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営業はクライアントに語らせるべき?攻めの営業トークとは?

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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営業トークは「話す」ことより「語らせる」ことが重要です。クライアントに多くを語ってもらうことで、潜在的な課題やニーズが顕在化し、的確な提案につながります。本記事では、攻めの姿勢を持ちながらも相手の心を引き出す営業トークの本質と実践方法を解説します。

営業は話すより「語らせる」ことが鍵

クライアント主導の会話が信頼を生む

営業といえば、「伝えること」が中心と思われがちですが、実際に成果を出している営業担当者の多くは「クライアントに語らせる力」を持っています。これは、ただ質問を投げかけるのではなく、相手の感情や課題を引き出すための戦略的なヒアリングスキルが求められる場面です。

人は自分のことを理解してくれる相手に対して、より多くの情報を話したくなります。その心理を利用し、営業側が一方的に話すのではなく、相手に語らせる場をつくることで、「この営業は信頼できる」という印象を与えることができるのです。


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なぜクライアントに「語らせる」必要があるのか?

営業の本質は「売ること」ではなく「課題の可視化」

多くの商談が失敗に終わる原因は、営業側の提案が的を射ていないからです。しかし、その背景には、クライアント自身が自分の課題を正確に認識していないケースが少なくありません。

クライアントに語らせることによって、以下のような構造が明らかになります。

話をするのは誰か明らかになる情報
営業が話す商品説明、価格、実績、スペック
クライアントが語る業務の悩み、組織の状況、担当者の本音、現場の課題

このように、相手に語ってもらうことで、商品スペックに合わせた提案から、顧客の実情に合った解決型の提案へと切り替えることが可能になります。


クライアントの言葉を引き出す質問術

質問の型を知れば、会話は自然と深まる

クライアントに語らせるには、具体的な質問の技術が必要です。漠然と「どんなことでお困りですか?」と聞くだけでは、表面的な回答しか得られません。

効果的な質問には2つのパターンがあります。

  1. 過去の事実を問う質問
     例:「これまで導入されたサービスで、うまくいかなかったことは何でしたか?」
  2. 理想の未来を問う質問
     例:「理想の状態になったとしたら、どんな業務フローになっていますか?」

この2つの切り口で質問を展開すると、顧客は自然と自分の課題を整理し始め、思考が深まります。営業はその会話の中から「提案のヒント」を拾い上げることが重要です。


攻めの営業トークとは「聞きに行く姿勢」である

攻めるとは、喋ることではなく「踏み込む」こと

「攻めの営業」と聞くと、強く売り込むイメージを持たれがちですが、現代の営業における「攻め」とは、相手の核心に踏み込むことを意味します。これは、遠慮なく本音を引き出し、提案の質を高めるための姿勢です。

たとえば、以下のようなトークが「攻め」の一例です。

  • 「そこを改善しないと、これからの業務に影響が出てしまいませんか?」
  • 「社内でそれをボトルネックと感じている方は他にもいらっしゃいますか?」

これらは、ただ聞くのではなく、「相手の行動変容を促す問い」でもあります。ここで重要なのは、相手に不快感を与えない距離感と、聞くことへの真剣な姿勢です。


話しすぎる営業が失う「信頼」と「情報」

トークの8割が営業側になるときのリスク

よくある営業の失敗例として、「とにかくしゃべり倒す」スタイルがあります。プレゼン資料に沿って一方的に説明をし続けた結果、クライアントは聞いているだけになり、双方向性がなくなってしまうのです。

以下は、営業トークの話す割合と商談結果の関係性を示した表です。

営業側の話す割合クライアントの反応商談の結果
90%質問できず、納得感が薄れる成約しない
50%会話のキャッチボールが成立検討に進む
30%自分の課題を言語化できて満足度が高まる前向きに検討・成約

営業が話す時間が長くなるほど、クライアントの参加意識は低下し、「聞かされた」という印象しか残らなくなります。逆に、相手が多く話せば話すほど、自分ごと化され、商談は前に進みやすくなります。


クライアントを語らせた後にやるべきこと

言葉の中にある「キーワード」を拾い、提案に活かす

クライアントに語らせた内容を活かさなければ意味がありません。話された情報の中には、提案のカギとなる言葉が多数隠れています。営業はそのキーワードをメモしながら、次のステップとして以下の2点を行う必要があります。

  • 具体的な提案に、顧客の言葉を引用する
     例:「先ほど『スピード感が大事』とおっしゃっていましたが、それを実現する手段として、こちらのプランが有効です」
  • クライアント自身に、提案を再確認させる
     例:「この方向性であれば、先ほどのお悩みに沿った形になりますか?」

このプロセスを通じて、顧客は「自分の話をちゃんと聞いてくれた」「この人は信頼できる」という印象を持ち、提案への納得感が格段に上がります。


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まとめ

営業において「語る」のは営業マンではなく、クライアントであるべきです。話しすぎることで信頼を失い、提案の質も落ちてしまいます。クライアントに語らせることで、課題が浮き彫りになり、本質にアプローチできる提案が可能になります。

攻めの営業とは、単に押すことではありません。「相手の内側に踏み込む勇気」と「話を引き出す力」が、本当に求められる攻めの姿勢なのです。