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職務分掌って?業務分掌との違いは?メリットとは?

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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企業が効率的かつ公平に業務を進めるためには、「誰が何をするのか」を明確にすることが欠かせません。そこで重要になるのが「職務分掌(しょくむぶんしょう)」です。業務分掌と混同されがちですが、両者には明確な違いがあります。本記事では、職務分掌の基本的な意味、業務分掌との違い、導入するメリット、実務への活用方法を詳しく解説します。

職務分掌とは?

定義と役割

職務分掌とは、企業内の各部門や担当者に対して、それぞれの職務や責任範囲を明確に定める制度です。組織の透明性を高めるとともに、責任の所在を明確にする目的があります。

項目内容
意味組織内の職務を役割ごとに区分し、責任と権限を明示すること
主な対象部署、職位、担当者など
効果業務の効率化、ミスの防止、責任の明確化

職務分掌と業務分掌の違い

項目職務分掌業務分掌
対象部署や担当者単位業務の内容や流れ
内容誰が「何を」するのかを明示業務を「どのように」分けて進めるかを示す
目的責任と権限の明確化作業の分散と効率化

職務分掌が「人にフォーカス」するのに対して、業務分掌は「作業の流れ」に着目する点が大きな違いです。


職務分掌のメリット

メリット内容
責任の明確化誰が何に責任を持つかが明示され、トラブル時の対応がスムーズに
業務の効率化無駄な業務の重複や手戻りを防ぎ、生産性を向上
ガバナンス強化職務と権限を明確にすることで、不正やミスの防止につながる
教育と評価の基準になる職務内容が明確なため、社員教育や人事評価が行いやすい

職務分掌の具体的な例

部門職務内容の例
営業部顧客対応、新規開拓、契約管理など
経理部請求書の発行、入出金管理、会計処理など
人事部採用活動、人事評価、勤怠管理など

職務分掌表を活用すれば、各担当者が何を担っているかが一目で分かり、業務の属人化も防止できます。


職務分掌を導入するポイント

ポイント解説
1. 現状の業務を棚卸しする誰が何をしているのかを正確に把握する
2. 業務フローと照合する業務分掌と照らし合わせて最適化を図る
3. ドキュメント化する分掌内容を明文化し、全社で共有できる体制を整える
4. 定期的に見直す組織変更や業務拡大に応じてアップデートすることが重要

職務分掌が適切に機能しない場合のリスク

リスク内容
責任の所在が不明確になるトラブルやクレーム対応が遅れる原因に
業務の属人化特定の人しかできない業務が増え、退職時に混乱が起きやすい
不正の温床になるダブルチェック体制が整っていない場合、ミスや不正が見逃される可能性

こうしたリスクを回避するためにも、職務分掌の適切な設計と運用が求められます。


まとめ

職務分掌は、組織内の業務と責任を明確にし、効率的かつ公正な運営を支える重要な制度です。業務分掌との違いを理解し、自社に適した分掌体制を整えることで、トラブルの防止や組織力の強化にもつながります。組織の成長や変化に応じて、職務分掌の内容を定期的に見直し、より良い働き方を実現しましょう。