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ケースメソッドって?ケーススタディとの違いは?

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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ビジネススクールや企業研修などでよく耳にする「ケースメソッド」。似た言葉に「ケーススタディ」もありますが、この2つには明確な違いがあります。どちらも実践的な学びを目的とした教育手法ですが、アプローチや参加者の関わり方に違いがあるため、目的に応じて使い分けることが重要です。本記事では、ケースメソッドの基本的な内容と、ケーススタディとの違いについてわかりやすく解説します。

ケースメソッドとは?

定義と概要

ケースメソッドとは、実際のビジネス事例(ケース)をもとに、参加者自身がその状況を分析し、議論を通じて意思決定を疑似体験する教育手法です。ハーバード・ビジネス・スクールが発祥とされ、リーダーシップや意思決定能力を鍛える目的で広く用いられています。

項目内容
主な目的問題解決力・意思決定力・論理的思考力の育成
実施形式グループディスカッション中心、ファシリテーターが進行役
対象経営者、管理職候補、ビジネススクールの学生など

ケーススタディとの違い

項目ケースメソッドケーススタディ
目的考える力・判断力を鍛える知識の理解・応用力の確認
参加者の役割自ら意思決定し、他者と意見を交わす指導者の解説を聞き、分析内容を理解する
進め方双方向型・議論型一方向型・講義型も多い
評価軸論理性、納得感、リーダーシップ解答の妥当性、分析の正確性
想定シーン実務に近いシチュエーション理論の適用や前例理解を目的とすることが多い

ケースメソッドは「考える訓練」、ケーススタディは「知るための学習」と整理できます。


ケースメソッドのメリット

メリット解説
実践力が身につく現場で起きうる状況をもとに判断力や対応力を高められる
多様な視点が得られる他の参加者の意見から新たな気づきを得られる
主体的な学習ができる受け身ではなく、自らの意見を構築し発信する訓練になる
リーダーシップの育成発言や議論の進行を通じて、組織内での役割意識が養われる

ケースメソッドの実施ポイント

ポイント解説
良質なケースの選定実際のビジネスで発生したジレンマや複雑性を含むケースが効果的
ファシリテーターの存在議論の方向性を整理し、学びを深める支援役が必要
参加者の事前準備ケースの読み込みや仮説立てをしてから臨むことで議論が深まる
発言の機会均等一部の人に偏らず、多様な意見が出るよう環境を整える
結論を強制しない「正解」よりも「自分なりの答えを導くプロセス」が重視される

ケースメソッドが効果的な場面

活用場面解説
経営幹部の育成多様な意思決定のトレーニングとして有効
若手リーダーの登用前研修論理的思考力と対話力を育てる土壌になる
チームビルディング他者理解や役割分担の視点を自然に身につけられる
ビジネススクールでの授業現実に即した問題解決の手法を学べる実践型教育に最適

まとめ

ケースメソッドは、実務に近い状況をもとに議論を通じて意思決定力やリーダーシップを養う教育手法です。ケーススタディと混同されがちですが、そのアプローチや学習の深さには大きな違いがあります。単なる知識の習得にとどまらず、実践的な行動につなげたいと考えるなら、ケースメソッドの導入を検討してみる価値は十分にあります。