, みなし残業は注意が必要?メリットとデメリットも解説 | シェアマインド経営サークル

みなし残業は注意が必要?メリットとデメリットも解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

詳しく見る

求人情報などで見かける「みなし残業制度」。一見すると便利な制度にも思えますが、運用次第ではトラブルの原因となる可能性もあります。本記事では、みなし残業の仕組みや導入時の注意点、企業・労働者双方にとってのメリットとデメリットをわかりやすく解説します。

みなし残業とは?基本的な仕組みを解説

制度の概要

みなし残業とは、実際の残業時間に関係なく、一定時間分の残業代を基本給とは別にあらかじめ支払う制度です。「固定残業代制度」とも呼ばれます。

支給例

例えば「月20時間のみなし残業代」と記載されている場合、実際に残業が月20時間未満でも満額が支給されます。逆に20時間を超えた場合は、その超過分の残業代が追加で支払われるべきです。

項目内容
別名固定残業代制度
想定される残業時間一般的には月20〜40時間程度で設定される
残業が超過した場合超過分の残業代を追加で支払う必要がある
給与明細での記載基本給とは別に明確にみなし残業代の内訳が必要

経営管理・組織運営のプロフェッショナル監修

●数々の会社経営から
多角的視点での企業支援!
●申請から導入まで
一気通貫で徹底サポート!
●問い合わせ・相談から申請まで
完全無料!

ピッタリな補助金・助成金が見つかる!

みなし残業のメリットとは?

労働者側のメリット

・残業が少ない月でも一定額が保証される
・給与がシンプルで見通しが立てやすい
・交渉せずとも残業代が確保されている安心感

企業側のメリット

・給与計算や事務処理の簡素化
・人件費の予測がしやすくなる
・求人で「高給与」に見せやすく、応募増加が見込まれる

立場メリット項目内容
労働者安定収入残業の有無に関わらず一定額が支給される
給与の見通しが立てやすい月々の変動が少なく、家計管理がしやすい
企業計算が簡単毎月の計算工数が減少する
採用面で有利給与額が高く見え、求人応募が増加する可能性がある

みなし残業のデメリットと注意点

労働者側のデメリット

・超過残業が発生しても適切に支払われない場合がある
・基本給が低く設定されているケースもあり、賞与や退職金に影響が出る
・「働き放題」のような感覚を持たれやすい

企業側のデメリット

・制度の説明不足による労使トラブルの原因になる
・労働時間管理の意識が低下しやすい
・法的対応ミスで違法と判断されるリスクがある

デメリット項目内容
説明不足のリスク条件明記が不十分だと、未払い残業と誤解される可能性あり
超過残業未払いの懸念定額支給だからといって、それ以上の労働を無償にすることは違法
基本給の設定が低いケースボーナス・退職金計算時の基準が下がり、将来的に不利益となる
モチベーション低下労働量に見合わない給与と感じると士気が下がる可能性あり

法的要件とトラブル防止のポイント

みなし残業制度を適切に運用するためには、以下の法的要件と注意点を守ることが重要です。

・労働契約書や就業規則に明確な記載があること
・みなし残業時間と金額が給与明細上で明確になっていること
・実際の労働時間をきちんと記録・管理していること
・法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える部分は別途管理

ポイント項目解説
記載の明確化契約書・給与明細で「みなし残業代」「時間数」「金額」を明記
労働時間の記録実働時間を管理しておくことで、超過分の対応が可能となる
法令との整合性労基法や判例に違反しないよう、制度を定期的に見直すことが重要

トラブルを避けるための対応策

労働者側の対策

・契約時に「みなし残業時間」や「基本給・残業代の内訳」を確認する
・残業が多い場合には、超過分の支払いを申請する
・労働時間を自らも記録する習慣を持つ

企業側の対策

・制度導入前に就業規則と雇用契約を整備する
・従業員に対し説明責任を果たす
・時間管理システムを導入して、実働時間の把握を徹底する


経営管理・組織運営のプロフェッショナル監修

●数々の会社経営から
多角的視点での企業支援!
●申請から導入まで
一気通貫で徹底サポート!
●問い合わせ・相談から申請まで
完全無料!

ピッタリな補助金・助成金が見つかる!

まとめ

みなし残業制度は、労使双方にとって利点がある一方で、運用を誤ると大きなトラブルに発展する恐れもあります。法令に則った適切な導入と透明な説明、そして実際の労働時間の管理が制度の信頼性を高める鍵となります。導入前には十分な検討を行い、従業員と企業が納得して制度を活用することが求められます。