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貸借対照表って?損益計算書と何が違う?ポイントも解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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会社の経営状況を正確に把握するには、財務諸表の理解が欠かせません。特に「貸借対照表(B/S)」と「損益計算書(P/L)」は企業の健全性や収益性を判断するための基本資料です。本記事では、貸借対照表の役割と仕組み、損益計算書との違い、読み解く際のポイントについてわかりやすく解説します。

貸借対照表とは?企業の「現在地」を示す書類

貸借対照表の定義

貸借対照表とは、企業がある時点で保有する「資産」、その資産をどう調達したかという「負債」「純資産」の3つの要素を一覧にまとめた財務諸表の一つです。英語では「Balance Sheet(バランスシート)」と呼ばれます。

貸借対照表の基本構成

貸借対照表は、左側に「資産」、右側に「負債」と「純資産」を記載し、左右の合計金額が必ず一致します。これは、すべての資産が、負債か資本のいずれかで賄われていることを意味しています。

要素内容
資産現金、売掛金、在庫、建物など企業が保有するもの
負債借入金、買掛金など将来的に返済すべき義務を伴う資金
純資産資本金や利益剰余金など企業の自己資本部分

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貸借対照表の役割とは?

企業の財務体質を表す指標

貸借対照表は、企業の「体力」を表すといわれます。例えば、手元資金が十分か、過剰な借入がないか、自己資本比率が高いかなど、経営の安定性を確認できます。

将来の投資判断にも活用される

金融機関による融資審査や、投資家による企業分析の際にも、貸借対照表は重要な判断材料となります。安定的に資金を運用しているか、余剰資金がどれだけあるかなどが読み取れます。


損益計算書とは?企業の「成績表」にあたる書類

損益計算書の定義

損益計算書(Profit and Loss Statement)は、一定期間における企業の収益と費用を一覧にまとめ、最終的な「利益(または損失)」を算出する財務諸表です。

基本構成と要素

項目内容
売上高商品やサービスの販売による収入
売上原価商品を作る・仕入れるためのコスト
販管費広告費、人件費、交通費など営業にかかる費用
営業利益本業で得られた利益
経常利益営業外収益や費用を加減した通常の企業活動での利益
当期純利益税金を差し引いた最終的な純利益

貸借対照表と損益計算書の違いとは?

項目貸借対照表(B/S)損益計算書(P/L)
表す内容資産・負債・純資産の「残高」売上・費用・利益の「流れ」
時間軸ある特定時点の状態一定期間の業績
目的経営の安定性・財務状況を確認する経営の効率性・収益性を測る
主な利用者金融機関、投資家、経営者経営者、株主、税務署

貸借対照表は「今の姿」、損益計算書は「過去の成果」を表しており、両者を組み合わせて見ることで、企業の経営実態をより正確に把握できます。


貸借対照表を見る際のポイント

1. 自己資本比率

企業の資産に占める自己資本の割合を示します。高いほど財務体質が安定しており、外部資金に頼らず経営できていると判断されます。

2. 流動比率

短期的な支払い能力を見る指標で、流動資産と流動負債の比率から算出されます。200%以上が理想とされます。

3. 有利子負債の水準

借入金などの利息が発生する負債の合計を確認することで、返済負担の大きさを把握できます。

観点解説
自己資本比率自己資本 ÷ 総資産 × 100。30%以上が目安
流動比率流動資産 ÷ 流動負債 × 100。短期の支払い余力を示す
有利子負債比率有利子負債 ÷ 自己資本。低いほど安定経営が可能

損益計算書を見る際のポイント

売上高と利益のバランス

売上が高くても、原価や経費が膨らんでいれば利益は残りません。売上総利益や営業利益をチェックすることが大切です。

販売管理費の割合

広告費や人件費が売上に対して過剰でないかを見ることで、経営の効率性を評価できます。

最終利益の安定性

毎期安定して当期純利益を出している企業は、収益構造が強いと言えます。赤字の年が続く企業は要注意です。


両方を合わせて読むことが重要

貸借対照表だけを見ても「利益が出ているか」はわかりませんし、損益計算書だけを見ても「経営の安定性」は測れません。両方をあわせて読み解くことで、企業の全体像が見えてきます。


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まとめ

貸借対照表は企業の「現在の姿」、損益計算書は「これまでの成果」を表す資料です。どちらも経営判断に欠かせない重要な財務諸表であり、基本構造や読み解き方を理解することで、企業の健全性や成長力を正しく評価できるようになります。経営者はもちろん、ビジネスパーソン全員にとって有用な知識といえるでしょう。