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企業価値担保権とは?中小企業の資金調達を変える新たな仕組みを解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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近年、企業の資金調達方法として注目されているのが「企業価値担保権」です。これは、企業が保有する資産や将来の利益といった“企業の価値”を担保として資金を借り入れる新しい仕組みです。特に、有形資産が少ないスタートアップや中小企業にとって、資金調達の選択肢を広げる大きな可能性を秘めています。本記事では、企業価値担保権の概要やメリット・デメリット、導入にあたってのポイントをわかりやすく解説します。

企業価値担保権とは

企業価値担保権とは、企業が保有する知的財産や将来的な収益力、ブランド価値などの「無形資産」を担保に設定できる新しい制度のことです。これまでのように土地や建物といった有形資産に依存せず、企業の持つ事業そのものの価値を評価して融資を受けることが可能になります。

企業価値担保権の特徴

  • 企業の将来価値をもとに資金調達ができる
  • 不動産や設備がなくても融資が受けやすい
  • ベンチャー企業やスタートアップに適した仕組み

これまで資金調達の難しかった中小企業にとって、新たな金融支援の形として期待されています。


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従来の担保との違い

比較項目従来の担保(不動産・動産など)企業価値担保権
担保対象土地・建物・設備などの有形資産知的財産・営業権・ブランド・収益力など
評価基準現在の資産価値将来の収益性・事業継続力
対象企業主に大企業・資産保有企業中小企業・スタートアップも対象
融資の柔軟性制約が多い柔軟で幅広い活用が可能

企業価値担保権は、これまで金融機関が評価しにくかった「企業の将来性」を担保として活用できる点で革新的な制度です。


企業価値担保権のメリット

企業価値担保権の導入には、企業・金融機関の双方に多くの利点があります。

主なメリット

  • 資金調達の幅が広がる
    不動産などの資産が少ない企業でも、自社のビジネスモデルや知的財産を評価してもらうことで融資が受けやすくなります。
  • 企業の成長力を重視した支援が可能
    金融機関が企業の将来性を見て資金を供給するため、スタートアップや新規事業への投資が活発になります。
  • 事業継続性の向上
    必要な資金を確保しやすくなることで、企業は長期的な経営計画を立てやすくなります。

企業価値担保権のデメリット

一方で、制度が新しいことから、いくつかの課題や注意点も存在します。

主なデメリット

  • 企業価値の評価が難しい
    無形資産の価値を正確に算出する仕組みが確立していないため、評価基準が曖昧になりがちです。
  • 金融機関側のリスクが高い
    将来価値を担保にするため、回収不能リスクが高く、金融機関が慎重になる可能性があります。
  • 制度運用の実績が少ない
    新しい制度であるため、実際の融資事例がまだ少なく、導入までの時間や手続きに不確実性があります。

メリット・デメリット比較表

項目メリットデメリット
融資条件資産がなくても借りやすい評価基準が確立していない
金融機関の姿勢成長企業への積極的な支援が可能リスク判断が難しい
経営面長期的な資金計画が立てやすい運用実績が少なく不透明さがある

導入が期待される企業・分野

企業価値担保権は、特に「無形資産が多い企業」に向いている制度です。

該当する主な企業

  • IT・ソフトウェア開発企業
  • AI・データ分析などのテクノロジー系企業
  • コンテンツ・デザイン関連ビジネス
  • ブランドビジネスやフランチャイズ展開企業

これらの企業では、知的財産やブランド価値が大きな資産であり、企業価値担保権を活用することで資金調達の選択肢が広がります。


企業価値担保権を活用するためのポイント

制度を有効に活用するには、企業価値を正しく評価し、金融機関に信頼される情報を提供することが重要です。

活用のポイント

  • 自社の強み(技術・顧客基盤・知的財産)を明確化する
  • 将来の収益計画を具体的に提示する
  • 専門家(会計士・弁護士など)と連携して評価資料を整備する

これにより、企業の信頼性が高まり、融資の実現につながりやすくなります。


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まとめ

企業価値担保権は、企業の「未来の価値」を重視した新しい資金調達の形です。特に、有形資産が少ない中小企業やスタートアップにとっては、成長のチャンスを広げる有効な手段となります。

一方で、評価基準や制度の運用面ではまだ課題が残っており、今後の制度整備と実績の蓄積が期待されます。
企業は自社の価値を的確に見極め、信頼性の高い情報発信を行うことで、企業価値担保権を最大限に活用できるでしょう。