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会社設立するときの事業目的はどのように書けばいい?

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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会社を設立する際に、登記書類に記載する「事業目的」は、今後のビジネス展開に大きな影響を与える重要な項目です。曖昧に記載してしまうと、後々の契約や税務で支障が生じる可能性があります。本記事では、事業目的の役割や記載方法、注意点について分かりやすく解説します。

事業目的とは何か

事業目的とは、会社が「どのような事業を行うのか」を示すものです。会社設立時に作成する定款や登記簿謄本(履歴事項全部証明書)にも記載される法的な文言であり、登記申請においては必須項目です。

この目的は、以下のようなシーンで重要な役割を果たします。

  • 会社が行う事業範囲の明示
  • 銀行口座開設時の確認資料
  • 許認可取得時の判断材料
  • 融資や補助金申請時の審査項目

事業目的の記載内容によっては、会社として契約できない事業が出てきたり、許認可の取得ができなかったりするケースもあるため、慎重な記述が求められます。


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事業目的を書くときの基本ポイント

事業目的は、ただ羅列すれば良いというものではありません。以下のようなポイントに注意して作成しましょう。

項目内容
明確性誰が見ても内容が分かるよう、具体的な言葉で書く
網羅性将来行う可能性のある事業も含め、幅広くカバーする
法令適合性法律に違反しない内容にする(違法業種はNG)
許認可要件への対応許認可が必要な業種の場合、該当する事業内容を含める必要がある
定型句を活用一般的に使用される言い回しや業界用語を使う

明確であいまいさのない文章を心掛けることが、後々のリスク回避にもつながります。


よく使われる事業目的の記載例

事業目的には定番の言い回しがあり、実際の登記実務でも頻繁に使われています。以下は、業種ごとの代表的な表現例です。

業種記載例
IT事業インターネットを利用した各種情報提供サービスの企画、開発、運営及び販売
小売業衣料品、雑貨、食料品等の輸出入、販売及びそれらに付随する一切の業務
飲食店経営飲食店の経営及びフランチャイズチェーン店の運営
コンサル業経営、財務、業務改善に関するコンサルティング業務
不動産業不動産の売買、賃貸、仲介、管理及びこれらに付随する業務

こうした例文をベースに、自社のビジネス内容を反映した文言を加えるとスムーズです。


将来の展開を見据えた事業目的の考え方

会社設立時には「まだ始めていない事業」も含めて、将来的に行う可能性のある活動も記載しておくことがポイントです。

例えば、以下のような例が考えられます。

  • 現在:Webサイト制作 → 将来:広告代理店事業
  • 現在:不動産賃貸業 → 将来:物件管理業、建築コンサル

あらかじめ幅広く目的を定めておけば、事業が拡大しても定款変更をする必要がなくなり、登記コストや手間を省くことができます

ただし、あまりにも関係のない目的を羅列すると、審査機関や取引先に「一貫性がない」と見なされる恐れもあるため注意が必要です。


避けるべき事業目的の記載例

以下のような記載は、登記官によって認められない場合があります。

NG例文理由
「さまざまな事業を行う」内容が抽象的で判断ができないため
「違法行為に関する事業」当然ながら法律違反で認可されない
「必要に応じて事業を変更する」目的が不明確なうえ、登記上無効となる

あいまいな表現や、将来の変更を前提としたような記述は避けましょう。


事業目的の変更はできるのか

事業目的は、会社設立後に変更することも可能です。ただし、定款の変更手続きと、法務局での登記変更が必要となるため、費用と時間がかかります。

内容概要
必要な手続き株主総会の決議 → 定款変更 → 登記申請
費用(目安)登録免許税3万円+専門家への依頼費用(別途)
変更が必要になるケース新規事業の開始、許認可取得、融資申請など

そのため、設立時にあらかじめ事業展開を見越して記載することが推奨されます。


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まとめ

事業目的は、会社の設立時だけでなく、将来の事業拡大や外部との取引においても重要な意味を持ちます。ポイントを押さえて明確かつ網羅的に記載することで、登記や融資、許認可におけるリスクを回避し、スムーズな事業展開が可能になります。

「今できること」だけでなく、「これからやる可能性があること」にも目を向けながら、信頼性と柔軟性を兼ね備えた事業目的を作成しましょう。