根拠を洗い出す「なぜその結論に至るのか」を理由として列挙し、論理的に関係付ける
3. 根拠を支える事実を整理各理由に対して、具体的な数値や事例で説得力を強化する
4. 情報を階層的に配置する結論→根拠→事実の順に構造化して、ピラミッド型の構成に落とし込む

ロジックツリーとの違い

比較項目ピラミッドストラクチャーロジックツリー
論理の方向性結論から根拠へと「トップダウン」で展開問題やテーマを「ボトムアップ」で要素分解する
目的話の「伝え方」や構造化に適している問題の「考え方」や分析・要素整理に向いている
活用場面提案・報告・会話など対話やアウトプット重視のシーン課題整理・原因分析・戦略立案など思考プロセスに重点がある
構造一つの結論を支える三段構成が基本ツリー型で分岐しながら全体を網羅的に展開する

実務での活用例

活用シーン使用例
プレゼンテーション「この施策を採用すべき理由は3つあります…」で構成し、要点を簡潔に伝える
報告書・提案書1ページ目で結論を示し、その後に根拠と補足情報を展開する
面接や商談質問に対して「結論→理由→具体例」で答えることで、説得力と印象が高まる

ピラミッドストラクチャーを磨くためのポイント

ポイント項目解説
一文で言い切る練習をする結論や要点を短く端的に言い切る力をつけることで、構造が明確になりやすい
MECEを意識する論点の抜けやダブリを避けるために「モレなく・ダブりなく」の原則を取り入れる
逆質問を活用する「なぜそう考えたのか?」「本当にそれが結論か?」と自問することで、論理の精度が高まる
図解で可視化するピラミッド型に図で描いてみると、構造の不備や論点の不足が見えやすくなる

まとめ

ピラミッドストラクチャーは、結論から根拠を積み上げることで、聞き手にとって分かりやすく、納得感のある説明を可能にする強力な論理構成の手法です。ロジックツリーが「考えるためのツール」なら、ピラミッドストラクチャーは「伝えるためのツール」。両者を上手く使い分けることで、あなたの思考力と伝達力はさらに洗練されていきます。今後の資料作成やプレゼン、対話の中で、ぜひ活用してみましょう。