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特許取得に必要な3つの要件とは?初心者でもわかる基礎知識を解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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アイデアや技術を「特許」として保護することは、ビジネス上の大きな武器になります。しかし、どんな発明でも特許になるわけではなく、法律上の明確な要件を満たす必要があります。本記事では、特許取得に必要な3つの基本要件と、それぞれの要点をわかりやすく紹介します。発明やアイデアを権利として守る第一歩として、ぜひ参考にしてください。

特許とは何か?

発明を守るための法的な仕組み

特許とは、発明した技術や仕組みを国が一定期間独占的に利用することを認める制度です。具体的には、新しい製品や方法、装置などを考案した場合、それを特許庁に申請して審査を通過すれば、その発明について一定期間、他者が無断で利用できなくなります。

特許は知的財産権の一つで、特許権を取得することで、競合から技術を守り、市場優位性を確保できます。企業はもちろん、個人にとっても、発明の価値を守る重要な制度です。


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特許取得に必要な3つの要件

法的に定められた基準を満たす必要がある

特許を取得するには、以下の3つの要件をすべて満たすことが必要です。

  • 新規性がある
  • 進歩性がある
  • 産業上利用可能である

これらの要件は、日本の特許法によって明確に定義されています。一つでも欠けている場合は、特許として認められません。それぞれの要件について、次で詳しく解説します。


要件1 新規性

公開済みの情報ではないことが条件

新規性とは、その発明が出願以前に世の中で知られていないものであるかどうかを示す基準です。すでに新聞や書籍、インターネット、学会などで公表されている情報と同じであれば、新規性がないと判断され、特許は認められません。

自分の発明であっても、発明者自身が先にSNSや展示会で公開してしまうと新規性が失われるため、出願前に情報を漏らさないことが非常に重要です。


要件2 進歩性

誰でも思いつけるレベルでは特許にならない

進歩性とは、その発明が従来技術から見て、簡単に思いつけるものでないことを意味します。つまり、既存の知識や技術を少し変えただけでは特許として認められません。

技術的に新たな工夫があり、従来の方法とは明確な違いがあると評価されることで、進歩性があると判断されます。進歩性の有無は特許庁の審査官が判断するため、出願書類でしっかりと説明することが求められます。


要件3 産業上利用可能性

実際に社会で使える技術であること

産業上利用可能性とは、その発明が実際の産業活動において利用可能であることを意味します。理論的なアイデアで終わっているもの、あるいは再現性がなく現実には使用できないものは、この要件を満たしません。

農業、製造業、IT、建築、医療など、幅広い分野で使えるものであれば、この要件は満たしていると判断されやすいです。

要件内容の説明判断基準の例
新規性まだ公開されていないか自分以外が知らないこと
進歩性従来技術との差別化誰でも簡単に考えつかない
産業上利用可能性実際に使える技術か再現性があり、業務に使える

要件を満たすための注意点

出願前に注意すべきこと

特許を取得するためには、以下の点に注意することが重要です。

  • SNSやブログ、メディアで出願前に発明内容を公開しない
  • 自社製品として販売する前に必ず出願を済ませる
  • 特許庁の審査官が読んで理解できるような明確な文書を作成する
  • 類似技術との違いを明確に説明する

これらの対策を講じることで、特許が拒絶されるリスクを大きく減らすことができます。


特許がもたらすビジネス的な価値

技術を「資産」として守る仕組み

特許権を取得すると、発明者や企業はその技術を独占的に利用する権利を得ます。これにより、競合が同じ技術を使うことを防げるため、市場での優位性を築くことが可能です。

さらに、以下のようなビジネス価値があります。

  • ライセンス収入を得ることができる
  • 企業の評価が高まる(特にスタートアップでは投資家へのPR材料になる)
  • 他社との技術提携や共同開発がしやすくなる
  • 不正使用への法的対応が可能になる

アイデアを「権利」として残すことで、事業の安定性や成長性が高まります。


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まとめ

特許を取得するためには、「新規性」「進歩性」「産業上利用可能性」の3つの要件を満たす必要があります。どれか一つでも欠けると特許にはなりません。

大切なのは、出願前に情報を漏らさないことと、専門的な視点で要件をクリアしているかを判断することです。自分の発明をしっかり守るためにも、特許制度の仕組みを理解し、正しい手順で出願を行いましょう。