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メンタルモデルって?ポイントとダイアグラムについて解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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人は、物事を判断したり行動したりするとき、必ず「自分なりの考え方」や「前提」に基づいています。この無意識の思考パターンが「メンタルモデル」です。ビジネスにおいても、チームや個人が持つメンタルモデルが意思決定や成果に大きく影響を与えます。本記事では、メンタルモデルの基本的な考え方と、理解を助けるダイアグラムの活用方法をわかりやすく解説します。

メンタルモデルとは?

メンタルモデルとは、人が世界や物事を理解・解釈・予測するために無意識のうちに構築している「思考の枠組み」や「認識の土台」を指します。

項目内容
定義物事をどう捉え、どう判断するかの“頭の中の地図”
特徴無意識に形成され、状況判断や行動に影響を与える
起源認知心理学や教育学、システム思考の分野で広く使われる概念

人によって異なるメンタルモデルがあるため、同じ状況でも見え方や捉え方が違ってくるのが特徴です。


メンタルモデルの構造とダイアグラムの関係

メンタルモデルは、下記のような3層構造で捉えることができます。この構造を視覚化するのが「メンタルモデル・ダイアグラム」です。

内容
表層:行動実際の言動や判断として表れる部分
中層:思考行動の背後にある思考パターンや論理構造
深層:信念・前提個人が無意識に持つ価値観や世界観、信念

ダイアグラムの活用イメージ

ダイアグラムでは、ある出来事に対する「反応(行動)」を起点に、その背後にある「思考」、さらにその根底にある「信念や前提」を矢印で結びながら視覚化します。これにより、自分や他者の反応の背景を客観的に捉えることができ、対話や行動改善のきっかけになります。


メンタルモデルのビジネス上での重要性

観点解説
組織の意思決定に影響上司やチームが共有するメンタルモデルが判断を左右し、変化への対応力を左右する
誤解や衝突の原因になる異なる前提を持つ者同士の対話で、意見のすれ違いや摩擦が生まれやすい
学習や成長を阻む要因にも固定化した思考モデルは、新しいアイデアや行動を妨げるリスクがある

メンタルモデルの見直しポイント

自分のメンタルモデルを振り返る際には、以下の視点が役立ちます。

  • 行動の理由を深掘りする
    「なぜ自分はこの判断をしたのか?」という問いから始め、思考→信念へと掘り下げる。
  • 前提を疑う癖をつける
    「これは本当に正しいと思い込んでいるだけでは?」と問い直す姿勢を持つ。
  • 他者との比較で気づきを得る
    他人の思考や行動との違いに注目することで、自分の前提を客観視することができる。

メンタルモデルを活用する組織の取り組み例

事例解説
ダイバーシティ研修メンタルモデルの違いを理解することで、異文化や多様性に対する寛容性が高まる
チームビルディングメンバーの前提や価値観を共有し、連携しやすい環境を整える
リーダー育成組織全体のメンタルモデルに影響を与えるリーダー自身の思考の癖を明確にする

まとめ

メンタルモデルは、私たちが日々の行動や意思決定を行う上で、無意識に影響を与えている「思考の地図」です。その存在を理解し、可視化・言語化することで、自分自身の行動を振り返ったり、他者との対話をより建設的に進めることができます。ビジネスにおいても、チームの共通認識を育む土台として、非常に重要な考え方と言えるでしょう。