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旅行会社を設立するためには何が必要?流れを解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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旅行需要の回復とともに、旅行会社の設立を目指す方も増えています。しかし、旅行業には特有の法律や許認可制度があり、一般的な会社設立とは異なる準備が必要です。本記事では、旅行会社を設立する際に必要な要件や手続きの流れを分かりやすく解説します。

旅行会社設立の前提条件

旅行会社を運営するには、まず「旅行業」の登録が不可欠です。この登録は、旅行業法に基づいており、事業の形態や取扱内容によって複数の区分に分かれています。

区分特徴
第1種旅行業海外旅行・募集型企画旅行を取り扱える
第2種旅行業国内の募集型企画旅行を取り扱える
第3種旅行業受注型企画旅行、手配旅行など小規模対応
地域限定旅行業一定地域内の小規模旅行に特化(市区町村の指定が必要)

取り扱う旅行内容に応じて、自社に合った登録種別を選ぶことが出発点となります。


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旅行業登録の要件

旅行業として営業を開始するには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

要件内容
旅行業務取扱管理者の選任有資格者が1名以上常駐することが義務
財産的基礎種別に応じた基準資産を確保する必要あり
事務所の確保固定の事業所が必要(バーチャルオフィスは不可)
弁済業務保証金の供託または弁済業務保証金分担金の加入万が一の返金・損害補償のための制度加入

各項目についての詳細を把握した上で、事前準備を進めることが重要です。


設立に必要な費用の目安

旅行会社を立ち上げる際には、登録費用や資産要件、設備費用など、まとまった初期投資が必要です。

費用項目概要金額目安
登録申請手数料旅行業登録に必要な行政手数料約3万円〜9万円
基準資産(第3種)純資産要件(例:300万円以上)登録種別によって異なる
保証金分担金全国旅行業協会加入による供託代替約60万円(第3種)
事務所設営費内装、設備、通信インフラ等約50万円〜100万円
その他登記費用、印紙代、広告費など約10万円〜30万円

合計でおよそ100万円〜300万円程度の初期費用を見積もっておくと安心です。


設立の基本的な流れ

旅行会社設立は、一般の法人登記とは異なり、登録のための要件整備や審査が必要です。以下の手順を順に進めることが重要です。

ステップ内容
1. 法人設立(登記)株式会社や合同会社を設立し、法人格を取得
2. 事務所の確保契約済の事務所を確保し、設備を整える
3. 管理者の確保旅行業務取扱管理者を確保し、配置する
4. 資産要件の確認財務状況が基準を満たしているか確認
5. 旅行業登録の申請所轄の都道府県に必要書類を提出
6. 審査・登録完了問題なければ登録証が発行され営業開始へ

各ステップには所定の審査期間があるため、全体で1か月〜3か月程度を見込んでおくとスムーズです。


旅行業務取扱管理者とは?

旅行業の運営には、「旅行業務取扱管理者」という国家資格を有する人材の常駐が必須です。

資格の種類取扱範囲
総合管理者国内・海外すべての旅行業務を扱える
国内管理者国内旅行に関する業務のみ担当可能

旅行業登録の際には、この資格保有者の在籍証明書を提出する必要があるため、設立前に候補者を確保しておくことが重要です。


設立後の運営で意識すべき点

旅行会社を開業した後は、単に旅行商品を提供するだけでなく、以下の点に注意を払った運営が求められます。

取組項目解説
顧客対応の充実トラブル対応・クレーム処理の仕組み整備
契約書・約款の整備法的トラブルを防ぐための明文化が必要
協力会社との連携宿泊施設・交通機関との信頼構築が不可欠
リスク管理体制自然災害や感染症などへの備え

これらを整備することで、持続的な運営と信頼獲得につながります。


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まとめ

旅行会社を設立するには、通常の法人設立とは異なり、旅行業法に基づいた登録や資格取得など、専門的な要件が求められます。しかし、事前に流れと必要要件を把握し、計画的に準備を進めることで、スムーズな立ち上げが可能になります。

旅行業は夢を売るビジネスであると同時に、高い責任と信頼が求められる分野です。しっかりとした準備と運営体制を整え、多くの人に喜ばれる旅行会社を目指しましょう。