, 会社の贈与には税金かかる? | シェアマインド経営サークル

会社の贈与には税金かかる?

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

詳しく見る

「親の会社を引き継ぐことになった」「個人で設立した会社を家族に譲渡したい」といった場面で気になるのが、会社の贈与に関わる税金です。会社を個人に譲渡する場合、金銭の授受がなくても税金が発生するケースがあります。この記事では、会社の贈与に関わる主な税金の種類や仕組み、対象となる条件、節税のポイントなどをわかりやすく解説します。事業承継や親族間での会社譲渡を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

会社の贈与とは何を意味するのか?

会社の贈与とは、法人の株式や出資持分などを無償または相場より安い価格で、別の個人や法人に譲渡することを指します。会社そのものを「財産」として扱うため、一定の価値を超えると税法上の「贈与」と見なされます。

たとえば、父親が所有する株式会社の株式を、息子に無償で譲渡した場合、それは「株式の贈与」となり、贈与税の対象になる可能性があります。


経営管理・組織運営のプロフェッショナル監修

●数々の会社経営から
多角的視点での企業支援!
●申請から導入まで
一気通貫で徹底サポート!
●問い合わせ・相談から申請まで
完全無料!

ピッタリな補助金・助成金が見つかる!

会社の贈与にかかる主な税金の種類

会社の贈与に関しては、贈与税だけでなく、状況に応じてさまざまな税金が発生する可能性があります。以下の表に代表的な税金をまとめました。

税金の種類内容課税対象者
贈与税個人間で無償譲渡があった場合に発生受贈者(もらった人)
所得税(みなし譲渡)法人→個人へ相場より安い価格で譲渡した場合法人側
法人税法人が個人に資産を渡した場合の利益に対して法人側
登録免許税株式譲渡によって役員や登記が変更された場合など会社側
相続税贈与ではなく死亡により移転する場合相続人

贈与の形態や金額、相手が誰かによって発生する税金は大きく異なります。


贈与税の仕組みと基礎控除額

贈与税は、年間110万円を超える価値の贈与を受けた場合に課税されます。会社の贈与においては、「株式の評価額」がこの課税対象になります。

区分内容
基礎控除額年間110万円まで非課税
超過分に対する税率10〜55%(超過額に応じて累進)
特例親から子へ自社株を贈与する場合「事業承継税制」が適用されることもあり

自社株の評価額は、原則として「類似業種比準方式」や「純資産価額方式」によって算出されますが、評価額が高くなるほど贈与税も高額になります。


会社の贈与でよくあるケースと税金の違い

ケース別の税金発生有無

ケース税金の有無発生する税金の種類
親が子に株式を無償で贈与あり贈与税(受贈者が納付)
友人に相場より安く株式を譲渡あり所得税(法人側の利益扱い)
社長が法人名義の資産を個人で取得あり法人税・所得税
株式の相続(死亡による承継)あり相続税

贈与に見せかけて実質的に売買が行われていたり、名義だけを変更するなどの行為も税務調査で発覚すれば課税対象となります。


贈与税を回避・軽減するための対策とは?

税負担を最小限に抑えるためには、計画的な事業承継や贈与方法を選択することが重要です。以下のような方法が有効です。

段階的な贈与で基礎控除を活用

毎年110万円以内で少しずつ株式を贈与する方法です。時間はかかりますが、税負担をゼロに抑えることも可能です。


相続時精算課税制度の活用

60歳以上の親から20歳以上の子や孫に贈与する場合、最大2500万円まで非課税で贈与できる制度です。ただし、一度選択すると通常の贈与税制度に戻れない点に注意が必要です。


事業承継税制の活用(中小企業対象)

一定の要件を満たせば、自社株の贈与にかかる贈与税の納税を猶予・免除できる制度です。都道府県への申請や認定が必要なため、専門家の支援が望まれます。


贈与と税金に関する注意点

税務署のチェックが厳しい分野

会社の贈与は金額が大きくなる傾向があるため、税務署の目も厳しくなります。不自然な名義変更や、実質的な取引があるにも関わらず無償とした場合は、後に追徴課税や罰則のリスクも生じます。


税理士への相談が不可欠

評価方法や制度の適用可否は専門的で複雑なため、贈与を検討する段階から税理士に相談することが重要です。特に法人を保有している場合、贈与による財産移転は税制上の扱いが難解なため、個人の判断だけで進めないことが賢明です。


経営管理・組織運営のプロフェッショナル監修

●数々の会社経営から
多角的視点での企業支援!
●申請から導入まで
一気通貫で徹底サポート!
●問い合わせ・相談から申請まで
完全無料!

ピッタリな補助金・助成金が見つかる!

まとめ

会社の贈与には、ケースに応じて贈与税・法人税・所得税・登録免許税などが発生する可能性があります。特に自社株を家族や親族に移転する場合、税金の影響が大きくなるため、事前に税制の仕組みを理解し、最適な方法を選ぶことが重要です。

贈与は単なる「譲る」行為ではなく、「財産の移転」として税法に則って正しく行う必要があります。計画的な贈与と適切な手続きで、大切な事業資産を円滑に次世代へ引き継ぎましょう。