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行政書士の開業ステップとは?注意点も解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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行政書士としての開業は、自由な働き方を実現できる一方で、登録手続きや業務の準備に多くの知識と計画が求められます。本記事では、行政書士の開業に必要なステップを順を追って解説し、開業後に失敗しやすい注意点についてもわかりやすく紹介します。初めての開業でも安心して進められるよう、実践的な情報をお届けします。

行政書士として開業するメリットと現状

行政書士として開業する最大の魅力は、自身のライフスタイルに合わせて自由に働ける点です。行政書士は弁護士や税理士とは異なり、開業に高額な設備投資が不要で、自宅でも開業が可能です。働く場所や時間に制限がなく、家庭や副業との両立がしやすいことから、多様なバックグラウンドを持つ人に選ばれています。

また、行政書士の業務は法務手続きの代理や書類作成を中心に、多岐にわたります。例えば建設業許可、在留資格申請、相続関連手続き、契約書作成、風俗営業許可など、日常生活やビジネスで必要とされる分野に対応しています。業務の幅が広いため、自分の得意分野や興味を活かして専門性を高めることで、他の行政書士との差別化が可能です。

一方で、競争も激しく、ただ資格を持っているだけでは仕事は舞い込んできません。開業後の営業力や実務能力が問われるため、入念な準備が成功の鍵となります。


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行政書士開業のステップを順番に解説

行政書士の開業には、法律上の登録手続きと業務環境の整備が必要です。以下の流れを理解しておくことが重要です。

まず、行政書士試験に合格していることが前提です。合格後は、住所地の都道府県にある行政書士会に登録申請を行います。登録には複数の書類が必要であり、事務所の所在地や写真の提出、誓約書の記入などを含みます。

その後、行政書士会による面談や審査が行われ、問題がなければ登録完了となり、行政書士証票とバッジが交付されます。この時点で正式に行政書士として業務を開始することが可能です。

登録後には、税務署への開業届出を行い、必要であれば青色申告の申請も合わせて提出します。さらに、名刺・ホームページ・業務用印鑑・事務用品などを準備して、開業体制を整えましょう。

行政書士の登録には一定の費用がかかります。地域によって若干の違いがありますが、下記は主な費用の目安です。

登録項目費用の目安
登録手数料約25000円
行政書士会入会金約30000円
行政書士会年会費約30000円〜50000円
支部会費地域により異なる

このほかに、支部活動への参加や各種研修会への出席も求められることがあるため、時間的・経済的な余裕を持ったスケジューリングが望まれます。


開業時に必要な費用と備えるべき資金

行政書士としての開業には、登録費用以外にもさまざまな初期投資が発生します。とくに自宅以外で事務所を構える場合には、家賃・光熱費・内装費などが加算され、想定以上の出費になることもあります。

以下は、主な開業にかかる費用の内訳とその目安です。

費用区分内容金額の目安
事務所備品費デスク、椅子、PCなど10万円〜30万円
印刷物・広告費名刺、封筒、チラシ3万円〜5万円
サイト制作・広告出稿ホームページ作成、SNS広告5万円〜10万円
書籍・ソフト実務マニュアル、業務支援ソフト1万円〜3万円

また、開業当初はすぐに収入が得られるとは限らず、数か月間は生活費を貯蓄から賄うことになります。そのため、生活費として最低でも6か月分(50万円〜100万円)の資金を確保しておくと安心です。

収入が安定するまでは営業活動と並行して支出を抑える工夫が必要です。必要最小限の設備からスタートし、軌道に乗ってから徐々に拡張するという戦略も有効です。


行政書士として成功するための準備

行政書士として開業するだけでは十分とは言えません。顧客から信頼され、継続的に依頼を受けられるようになるためには、明確な戦略と日々の努力が必要です。

まず取り組むべきは「業務分野の選定」です。行政書士の業務は広範であり、すべてを網羅するのは現実的ではありません。自分の知識や経験を活かせる分野、地域でニーズが高い分野を選ぶことで、専門性をアピールできます。

次に、営業活動です。行政書士の仕事は待っていても来ないため、自ら営業する姿勢が重要です。以下のような方法が効果的です。

  • 地元の商工会議所や異業種交流会に参加
  • ウェブサイトやSNSを活用して認知度を高める
  • 弁護士や税理士など他士業との連携を図る
  • 自作のブログで業務知識を発信し信頼を得る

また、業務知識の習得とアップデートも欠かせません。法改正に迅速に対応するために、定期的な研修会や業界誌の購読などを習慣化しておくことが、長期的な信頼獲得につながります。


行政書士の開業でよくある注意点

行政書士として開業する際には、意外な落とし穴も存在します。事前に把握しておくことで、開業後のトラブルを回避できます。

よくある失敗の一つは「顧客が見つからない」という問題です。行政書士の資格取得だけで安心してしまい、営業や集客の準備が不十分なまま開業すると、結果的に収入が得られず閉業に追い込まれる可能性があります。

また、「法令の理解不足」によるトラブルも要注意です。行政書士は法律文書を扱うプロである以上、業務の正確性と法的根拠が求められます。不十分な理解で手続きを進めると、顧客との信頼関係に大きな悪影響を及ぼします。

さらに、個人情報の取り扱いにも細心の注意が必要です。業務では顧客の住所や氏名、場合によっては財産情報に触れることもあります。以下のような管理体制が求められます。

  • パスワード付きのファイルでデータを管理する
  • 書類は施錠可能なキャビネットで保管する
  • ウイルス対策ソフトを常に最新に保つ

これらを怠ると、情報漏洩やコンプライアンス違反に発展するリスクがあります。日頃からリスク管理意識を高めておくことが、安全な業務運営につながります。


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まとめ

行政書士の開業は、多くの人にとって独立・自由を実現するチャンスですが、それには確かな準備と戦略が不可欠です。登録手続き、事務所整備、資金準備、営業活動、知識習得のすべてをバランスよく整えることが、成功への第一歩です。

何よりも重要なのは「行動すること」です。理想だけを描いても、現実的な行動がなければ結果は出ません。失敗を恐れず、情報収集と実践を積み重ねることで、行政書士としてのキャリアを確実に築いていきましょう。