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ゼロゼロ融資を返済しないとどうなるのか?リスクと対応策を徹底解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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ゼロゼロ融資は新型コロナウイルス感染症の影響で資金繰りに苦しむ中小企業や個人事業主を支援するために導入された特別融資制度です。政府が利子と信用保証料を全額補助するこの制度は、緊急時の企業経営を下支えしてきました。しかし、現在では据置期間が終了し、多くの事業者にとって本格的な返済フェーズに入っています。本記事では、ゼロゼロ融資の返済が困難になった場合の影響や具体的な対処法について詳しく解説します。

ゼロゼロ融資とは何か

制度の概要と特徴

ゼロゼロ融資は、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、経済産業省と金融庁が連携して設けた無利子・無担保の特別貸付制度です。実施主体は日本政策金融公庫や民間の金融機関で、民間金融機関が実行する場合には信用保証協会の保証付きで実施されました。

名称の由来は「利子ゼロ・保証料ゼロ」にある通り、借入時点での企業負担が極めて少ないのが特徴でした。加えて、最長5年間の据置期間が設定されていたことから、借入から一定期間は元本返済も猶予される仕組みでした。


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ゼロゼロ融資の返済が始まるタイミング

据置期間終了後の対応がカギ

ゼロゼロ融資には、1年から5年の据置期間が設けられており、その期間が終わると元本の返済が始まります。多くの企業が2023年から2025年にかけて据置期間終了を迎えており、月々の返済が本格化する時期を迎えています。

このタイミングで資金繰りに不安がある企業は、早急に対応を検討しなければ、金融的なダメージだけでなく、信用不安にもつながる可能性があります。


ゼロゼロ融資を返済しないと起こる影響

信用情報・事業継続・法的リスクの三重苦

ゼロゼロ融資を返済しない、または遅延することで企業が直面する影響は多岐にわたります。以下に、返済遅延や延滞がもたらす主なリスクをまとめた表を示します。

影響内容詳細説明
信用情報の毀損信用保証協会に延滞情報が登録され、今後の融資審査が不利になる
他の融資にも影響一度信用を損なうと、他の金融機関からの借入が難しくなる
期限の利益喪失一括返済を求められる可能性がある
保証協会による代位弁済金融機関が保証協会に請求、以後は保証協会への返済義務が発生
最悪の場合の訴訟債権回収が法的手続きに移行し、差押えの可能性もある

これらの問題は一時的な返済困難であっても発生しうるため、早期対応が極めて重要となります。


返済できないときの選択肢とは

手遅れになる前に行動を起こす重要性

ゼロゼロ融資の返済が厳しいと感じたら、放置するのではなく、早急に以下の対応を検討することが重要です。

まず、最も一般的な対応策として「条件変更の申し出」があります。これは、返済額の減額や返済期間の延長を申し出ることで、一時的に返済負担を軽減する方法です。金融機関に相談することで、状況に応じた柔軟な対応が取られる可能性があります。

次に検討できるのが「借換融資」です。これは既存のゼロゼロ融資を他の融資制度で借り換えることで、金利や返済スケジュールの見直しが可能になります。金融機関によっては新たな制度を用意しているところもあるため、情報収集と相談がカギを握ります。


ゼロゼロ融資の借換はできるのか

借換可能な融資制度と条件

ゼロゼロ融資の返済が難しくなった場合、多くの金融機関が提案しているのが「借換融資」です。借換融資では、旧債務を新たな融資により返済し、新たな契約条件のもとで再スタートを切ることができます。

代表的な借換制度には、日本政策金融公庫による「新型コロナ対策資本性劣後ローン」や、金融庁の支援を受けた各地方銀行の特別融資プログラムなどがあります。

借換にあたっては、直近の業績、資金繰り計画、返済可能性の見通しなどが厳しく審査されるため、事業計画書の整備や税務処理の適正さが問われます。また、借換によって返済期間を長く設定できる場合もありますが、金利が上がるケースもあるため慎重な比較が必要です。


保証協会への代位弁済がもたらす影響

信用失墜の連鎖を防ぐには

ゼロゼロ融資は信用保証協会の保証が付いているため、企業が返済不能となった場合、金融機関は保証協会に対して債務の弁済を請求します。これが「代位弁済」です。

代位弁済が発生すると、以後の返済義務は金融機関ではなく保証協会に対して発生しますが、これが信用情報に記録されることで、企業の信用は著しく毀損します。一般的には、5年から7年間は新たな保証付き融資の審査が通りにくくなるため、実質的に借入の道が閉ざされるといっても過言ではありません。

代位弁済の手続きが完了すると、保証協会は債権回収を目的として法的手続きに進む場合があり、財産の差押えや事業口座の凍結なども起こりうるため、極めて深刻な事態に発展します。


事業再生計画の検討も視野に入れるべきか

中小企業活性化協議会の支援活用

ゼロゼロ融資の返済が困難となった場合、根本的な経営の立て直しを図る手段として「事業再生計画」の策定が選択肢となります。特に、中小企業活性化協議会が提供する「早期経営改善計画」や「経営資源再活用支援」などの制度は、再起を目指す企業にとって有効な支援策となります。

これらの支援制度を活用することで、経営の見直し、資金計画の策定、関係者(債権者、税務署など)との合意形成が図りやすくなり、返済負担を現実的に管理できる可能性が高まります。


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まとめ

ゼロゼロ融資は多くの中小企業にとってコロナ禍を乗り切るための救命策でしたが、その返済フェーズにおいては適切な対応が求められます。返済を滞納すると、信用情報の悪化や借入困難、さらには法的リスクにまで波及します。

一方で、返済が厳しい状況であっても、条件変更や借換融資、事業再生計画の策定など、取れる手段は複数存在します。何より重要なのは、問題を先送りせず、早期に金融機関や専門機関と連携し、具体的な行動を起こすことです。

返済できないという状況は決して特別なことではありません。重要なのは、その後どう動くかにかかっています。自社の状況を冷静に分析し、未来に向けて前向きな選択を行うことが、企業経営の持続可能性を支える鍵となるでしょう。