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「~できます」は営業でダメ?選択肢を与える営業トークとは?

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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営業現場でよく使われる「〜できます」という表現が、実は成約率を下げてしまう原因になることがあります。なぜその言葉がNGとされるのか、本当に響く営業トークとは何かを解説し、選択肢を提示する提案型営業の方法を紹介します。信頼を獲得する言葉選びで、商談成功の確率を高めましょう。

「~できます」の営業トークが抱える課題

安心を与えるどころか、不信感を生む可能性

営業における「〜できます」は、一見すると前向きで頼もしい印象を与えるように思われます。しかし、その裏側には一方的な押し付けや、選択肢を奪う印象を与えてしまうリスクが潜んでいます。特に法人営業など、相手が複数人の意思決定者を抱えるケースでは、「できます」という断定的な表現が、逆に相手の不安を煽る要因にもなり得るのです。

たとえば、以下のようなやり取りを考えてみましょう。

営業トーク顧客の心情
「それ、できますよ」「本当に? 他社にも聞いてみようかな…」
「Aプランならこのような形で対応可能です」「自社に合う柔軟な提案をしてくれた。信頼できるかもしれない」

「できます」という表現は、受け手によっては「根拠が曖昧」「対応の幅が狭そう」「本当にそれだけか?」と感じられてしまうのです。


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提案型営業で信頼を獲得するトーク術

「提案+選択肢提示」のフレーズが効果的

提案型営業では、顧客に選択の余地を残しながら、こちらの意見をしっかり伝えることが大切です。そのためには、「できます」と言い切るよりも、「こういった形も可能です」「お選びいただけます」といった柔らかな表現を用いることで、顧客との距離感を保ちつつ信頼を築くことができます。

ここで重要なのは、「YesかNoか」ではなく、「A案とB案、どちらが貴社にとって有益でしょうか?」という提案スタイルに切り替えることです。

選択肢提示の例を以下にまとめます。

NG例改善例
「すぐ対応できます」「緊急対応と通常対応がございますが、ご都合いかがでしょうか?」
「すべて可能です」「ご希望の内容に対し、AパターンとBパターンのご用意がございます」

このように、具体的な案を提示することで、「選んでいるのはお客様自身」という構図が生まれ、信頼につながるのです。


顧客心理を理解する:選びたいのは「できる」ことではない

顧客は「どうなるか」より「どう感じるか」で判断する

顧客が求めているのは、単なる「できる/できない」という事実ではありません。「自分たちの課題がどう解決されるか」「どんな結果が得られるか」そして「その過程が納得できるか」が、商談の本質です。

したがって、営業パーソンは次のような姿勢で臨む必要があります。

  • 相手の立場を考えた言葉選び
  • 一方的な押し売りではなく、共に考えるスタンス
  • 提案内容に対して裏付けや根拠を持つ

顧客にとって「選ばせてもらえる」ことは、自分たちが主導権を握っているという安心感にもつながります。「できます」ではなく「こういった方向性がございます」という表現により、自然と納得感のある提案へと導けるのです。


営業現場で使える!選択肢を与える表現例

明日から使える、具体的フレーズを紹介

現場での即応性を高めるために、「できます」から言い換えられる表現をいくつか紹介します。

  1. 「もちろん可能です」→「いくつかの方法がございますが、○○と○○のどちらがよろしいでしょうか」
  2. 「すぐ対応できます」→「緊急対応と通常対応がございます。ご希望に合わせて調整いたします」
  3. 「弊社なら解決できます」→「このような実績を基に、御社に合った解決策をご提案いたします」

このような表現を使うことで、顧客が「営業から押されている」と感じることなく、「自分で納得して選んだ」と思える商談が実現できます。


営業で使う表現の心理的インパクト

表現一つで、相手の印象が大きく変わる

営業トークは、ただ情報を伝えるためのものではなく、相手の感情や信頼感に直接働きかける手段です。特に初対面や提案の初期段階では、言葉の選び方が相手の印象を大きく左右します。

以下は、「~できます」を避けた方がよい理由を心理的側面から整理した表です。

理由顧客への影響
「できます」は一方的に感じられる相手が選択肢を持てないように感じ、警戒心を持つ
自信満々すぎて根拠が見えない「それって本当に?」と不安感を抱かれる
形式的に聞こえ、共感が生まれにくい誠実さや親身さが感じられず、印象が薄れる

一方で、「~のようなご提案が可能です」「いくつか選択肢がございます」といった表現は、会話を柔らかくし、相手との信頼関係を築きやすくします。


提案型営業を成功に導くポイント

顧客との共創で、商談の質が大きく変わる

最終的に、営業は「売ること」ではなく「選んでもらうこと」が重要です。そのためには、顧客との共創関係を意識しながら、次の3つを大切にすることが求められます。

  • 選択肢を与える
  • 根拠と実例を示す
  • 最終判断を委ねる

営業トークとは、単なる会話ではなく「信頼を形成するプロセス」です。信頼が得られれば、顧客の購買行動は自然に前進していきます。だからこそ、「〜できます」ではなく、「どのような提案が望ましいか」を共に考えるスタンスが欠かせないのです。


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まとめ

「〜できます」は便利な表現ですが、営業トークにおいては慎重に使うべき言葉です。相手の選択肢を狭めるのではなく、提案と選択肢の提供を通じて、顧客との信頼関係を築いていくことが、成約率向上のカギとなります。

選んでもらう営業になるためには、「売る」ではなく「一緒に考える」姿勢が求められます。営業トークを見直し、言葉の力で顧客の心を動かす一歩を踏み出しましょう。