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個人事業主が従業員を採用するときの手続きは?

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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個人事業主として事業を拡大していくと、一人では業務が回らなくなり、従業員の採用を検討する段階がやってきます。しかし、初めて雇用する場合には、どのような手続きを行えばよいのか分からない方も多いでしょう。従業員を採用する際には、法律で定められた届出や保険加入など、いくつかの重要な手順があります。この記事では、個人事業主が従業員を雇用するときに必要な手続きと注意点を分かりやすく解説します。

採用前に確認すべきこと

従業員を雇用する前に、事前準備を行うことでスムーズな採用が可能になります。

確認事項内容
雇用条件の明確化勤務時間、給与、休日、仕事内容などを具体的に決める
就業規則の有無常時10人以上の従業員を雇用する場合は作成・届出が必要
労働契約書の作成契約内容を明文化し、双方が署名することでトラブルを防ぐ
採用方法の検討求人広告、ハローワーク、紹介など採用ルートを選定する

採用条件が曖昧だと、入社後のトラブルや離職の原因になりやすいため、事前にしっかり固めることが重要です。


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採用時に必要な主な手続き

個人事業主が従業員を雇う際には、以下の手続きが必要です。

手続き概要
労働条件通知書の交付労働基準法に基づき、賃金や勤務時間などを記載した書面を交付
雇用保険の手続きハローワークで「雇用保険適用事業所設置届」と「被保険者資格取得届」を提出
社会保険の加入健康保険・厚生年金の加入手続きを年金事務所で行う(条件該当者のみ)
労災保険の加入労働者を1人でも雇用した場合に必須。労働基準監督署で手続き
税務署への届出「給与支払事務所等の開設届出書」を提出

特に雇用保険と労災保険は、従業員が1人でも加入が義務付けられているため注意が必要です。


雇用保険と社会保険の加入条件

従業員の勤務時間や日数によって、加入の必要性が異なります。

保険制度加入条件
雇用保険週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある場合
社会保険(健康保険・厚生年金)週30時間以上勤務または所定労働時間の4分の3以上勤務
労災保険雇用する全労働者が対象(勤務時間に関係なし)

勤務形態によっては、雇用保険のみ加入するケースや、社会保険もセットで加入するケースがあります。


採用後の注意点

従業員を雇用したら、日々の労務管理や法令遵守も欠かせません。

注意点内容
給与計算と源泉徴収所得税の源泉徴収を行い、年末調整を実施する
労働時間の管理労働基準法に沿った勤務時間・残業管理を行う
有給休暇の付与雇用開始から6か月経過後、基準日数の有給休暇を付与
安全衛生管理職場の安全確保や健康診断の実施も重要
離職時の手続き雇用保険・社会保険の資格喪失手続きを行う

これらを怠ると、労働基準監督署からの指導や罰則の対象になることがあります。


個人事業主が従業員を雇うメリットとデメリット

雇用は事業成長に欠かせない一方、責任やコストも伴います。

メリットデメリット
業務効率の向上人件費や社会保険料の負担が増える
事業の拡大が可能労務管理の負担が増える
専門性の高い業務が任せられる法令遵守や契約トラブルのリスクがある
長期的な戦力の確保採用・教育に時間とコストがかかる

採用のメリットとデメリットを理解し、自社の状況に合った雇用戦略を立てることが大切です。


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まとめ

個人事業主が従業員を採用する際には、労働契約書の作成や雇用保険・労災保険の加入、税務署への届出など、複数の手続きが必要です。これらを正しく行うことで、従業員との信頼関係を築き、安定した事業運営につながります。

採用は事業拡大の大きな一歩です。事前準備と正しい手続きによって、従業員も事業主も安心して働ける環境を整えていきましょう。