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他責思考とは?特徴と改善方法について解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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「失敗したのは〇〇のせい」「上司が悪いからうまくいかない」――そんなふうに、問題の原因を他人や環境のせいにしてしまう思考パターンは、「他責思考」と呼ばれます。仕事や人間関係の中で見られがちなこの考え方は、一時的には自分を守るものの、成長や信頼の妨げとなる可能性があります。本記事では、他責思考の特徴とそのデメリット、そして主体的な行動に変えていくための改善方法を詳しく解説します。

他責思考とは?

他責思考とは、自分の行動や結果に対して責任を持たず、失敗や問題の原因を他人や環境に転嫁する思考パターンのことを指します。

項目内容
定義問題の責任を自分以外に押し付ける思考傾向
主な発言例「指示が悪かった」「チームのせい」「運が悪かった」など
対義語自責思考(自分の行動や考えに原因を見出し、改善を考える姿勢)

この思考に陥ると、自分を正当化することが優先され、現状を変える努力が後回しになりやすくなります。


他責思考の特徴と見られやすい行動

特徴解説
責任回避問題が発生したときに「自分は悪くない」と主張する傾向が強い
否定的な言動が多い不満や批判が会話の中心になりやすく、建設的な対話が少ない
学習機会を逃す反省や改善の機会を自分に向けないため、同じ失敗を繰り返しやすい
周囲との関係悪化被害者意識が強くなり、協力関係が築きづらくなる
自己成長が停滞する自ら課題を乗り越えようとする意欲が薄れ、成長が妨げられる

他責思考がもたらすデメリット

デメリット解説
信頼関係の低下チームでの協力がうまくいかなくなり、周囲からの信頼を失いやすくなる
成果が上がりにくくなる責任感がないため、仕事の質やスピードに対する意識が低下する
評価が下がる可能性上司や同僚から「協調性がない」「前向きでない」と判断される要因となる
負のループに陥る他人のせいにし続けることで、自分でコントロールできる範囲が狭まり、無力感が増す

他責思考を改善する方法

1. 自分にできることは何かを問い直す

 問題が発生したときに「自分には何ができたか?」と自問する習慣を持つことで、視点が他人から自分に向きやすくなります。

2. フィードバックを受け入れる姿勢を育てる

 周囲からの指摘やアドバイスを素直に受け止めることが、気づきと改善のきっかけになります。

3. 感情を客観視するトレーニング

 「今イライラしているのはなぜか?」「本当に相手のせいなのか?」と感情の背景を冷静に分析する力を鍛えましょう。

4. 成長の視点で捉える

 ミスやトラブルを「成長の材料」として捉えられるようになると、他責から自責への転換がしやすくなります。

5. ポジティブな言葉を使う習慣

 「でも」「だって」ではなく、「どうすれば」「自分ができることは」といった前向きな言葉を意識して使うことで思考が変わります。


自責思考との違いを理解する

項目他責思考自責思考
原因の捉え方他人・環境に責任を押し付ける自分の中に改善点を探す
行動への影響問題が放置されやすい改善行動につながりやすい
周囲との関係不信感を生みやすい協調や信頼を築きやすい
成長の方向性成長が停滞しやすい成長の機会を増やしやすい

まとめ

他責思考は、自分を守る一方で、成長や信頼関係の構築を妨げてしまう思考パターンです。対人関係や仕事において、他責から自責へと視点を切り替えることで、前向きな行動が生まれ、周囲との関係性も改善していきます。自分の言動を振り返る習慣を持ち、「変えられるのは自分自身」という意識を持つことが、より良いキャリアと人間関係への第一歩となるでしょう。