, 360度評価って?導入するメリットとデメリットについて解説 | シェアマインド経営サークル

360度評価って?導入するメリットとデメリットについて解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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企業の人事評価制度として注目されている「360度評価」。上司だけでなく、同僚や部下、場合によっては取引先などからも評価を受けるこの制度は、多面的な視点から個人の強みや改善点を把握できるのが特徴です。この記事では、360度評価の基本的な仕組みから、導入するメリット・デメリット、導入時に押さえておきたいポイントまでわかりやすく解説します。

360度評価とは?

上司以外からもフィードバックを得られる多面評価制度

360度評価とは、評価対象者の周囲にいる複数の立場の人々(上司・部下・同僚・他部署・顧客など)から意見を集めて総合的に評価を行う制度です。従来の一方向的な上司からの評価に比べ、バランスのとれたフィードバックを得やすいという特徴があります。

評価対象内容例
上司からの評価行動規範の遵守度、部下への対応、業務達成力など
部下からの評価指導力、マネジメント能力、接しやすさなど
同僚からの評価協働姿勢、チームワーク、信頼性など
他部署や顧客の評価社内外の関係構築力、対応品質、柔軟性など

このように、評価者の立場によって異なる視点からのフィードバックが得られるため、被評価者自身の「気づき」や成長につながりやすいという特徴があります。


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360度評価のメリット

公平性と納得感の高い評価を実現できる

360度評価の主な利点は、「上司だけでなく多様な視点からの評価により、評価の偏りを軽減できる点」にあります。加えて、社員の自律的成長を促すツールとしても活用されています。

メリット項目解説
評価の透明性向上複数の評価者からの情報により、一部の主観的評価を排除できる
フィードバックの多様化自分の見えていない強みや弱みを発見しやすくなる
自己認識の促進多角的な視点からの評価により、客観的な自己理解を深められる
モチベーション向上公正な評価によって、被評価者が納得感を持ちやすくなる
組織の信頼性向上上司以外の声も取り入れることで、風通しの良い組織文化の形成につながる

360度評価のデメリット

感情的・主観的な評価が混在するリスク

一方で、360度評価には注意すべき点もあります。特に「人間関係が密な環境」では、評価が感情的・主観的になりやすいという課題が挙げられます。

デメリット項目解説
感情的な評価の混入好き嫌いによるバイアスが入りやすく、公正な判断が難しい場合がある
フィードバック疲れ評価者が多いため、回答負担が増え、評価の質が低下する可能性がある
匿名性による不信感匿名であるがゆえに、被評価者が疑心暗鬼になったり、信頼関係に悪影響を与えることがある
運用の煩雑さシステムや運用ルールの設計、評価者の選定に手間がかかる
評価目的の不明確化評価と育成の目的が曖昧だと、単なるアンケートになってしまい効果が薄れる

360度評価を成功させる導入のポイント

社内での理解と仕組みづくりが鍵に

360度評価を導入する際は、運用面での工夫が重要です。明確な目的設定と、社内の理解促進がなければ、制度自体が形骸化する恐れがあります。

ポイント項目解説
目的の明確化評価対象が「昇進」「育成」など、どう活用されるのかを事前に共有する
評価項目の設計客観的かつ具体的な評価項目を設け、抽象的な評価を防止する
評価者の選定フィードバックに信頼性を持たせるため、公平かつ適切な範囲の評価者を選ぶ
フィードバック面談結果を単に配布するだけでなく、対話を通じて意味付け・成長支援を行う
評価者教育の実施評価バイアスを抑えるため、評価スキル向上の研修を事前に行う

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まとめ

360度評価は、従業員一人ひとりの多面的な強みや課題を可視化し、育成や組織開発に活用できる有効な評価制度です。しかし、その運用には慎重な設計と社内での理解促進が不可欠です。メリットとデメリットを正しく理解したうえで、自社に適した形で導入することが、制度を成功へと導く鍵となるでしょう。