, クライアントの「買いたい」を引き出すテクニックとは? | シェアマインド経営サークル

クライアントの「買いたい」を引き出すテクニックとは?

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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営業の目的は商品を売ることではなく、クライアントに「買いたい」と思わせることにあります。では、その「買いたい」をどうやって引き出せばよいのでしょうか。本記事では、心理学と実践に基づく営業テクニックを解説し、顧客の心を動かす具体策を紹介します。

なぜ「買いたい」と思わせることが営業に不可欠なのか?

売り込まれると引いてしまう心理

現代の営業では、「売り込み」よりも「引き出し」が重視されます。人は押されると本能的に抵抗を感じる生き物です。たとえ商品やサービスに価値があっても、「買わされている」と感じると、その瞬間に心が離れてしまうのです。

一方で、顧客自身が「これが欲しい」「これが必要だ」と自ら感じる状態を作れれば、営業側が強くプッシュせずとも、自然な成約が生まれます。営業が意識すべきは「いかにして顧客の心にスイッチを入れるか」ということです。


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クライアントの「買いたい」はどこから生まれるか?

欲求ではなく、共感と納得から始まる

クライアントが「買いたい」と感じるきっかけは、表面的な欲求ではなく、「共感」と「納得」によって生まれます。いくら製品の性能が良くても、それがクライアント自身の課題に直結していなければ、購買意欲は湧きません。

下記は、購入に至る心理の流れを整理した表です。

段階クライアントの心理状態
問題意識「このままではマズい」「もっと改善したい」
共感「この営業は自分のことを理解してくれている」
解決の確信「このサービスなら改善できそうだ」
自主的決定「だから、自分の意思でこれを導入しよう」

この流れを無視していきなり商品説明を始めると、相手の気持ちは置き去りになり、商談は失敗に終わります。


「買いたい」を引き出すためのヒアリング力

問題提起ではなく、「気づき」を与える質問を

ヒアリングは、ただ情報を聞き出すだけでなく、クライアント自身に「気づき」を与える行為でもあります。顧客は自分の課題を言語化できていない場合が多く、表面的な要望だけに応えていては、真のニーズを掴むことはできません。

効果的なヒアリングには次の2つの観点が重要です。

  1. 顧客がまだ認識していない問題に気づかせる質問
  2. 顧客自身の言葉で解決策を語らせる導き方

たとえば「現状の業務で一番ストレスを感じる部分はどこですか?」という質問は、課題の掘り下げに役立ちます。そこで出てきた答えに対し、「それが起きると、どのようなロスが発生していますか?」と深掘りしていくと、顧客の問題認識がより明確になっていきます。


「その場で決めたくなる」状況のつくり方

購買行動を促す3つのスイッチ

クライアントが「その場で買う」決断をするには、次の3つの心理的スイッチを入れる必要があります。

  • 安心:信用できる営業担当か
  • 具体性:自社にフィットする提案か
  • 緊急性:今やるべき理由があるか

とくに緊急性をどう演出するかが、成約の確度に直結します。

以下のようなフレーズは、顧客にとっての「今やる理由」を明確にするうえで有効です。

  • 「今月中なら、サポート体制も手厚く取れます」
  • 「御社の繁忙期に入る前に、初期対応を済ませておくのが理想です」

このように、買わなかった場合のデメリットや、今すぐ行動することで得られるベネフィットを明示することで、自然と顧客の意思決定が早まります。


営業トークでやってはいけない表現とは?

押し売り印象を与える言葉は逆効果

「これは絶対お得です」「今買わないと損ですよ」といった営業トークは、確かにインパクトがありますが、顧客にはプレッシャーとして伝わるリスクも高くなります。

以下は、避けるべきNGトークと代替表現の例です。

NGトーク推奨される代替表現
「絶対におすすめです」「多くの企業様でご評価いただいている事例です」
「今決めていただければ」「このスケジュールなら最も効果が出やすくなります」

押し売りに感じさせない表現の工夫が、顧客の感情的ハードルを下げ、「自分で決めた」という納得感につながります。


提案型営業の最終ステップ:決断を後押しする質問とは?

質問でクロージングの背中を押す

「どうされますか?」という質問で会話を終えてしまうのは、成約の機会を逃す原因になります。提案の最終局面では、選択を促す質問が効果的です。

具体的には次のような質問が有効です。

  • 「A案とB案では、どちらの方が導入しやすいと感じられますか?」
  • 「ご検討いただくうえで、他に懸念される点はありますか?」

このように、選択肢を与えたうえで、決断を促す流れに持っていくことで、自然にクロージングまで進めることができます。


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まとめ

クライアントの「買いたい」を引き出すには、単なる商品説明や価格提示では不十分です。必要なのは、「共感を生むヒアリング」「選ばせる提案」「意思決定を支援する対話」です。顧客の心理を読み取り、適切なタイミングで適切な言葉をかけることで、自然な形で成約へと導くことが可能になります。

営業とは、信頼を軸にした会話の積み重ねです。あなたの言葉一つで、顧客の行動は変わります。「売る」のではなく、「買いたいと思ってもらう」営業スタイルを、今日から実践していきましょう。