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経験学習って?内容とポイントを解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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「人は経験から学ぶ」とよく言われますが、それを理論として体系化したのが「経験学習」です。これは、実際の経験を通じてスキルや知識を習得し、自分自身の成長に活かす学習スタイルを指します。OJTや振り返りなど、ビジネスの現場でも広く活用されているこの手法には、どのような特徴やポイントがあるのでしょうか?本記事では、経験学習の基本的な考え方と効果的な実践方法について詳しく解説します。

経験学習とは?

定義と概要

経験学習とは、実際に行動し、その結果を振り返りながら新たな知識やスキルを得るプロセスのことを指します。アメリカの教育学者デービッド・コルブが提唱した「経験学習モデル」によって、学びの4段階が明確に示されています。

概念内容
提唱者デービッド・コルブ(David A. Kolb)
基本思想経験→振り返り→概念化→実践の循環により学習が深まる
対象ビジネスパーソン、学生、職業訓練、リーダーシップ開発など

経験学習モデルの4つのステップ

ステップ説明
具体的経験(Concrete Experience)実際の業務や活動を体験する段階
内省的観察(Reflective Observation)体験を振り返り、「なぜそうなったか」を考える段階
抽象的概念化(Abstract Conceptualization)観察から得た気づきを理論化し、知識として整理する段階
能動的実験(Active Experimentation)得られた学びを次の行動に活かす段階

このサイクルを繰り返すことで、学習が深化し、自律的な成長が促進されます。


経験学習の活用場面

活用場面解説
OJT(On the Job Training)実務を通して学び、都度フィードバックを得ることで成長を加速させる
プロジェクト活動チームでの試行錯誤や成果の振り返りが、組織学習につながる
リーダーシップ育成経験を通じて判断力や対人スキルを養う
インターンシップ実務経験をもとに社会人基礎力を高める場として有効
社内研修体験型ワークショップやロールプレイを組み込んだ学習形式と相性が良い

経験学習を効果的に行うポイント

ポイント解説
振り返りの時間を確保する経験をただ積むだけでなく、内省の時間が学びを深める鍵になる
他者との対話を取り入れるフィードバックや意見交換により、視点の広がりと気づきが得られる
メモや記録を習慣化する学びの内容や感情を残すことで、後からの再発見につながる
学んだことを実践で試す行動の変化が学習の定着と効果測定につながる
継続的に回す一度で終わらせず、何度もサイクルを回すことで深い学びに変わる

経験学習のメリットと注意点

項目内容
メリット自発的な学びが促進される/実践力が身につく/成長の実感が得られる
注意点振り返りが不十分だと表面的な理解で終わる/指導者の関与がないと独りよがりになる可能性もある

まとめ

経験学習は、実際の行動から学びを得て、自分の中に取り込んでいく成長のための重要なプロセスです。現場での体験、内省、理論化、実践というサイクルを意識して繰り返すことで、より深く実践的なスキルが身につきます。日々の業務の中に「学びの視点」を取り入れ、自己成長につなげていきましょう。