, IPビジネスとは?今さら聞けない企業が注目する理由と導入の流れをわかりやすく解説 | シェアマインド経営サークル

IPビジネスとは?今さら聞けない企業が注目する理由と導入の流れをわかりやすく解説

ビジネス
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

詳しく見る

キャラクターやブランドを収益化する「IPビジネス」。よく聞く言葉ですが、実際にどういった仕組みで利益が生まれるのかは、まだ曖昧という方も多いはずです。この記事では、IPビジネスの基本的な考え方から実際の収益化の方法、企業の導入事例までをわかりやすく解説します。

IPビジネスとは何か

IPとは「Intellectual Property(知的財産)」の略称で、著作権や商標、特許、意匠など、人の創造性から生まれた無形の権利を指します。これらをビジネスに活用し、ライセンス収入や商品展開を通じて利益を得るのが、IPビジネスの本質です。従来の製造型モデルと異なり、知的資産を核とするため、少ない資源で大きな収益を得る可能性を秘めています。

たとえば人気アニメのキャラクターを活用すれば、グッズ販売、ゲーム、映画、コラボ製品といった多様な形で展開が可能です。このように、一つの知的財産から複数のビジネスモデルが派生することが、IPビジネスの強みといえます。

知的財産の種類主な具体例
著作権映画、音楽、書籍、ゲームなど
商標権ロゴ、商品名、スローガン
特許権技術発明、製造プロセス
意匠権製品・パッケージのデザイン
キャラクターIPアニメ・漫画・ゲームの登場人物

経営管理・組織運営のプロフェッショナル監修

●数々の会社経営から
多角的視点での企業支援!
●申請から導入まで
一気通貫で徹底サポート!
●問い合わせ・相談から申請まで
完全無料!

ピッタリな補助金・助成金が見つかる!

IPビジネスが注目される理由

IPビジネスが注目される最大の理由は、少ないリソースで多角的な収益を得られることにあります。ひとつの人気コンテンツがあれば、それを軸に展開可能な販路は無数に広がります。特にキャラクターIPやブランドIPは、コンテンツそのものが価値を持ち、消費者の心を掴むため、他社製品との差別化にも有効です。

また、IPには「時間価値」があります。人気が続けば、何年経っても収益を生み出し続けることができ、企業にとっては安定的な収益源となります。さらにグローバル市場に展開しやすいという特徴もあり、日本発のアニメやゲームが海外で高い評価を受ける背景には、IP戦略の巧みさがあります。


IPビジネスの仕組みと収益モデル

IPを使って利益を上げる方法は一つではありません。以下のような多様な収益モデルが存在します。

収益モデル内容
ライセンス提供他社にIP使用権を与え、ロイヤリティを受け取る
自社での商品展開IPを使用して自社製品やサービスを開発・販売する
メディアミックス展開映像、書籍、ゲームなどを複合的に展開し相乗効果を狙う
マーチャンダイジンググッズ化や店舗展開を行い、商品売上で収益を得る

企業はこれらの収益モデルを組み合わせることで、最大限の効果を引き出すことが可能です。たとえば、人気キャラクターを使ってスマートフォンゲームを開発し、同時にアニメを配信し、グッズを販売するといったように、多面展開が収益を加速させます。


成功事例から学ぶIP活用法

任天堂のスーパーマリオは、IPの活用例として非常に優れた事例です。ゲームという枠を超えて、映画、アパレル、テーマパーク、アニメといった多角展開を通じて、収益源を広げています。特に自社でIPを保有し、それを包括的に管理する体制が、収益の安定性に寄与しています。

また、サンリオのハローキティもライセンス戦略の好例です。サンリオは他社とのコラボレーションに積極的で、国内外で様々な企業とパートナーシップを結び、柔軟かつ効率的にブランド価値を拡大させています。

両社に共通するのは、IPを「育てる」という視点です。時代や市場の変化に応じて、IPの打ち出し方を柔軟に変え、常に新しいファン層の獲得に取り組んでいます。


IP活用におけるマーケティング戦略の重要性

ターゲット層に応じたプロモーション展開

IPを効果的に展開するためには、プロモーション手法の選定が不可欠です。若年層をターゲットとする場合は、SNSやYouTubeなどのデジタルメディアを中心とした施策が適しています。一方、成人層には雑誌広告や実店舗でのイベント展開が効果的です。

単に情報を届けるだけでなく、IPが持つ世界観や価値観を共感できる形で伝えることが、ブランドとしての定着につながります。

SNSを活用したブランド拡散

SNSを活用すれば、IPの情報を自発的に拡散してもらうことが可能です。ファンの声をリアルタイムに拾い上げ、商品や企画に反映させることで、消費者との一体感を醸成することができます。たとえば、SNSでファンアートを募集し、優秀作品を商品化するなどの施策は、多くの企業が実践しています。


IPに関する法律知識の基本

契約書による権利管理の徹底

IPは資産であるからこそ、その使用には明確なルールが求められます。ライセンス契約を結ぶ際には、利用範囲、使用期限、地域、再使用の有無などを文書化し、後のトラブルを未然に防ぐ必要があります。契約書の曖昧さは、IPの価値を損ねる重大なリスクとなります。

海外展開時の法的リスクと対策

海外展開では、国ごとの法律の違いに注意が必要です。特に特許や商標の保護制度は国によって異なるため、現地での権利登録は必須です。模倣品や海賊版対策も重要で、早期の商標取得や、模倣を監視するパートナーの確保が効果的です。


IPビジネスの今後の可能性

IPビジネスは今後、メタバースやAIなどの新技術と連動して、さらに成長していくことが予想されます。バーチャルキャラクターの台頭や、生成AIによる物語構築など、従来の枠を超えたIP創造が可能になる時代が到来しています。こうした変化に迅速に対応できる企業が、次世代のIP市場を牽引する存在となるでしょう。


経営管理・組織運営のプロフェッショナル監修

●数々の会社経営から
多角的視点での企業支援!
●申請から導入まで
一気通貫で徹底サポート!
●問い合わせ・相談から申請まで
完全無料!

ピッタリな補助金・助成金が見つかる!

まとめ

IPビジネスは、単なるコンテンツ販売を超えた「知的資産の活用戦略」です。企業にとっては、新たな収益源の確保やブランド強化を実現する手段であり、消費者にとっても魅力的な体験を提供する仕組みです。法的な管理やマーケティング、パートナー選定といった要素を丁寧に整えることで、安定したビジネス基盤を築くことが可能です。今後の成長市場として、IPの活用はますます重要性を増していくことでしょう。