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給料ファクタリングって?違法になる?

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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「急な出費でお金が足りない」「給料日前に資金が必要」といった理由から注目されていた「給料ファクタリング」。一見すると便利なサービスに見えますが、実は違法性が高く、利用者が大きなリスクを負うケースも増えています。この記事では、給料ファクタリングの仕組みと違法とされる背景、利用によるトラブルの実例、企業が注意すべきポイントを詳しく解説します。

給料ファクタリングとは?

給料ファクタリングの基本的な仕組み

給料ファクタリングとは、従業員が勤務先からまだ受け取っていない給料債権を、ファクタリング業者に売却することで、現金を先に受け取る仕組みです。利用者は、給料日にその債権が成立すると見込まれる前提で、手数料を引いた金額を受け取ります。

一見すると合法のように見える理由

「債権売買」という形態を取っているため、表面的には貸金業とは異なる印象があります。しかし実質的には、給料を担保にした前借りサービスであり、利息に相当する手数料を取ることから、「違法貸金業」として問題視されるようになりました。

項目内容
仕組み給料債権をファクタリング業者に売却し、即日現金を得る
名目債権譲渡(給与を担保にした取引)
実態実質的に利息を取る給与前借りサービスと見なされる

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なぜ違法と判断されるのか?

金融庁と裁判所の見解

金融庁および複数の地裁・高裁では、給料ファクタリングについて「貸金業」に該当すると判断しています。つまり、給料債権の買い取りという名目でありながら、実質的には高利貸しと同様のサービスであると見なされるのです。

違法とされる主な理由

  • 手数料が実質的に年利100%以上になることもあり、「出資法」に違反
  • 貸金業登録を行っていない業者がサービスを展開しており、「貸金業法」に違反
  • 消費者に過剰な負担を強いる「不当取引」が存在
違法性の根拠内容
出資法違反手数料が上限利息(年20%)を大幅に超える場合がある
貸金業法違反正式な登録がないまま金銭貸付に類するサービスを実施
消費者契約法違反不利益を与える契約内容、返済困難な条件設定など

利用者が抱えるリスクとトラブル

1. 違法業者による強引な取り立て

一部のファクタリング業者では、支払い遅延が発生すると利用者に対し、過剰な連絡や職場への連絡など、違法な取り立てが行われるケースもあります。

2. 高額手数料による経済的悪循環

1万円の前借りに対し3千円〜5千円の手数料が発生するなど、手取りが大幅に減少することがあります。それにより、翌月以降の生活資金が不足し、再度利用を繰り返す「依存状態」に陥るリスクがあります。

3. 信用情報への影響

貸金業法上の登録がない業者との契約であっても、支払いトラブルが発生すれば訴訟リスクや、職場との関係悪化など、間接的な信用失墜にもつながる可能性があります。

リスク内容詳細説明
過剰な取り立て業者が職場に連絡、嫌がらせ、脅迫に近い対応をする事例もある
高利による悪循環手取りが減り、また別の業者に頼るなど負債スパイラルに陥る
信用への影響職場や家族にバレる、訴訟になる、社会的信用を失うリスクがある

企業側が注意すべきポイント

1. 社員の相談に乗る体制づくり

金銭的なトラブルを抱える従業員がいた場合、制度として「前払い制度」や「緊急貸付制度」などを導入することで、給料ファクタリングのような違法業者への依存を防ぐことができます。

2. 社内教育と啓発

経理・総務部門を中心に、給料ファクタリングがもたらすリスクについて社内での注意喚起を行い、被害の未然防止に努めましょう。

3. 違法業者との接触を防ぐ支援策

社内ポータルや相談窓口で、社員が安全な制度へアクセスできる環境を整えることで、外部業者に頼るリスクを下げることができます。


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まとめ

給料ファクタリングは一見すると便利なサービスに見えますが、実際には高利での貸し付けに近く、多くの違法性とリスクをはらんでいます。個人の利用者はもちろん、企業としても社員の生活を守るために、適切な社内制度の整備と啓発が重要です。安易な利用を避け、安心できる生活基盤を築くことが、働く人すべてにとって最も大切な防衛策となります。