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レコグニションって?意味と内容について解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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従業員のモチベーションやエンゲージメントを高める手法として、近年注目を集めている「レコグニション」。人材マネジメントや組織運営において、レコグニションの重要性はますます高まっています。しかしその本質や具体的な取り入れ方を理解している人はまだ少ないかもしれません。本記事では、レコグニションの意味や目的、導入メリットから効果的な実践法までを詳しく解説します。

レコグニションとは何か

基本的な意味

レコグニション(recognition)とは、直訳すると「認識」や「承認」を意味します。ビジネス領域においては、従業員の努力や成果、行動を組織が適切に認め、評価し、言語や態度で伝えることを指します。

つまり、単なる「評価」や「報酬」とは異なり、「日々の行動やプロセス」に光を当て、継続的に感謝や称賛を示すことが重要です。


レコグニションの目的と背景

目的説明
モチベーションの向上認められることで自信を持ち、業務意欲が高まる
離職率の低下承認されている実感が定着意欲を強める
組織文化の強化感謝や称賛の文化が定着し、ポジティブな職場環境が形成される
生産性の向上高いエンゲージメントが業績向上につながる

日本企業では「成果が出てから褒める」文化が根強く残っていましたが、近年は「過程や努力を積極的に承認する」方向へと転換が進んでいます。


レコグニションと報酬制度の違い

項目レコグニション報酬制度
対象行動・努力・姿勢成果・業績
タイミング日常的・リアルタイム四半期・年次などの区切りで支給
方法言葉・メッセージ・社内SNSなど金銭・昇進・ボーナス
目的承認・感謝を伝え、組織文化を形成する成果に対する対価を明示する

両者は対立する概念ではなく、補完的に運用することで組織の健全性を高めることができます。


レコグニションの実施方法

実施方法内容
口頭での感謝・称賛日常業務の中で「ありがとう」「助かったよ」と伝える
社内掲示やSNSでの紹介他部署や経営層にも成果を周知する
表彰制度の導入月間・四半期ごとの「ベストプレーヤー」表彰
ピアレコグニション同僚同士で感謝や称賛を伝え合う仕組み

形式ばらず、自然なタイミングで頻繁に行うことが、レコグニションの効果を最大化するポイントです。


レコグニションの効果

レコグニションを取り入れることで、組織や従業員に以下のような好影響がもたらされます。

効果説明
エンゲージメント向上「見てもらえている」という実感が働く満足感を高める
チームワークの強化称賛の文化が信頼関係を深め、協力意識が育まれる
離職率の低下心理的安全性が高まり、職場への愛着が深まる
創造性の向上自由な発想や挑戦が認められる環境が整う

レコグニションを浸透させるためのポイント

ポイント解説
上司の積極的な実践管理職自身が日常的にレコグニションを行うことで模範となる
全員参加の文化づくり上司から部下だけでなく、同僚間でも称賛し合える仕組みを導入
可視化と共有社内ツールや掲示板で「誰が何を頑張ったか」を見える化する
形式にこだわらない運用簡単なメッセージでも継続して伝えることが大切

評価制度や会議資料とセットにすることで、形式的にならず日常業務の中で自然に定着させることができます。


レコグニション導入企業の事例

企業A:ピアレコグニションの導入で社内風土が改善

社内SNSを使って、社員同士で日々の感謝や称賛を伝える文化を醸成。導入から半年でエンゲージメント調査の結果が約20%向上。

企業B:毎月の表彰制度で業績と意欲の両立を実現

「ベストチーム賞」や「改善提案賞」などを導入し、努力の可視化を推進。結果として離職率が10%低下した。


まとめ

レコグニションとは、従業員の行動や姿勢を認め、感謝や称賛を伝える文化を築くための取り組みです。単なる評価や報酬ではなく、日常的に行う「承認のコミュニケーション」が、チームの結束力や社員の成長を支えます。

組織全体でレコグニションを実践し、互いを認め合う職場環境をつくることで、エンゲージメントの高い健全な組織運営が可能になります。