, OKRって?KPIやMBOとの違いを解説 | ビズスキルDX

OKRって?KPIやMBOとの違いを解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

詳しく見る

組織や個人の目標管理に用いられる「OKR(Objectives and Key Results)」。Googleやメルカリなどの成長企業が導入していることで話題になり、注目を集めています。しかし、従来から使われている「KPI」や「MBO」との違いが分かりにくいという声もあります。本記事では、OKRの基本的な概念から、KPIやMBOとの違い、導入のメリットまでを分かりやすく解説します。

OKRとは?

基本の定義と構成要素

OKRは「Objectives(目標)」と「Key Results(主要な成果)」の略で、目標に対して達成すべき成果を明確にし、進捗を定量的に測定する目標管理手法です。

項目内容
Objectives(目標)方向性を示す質的な目標(ワクワクする内容が理想)
Key Results(成果指標)Objectiveを測定するための具体的な数値目標(2〜5項目が一般的)
期間通常は四半期ごとに設定
公開性組織内で共有・公開されることが基本

KPIとの違い

項目OKRKPI
目的挑戦的な成長を目指す業務効率や達成状況の定量的な測定
設定基準高めに設定し、100%達成は前提としない達成を前提とした現実的な目標値
評価方法成果評価には直接反映しない場合が多い達成率が評価や報酬に直結することが多い
公開性組織全体で共有部署や個人単位で非公開も多い

OKRは「組織の成長を加速するための仕組み」、KPIは「業務の効率化や最適化を図る指標」と考えると分かりやすいです。


MBOとの違い

項目OKRMBO(目標による管理)
管理方法上下のすり合わせではなく、共創型で目標を設定上司が部下に対して目標を割り当てるトップダウン型が主流
評価への連動評価や報酬とは切り離すことが多い目標達成が人事評価・報酬に直結する
目標の柔軟性四半期ごとに見直しや変更が可能半期・年単位で固定される傾向が強い
成長志向高い目標を掲げて失敗を恐れない文化を育む安定的な目標達成に重きが置かれる

MBOが「確実な成果を出す」ことに重点を置くのに対し、OKRは「変化に対応しながら挑戦を促す」仕組みです。


OKR導入のメリット

メリット内容
組織の一体感が生まれる部門間で共通の目標を持つことで、連携と協力が強まる
挑戦を推奨する文化が根付く100%達成を前提としないため、高い目標に取り組みやすい
透明性と納得感のある目標管理全社員に目標が公開されることで、進捗や貢献度が明確になる
アジャイルな目標運用が可能四半期ごとの更新で変化に柔軟に対応できる

OKR導入時の注意点

注意点解説
高すぎる目標設定は逆効果非現実的な目標は逆にモチベーションを下げる恐れがある
評価制度との連動は慎重にOKRと人事評価は切り離して運用することが推奨される
運用ルールの整備が必要設定・レビュー・振り返りのプロセスを明確にすることが重要
定着には時間がかかる短期的な成果を求めすぎず、文化として根付かせる意識が必要

まとめ

OKRは、組織の成長を後押しし、個々の挑戦を引き出す強力な目標管理ツールです。KPIやMBOとの違いを理解したうえで導入すれば、より柔軟で活気ある組織運営が可能になります。変化の激しい現代において、成果と成長の両立を目指す組織にとって、OKRの活用は大きな武器となるでしょう。