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事業主に必要なカスハラ対策って?ポイントも解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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顧客からの理不尽な言動により従業員が精神的・身体的なストレスを受ける「カスタマーハラスメント」(通称カスハラ)。近年社会問題として注目され、2026年には法改正で事業主に対する対策が義務化されます。この記事では、カスハラとは何か、なぜ事業主がきちんと対応する必要があるのか、具体的な施策と準備すべきポイントをわかりやすく解説します。

カスハラとは何か/なぜ対策が必要か

定義と法的背景

カスハラとは、顧客や取引先、施設利用者など、事業主の事業に関わる人物からの言動で、次のような要件を満たすものを指します。

  1. 顧客等が行う言動であること
  2. 社会通念上許容される範囲を超えた要求・言動であること
  3. 従業員の就業環境が害されること

この定義は改正労働施策総合推進法において明記され、2026年中の義務化が決定しています。事業主にとって、従業員保護だけでなく法令遵守の観点でも重要なテーマです。


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事業主に求められる義務/法改正で変わること

具体的対応の枠組み

改正法により、事業主には以下のような義務や対応が求められます。義務として明文化される内容を押さえておくことが肝要です。

対応内容主な義務/要点
基本方針の明文化と周知カスハラを許容しない方針を就業規則等に明記し、全従業員に伝えること
相談窓口の設置と対応従業員が相談しやすい窓口の整備、相談者保護、不利益扱いの禁止
初期対応の仕組み整備事実確認、記録保存、対応マニュアルを準備し即対応できる体制
再発防止と従業員研修過去事例の共有、研修の実施、管理職含む全員への教育

これらは義務化対象であり、期限までに対応を整えておくことが求められます。規模や業種を問わず、すべての事業主に課される内容です。


具体的な対策/実践ポイント

現場ですぐ取り組める準備と体制づくり

対応策は多岐にわたりますが、実務として今すぐ着手できるものもあります。以下が代表的な対策です。

  • カスハラの定義と具体例を盛り込んだマニュアルの作成
  • 対応フローの明確化:初期対応 → 管理職・専門部署 → 必要に応じて法的処置まで含める
  • 相談窓口の整備:匿名対応、メール・電話など複数ルートを確保
  • 記録の仕組み:通話録音やログ保存、証拠保全の方法を運用に組み込む
  • 顧客への意思表示:店舗内掲示・公式サイト等で「暴言・脅迫等の言動は許容しない」というメッセージ表示

教育・研修と組織文化の醸成

対応マニュアルだけでなく、組織として「カスハラは許されない」という文化を育てることも重要です。

  • 入社時研修・定期研修でカスハラの識別と適切な対応方法を伝える
  • 管理職研修により部下からの相談対応能力を高める
  • ケーススタディやロールプレイを含め、実際の場面を想定した演習を行う

これにより従業員が「もしものとき」に自信を持って動けるようになります。


対応後のフォローと再発防止策

被害者ケアと改善のサイクル

カスハラが発生した後の対応も重要です。被害者ケアと再発防止のためのポイントを把握しておきましょう。

フォロー項目内容
精神的・身体的ケアメンタルヘルス支援、必要に応じた配置転換など
事実関係の精査と報告録音・証拠の確認、関係者のヒアリング、報告書の作成
顧客対応の判断暴言・脅迫があった場合の警告、サービス提供拒否も含め対応
社内共有と改善策の実施問題例の共有、マニュアルの改訂、スタッフの意見反映

これらを継続的に実施することで、同じような被害を防ぐことができます。


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まとめ

カスタマーハラスメント対策は、もはや事業所の任意ではなく法律で求められる事項となりつつあります。事業主としては、方針の明文化・相談体制の整備・研修実施などを含め、従業員を守る体制を整えておくことが不可欠です。安心して働ける職場は従業員のモチベーション・定着率を高め、ひいては組織のブランド力・信頼性向上にもつながります。

まずは自社でどの対応が未整備かを洗い出し、着実に改善を進めていきましょう。