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特許って何?仕組みとメリット・注意点をわかりやすく解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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新しい技術やアイデアを思いついたときに気になるのが「特許」の存在です。特許は発明を守る強力な制度ですが、仕組みや取得の流れ、実際の活用方法まで把握していないと、思わぬ落とし穴があることも。本記事では、特許の基本的な意味から、取得するメリット、活用時の注意点までを初心者にもわかりやすく解説します。

特許とは?

発明を守るための知的財産権

特許とは、新しい技術的アイデア(=発明)を独占的に使用・販売できる権利を、一定期間与える制度です。特許庁に出願して審査を通過すれば、原則として出願日から20年間、その発明を独占できる権利が与えられます。

特許の対象となる「発明」

特許として認められるのは、単なる思いつきやアイデアではなく、技術的に「新規性」「進歩性」「産業上の利用可能性」があるものに限られます。たとえば、新しい構造の機械や、画期的な製造方法などが対象です。

要件内容
新規性すでに公開された技術と同じではないこと
進歩性専門家でも簡単に思いつかないほどの技術的工夫があること
産業上の利用可能性工業・農業・ITなど、社会的に役立つ形で活用できること
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特許を取得するメリット

メリット項目内容
独占的に利用できる特許を取得すれば、その技術を使えるのは自分(または自社)だけになる
模倣・パクリを防げる他人が無断で真似をした場合、差止請求や損害賠償請求が可能になる
企業価値の向上特許を保有していることで、取引先・投資家からの信頼性が高まる
技術ライセンスで収益化他社に特許を貸し出し(ライセンス)することで、使用料収入が得られる
製品・ブランドの差別化他社には真似できない技術で、商品の競争力を高められる

中小企業やスタートアップでも、特許を活用することで競合との差別化や資金調達に有利に働くことがあります。

特許を取得するまでの流れ

ステップ内容
1. 発明の整理発明の内容を文章や図面で明確にまとめる
2. 先行技術の調査すでに同じような技術が特許登録されていないか確認(J-PlatPatなどを利用)
3. 特許出願特許庁に必要書類を提出(書面またはオンライン)
4. 出願公開出願から1年半後に内容が公開される(審査はまだ未完了)
5. 審査請求出願から3年以内に審査を依頼(審査請求を忘れると却下)
6. 特許査定審査を通過すれば、登録料を支払って特許が成立
7. 登録・維持登録から最長20年間、年ごとに維持費を支払うことで特許が有効になる

特許取得の注意点

コストがかかる

特許出願には、出願料・審査請求料・登録料・維持費など、さまざまな費用が発生します。さらに、弁理士に依頼すれば数十万円単位の報酬も必要になります。

費用項目目安金額(個人・中小企業)
出願料約15,000円
審査請求料約138,000円(請求項数によって変動)
登録料(1〜3年分)約8,000円〜
弁理士報酬(任意)約20万円〜50万円

コストに見合うメリットがあるか、出願前に事業計画と照らし合わせる必要があります。

公開される=技術が世に出る

特許を出願すれば、その内容は1年半後に「公開」されます。つまり、特許を取得できなかったとしても、自分の技術が世の中に知られてしまうというリスクがあります。

特に、ノウハウや企業秘密を含む技術は、特許出願よりも「秘匿」による管理が適切なケースもあります。

審査に時間がかかる

特許は出願してから審査請求を行い、さらに審査の結果が出るまで数ヶ月〜1年以上かかる場合があります。スピード重視の事業では、別の保護手段(商標・意匠)との併用が検討されます。

他人の特許侵害のリスク

自分が新しい製品を開発したとしても、既存の特許を侵害している場合は販売停止や損害賠償を求められることがあります。出願前に「先行技術調査」を行うことが不可欠です。

特許と他の知的財産との違い

項目特許商標意匠著作権
保護対象技術的な発明ネーミング・ロゴ・マークデザイン・形状創作物(文章・画像など)
保護期間出願から最大20年登録から10年(更新可能)登録から20年(更新不可)創作時から50〜70年(自動付与)
登録の必要必要必要必要不要(自動発生)

それぞれの知的財産権には特徴があり、組み合わせて戦略的に活用することが理想です。

特許の活用例

活用シーン特許の効果
新製品の販売類似商品を排除でき、競争力が高まる
出資・M&A交渉技術力の証明となり、企業価値が評価されやすくなる
ライセンス提供特許を他社に使わせてロイヤリティ収入を得る
技術提携・共同開発自社技術の信頼性が高まり、提携先との交渉がスムーズに進む
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まとめ

特許は、企業や個人が新しい技術やアイデアを「権利」として守り、ビジネスの競争力を高めるための強力な手段です。取得には費用や手間がかかりますが、適切に活用すればブランドの差別化・収益源の確保・模倣防止など、さまざまなメリットがあります。

特許は“取って終わり”ではなく、どのように使い、守り、育てていくかが重要です。新しい技術を事業の柱にしたいと考えている方は、まずは特許の基本を理解し、自社に合った知財戦略を検討してみてください。