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企業するとマイナンバーは使うのか?法人番号との違いと必要性を解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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起業を考えたとき、「マイナンバー」と「法人番号」の違いや必要性に疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。この記事では、企業する際にマイナンバーが必要となる場面、法人番号との明確な違い、起業形態別の使い分けを詳しく解説します。正しい知識を持つことで、安心して起業の一歩を踏み出せます。

マイナンバーと法人番号の違いとは

マイナンバーとは何か

マイナンバーとは、日本に住民票を有するすべての個人に付与される12桁の番号です。正式には「個人番号」とも呼ばれ、行政手続きにおける本人確認、情報連携を目的として2015年に導入されました。税金の申告や社会保障、災害時の支援などの公的手続きにおいて広く使われています。

起業時においては、個人事業主として開業する場合にマイナンバーの提出が求められるケースがあります。特に、税務署への開業届や青色申告の申請などの際に、本人確認としてマイナンバーを記載する必要があります。逆に、法人を設立する場合、マイナンバーは原則として使用されません。

法人番号とは何か

法人番号は、法人や各種団体に対して国が付与する13桁の番号です。これは法人登記が完了した際に国税庁から自動的に付与され、公的にも公開される情報となっています。法人番号は、企業間の契約書、請求書、納税手続き、官公庁とのやり取りなど幅広いビジネスシーンで活用されます。

また、法人番号は誰でも検索できるよう公開されており、透明性を保つ目的でも重要です。法人設立後はこの番号を使って、社会保険や税務署への届出を行うことになります。

比較項目マイナンバー(個人番号)法人番号
対象個人(すべての住民)法人、各種団体
桁数12桁13桁
付与タイミング住民登録時に付与法人登記時に付与
公開有無非公開公開
使用目的税、社会保障等の行政手続き契約書、納税関連などビジネス手続き

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起業時にマイナンバーを使う場面とは

個人事業主の場合

個人で事業を始める、つまり「個人事業主」として開業する場合、税務署に提出する開業届にはマイナンバーの記載が必要です。これは、開業者本人の確認のために使われ、税務署や年金事務所などがマイナンバーで情報を一元管理するためです。

さらに、従業員を雇う場合、源泉徴収義務が発生し、従業員のマイナンバーの収集・管理義務も発生します。これは、給与支払報告書や源泉徴収票に記載されるためで、正確な手続きのためには、企業側もマイナンバーを適切に管理する必要があります。

法人設立の場合

法人を設立した場合、起業者個人のマイナンバーは登記手続きには使用されません。ただし、設立後に法人が役員報酬を支払うような場合、役員個人のマイナンバーが必要となるケースがあります。これは、所得税や住民税の申告に必要な書類を作成する際に求められるためです。

法人としては、従業員や役員からマイナンバーを収集し、一定のルールに基づいて安全に管理する義務が発生します。これに違反した場合、情報漏洩等の重大なリスクや罰則が発生することもあるため注意が必要です。


法人番号の役割と使い道

税務署や官公庁への届け出

法人番号は、会社設立後のすべての行政手続きにおいて活用されます。たとえば、法人税の申告や源泉所得税の納付、消費税の手続きなど、税務署に関連するすべての届出には法人番号を使用します。

また、社会保険の手続きでも法人番号は重要です。健康保険や厚生年金の加入時に法人番号が必要となり、従業員の情報と連携されます。

取引先との信用性向上

法人番号は国税庁の「法人番号公表サイト」で誰でも検索でき、会社の設立日、所在地、名称などの基本情報を確認できます。これにより、取引先からの信用獲得にもつながります。

たとえば、契約書や請求書に法人番号を明記することで、相手方に安心感を与えるとともに、情報の照合を容易にします。これにより、なりすましや偽装契約のリスクも減らせます。


起業家が知っておくべきマイナンバー管理の注意点

マイナンバーの収集と保管義務

マイナンバー制度では、企業が従業員や外注先からマイナンバーを収集した場合、漏洩・盗難・不正利用の防止措置を講じる義務があります。これは「番号法(マイナンバー法)」に基づいた法的義務であり、違反があった場合は罰則も科されます。

企業は、マイナンバーを保管する際には次のような措置が求められます。

管理対策内容の例
組織的安全管理マイナンバー取扱規程の策定
人的安全管理担当者への研修・誓約書の取得
物理的安全管理保管場所の施錠、入退室管理の強化
技術的安全管理パスワード管理、アクセス制限

これらを実施することで、情報漏洩のリスクを減らし、適切な情報管理体制を築くことが可能となります。


起業形態による違いとマイナンバー・法人番号の関係

起業形態マイナンバー利用法人番号利用備考
個人事業主ありなし税務署の手続きにマイナンバー記載が必要
合同会社(法人)必要に応じてあり設立時は不要だが、役員報酬支払時に使用あり
株式会社(法人)必要に応じてあり上記と同様

このように、起業形態によってマイナンバーや法人番号の関与度が異なるため、起業前にしっかりと確認しておくことが重要です。


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まとめ

マイナンバーと法人番号は、それぞれ異なる目的と役割を持つ制度です。個人として事業を始める場合はマイナンバーが必要不可欠であり、法人を設立する場合には法人番号が中心的に活用されます。

特に、マイナンバーに関しては適切な管理が求められ、違反があれば企業としての信頼性が問われる重大なリスクとなります。一方で法人番号は、社会的信用や行政手続きを円滑に進めるための基盤となります。

起業を考えている方は、これらの番号の違いを理解し、正しく扱うことが、自身のビジネスのスタートラインにおいて非常に重要なポイントであるといえるでしょう。