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企業の売却の相場はどのくらい?高く売るためのポイントを解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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企業売却は、経営者にとって一つの出口戦略として注目される選択肢です。後継者不在やライフプランの転換、あるいは新たなチャレンジのために、事業を第三者へ譲渡することは決して珍しくありません。とはいえ「うちの会社はいくらで売れるのか?」という相場感や、「高く売るにはどうすればよいのか?」という疑問を持つ方は多いはずです。本記事では、企業売却の相場の目安と、価値を高めて売却を成功させるためのポイントを解説します。

企業売却の相場とは

数値で見る「企業の値段」の基本

企業売却においては、明確な定価があるわけではありません。企業の価値は、事業内容や利益水準、将来性、業界の動向など多くの要素から総合的に判断されます。その中でも最もよく使われるのが「EBITDA倍率(イービットダー倍率)」という考え方です。

用語内容
EBITDA税引前利益+支払利息+減価償却費
EBITDA倍率売却価格 ÷ EBITDA(業界によって目安が異なる)

一般的な中小企業の売却相場は、EBITDAの2倍〜5倍程度が一つの目安です。ただし、IT業界や成長性が高い分野では10倍を超える場合もあります。

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業種別の売却相場の目安

業界によって評価基準に差がある

企業の業種によって、売却価格の基準には大きな違いがあります。以下は業種別の目安です。

業種相場の目安(EBITDA倍率)特徴
飲食業約1〜3倍安定性重視、ブランド力が影響
IT・SaaS約5〜10倍成長性・顧客数が評価対象に
製造業約2〜5倍技術力・取引先の安定性が鍵
小売業約2〜4倍在庫や立地、収益の安定性が影響
医療・介護約3〜6倍社会的需要と収益性が重視される

このように、業種ごとに着目されるポイントが異なるため、自社の立ち位置と評価基準を知ることが重要です。

企業を高く売るためのポイント

「今の価値」より「将来の可能性」を伝える

企業を高く売却するためには、単に業績が良いだけでなく、「この会社を買うことで何が得られるのか」という視点が重要です。以下の点を意識することで評価額は高まります。

  • 安定した収益モデルがあるか
  • 後継者や組織体制が明確に整っているか
  • 顧客基盤が広く、継続的な関係があるか
  • 成長余地や市場の可能性があるか
  • 会計処理や契約書類などの管理が整備されているか

買い手は「未来に価値があるか」を見て判断します。したがって、今後のビジョンや展望も資料として提示できるとより好印象です。

売却を成功させるための準備

時間をかけた計画と情報整理がカギ

企業売却は一朝一夕では進みません。事前準備として、次のような行動が重要です。

  • 財務諸表や業績データの整理
  • 社内のキーパーソンや引き継ぎ体制の確認
  • 不要資産や負債の見直し
  • 売却の目的を明確にする(資金化・事業承継・再チャレンジなど)
  • 顧問税理士やM&A仲介業者との連携

売却先との交渉では、売却理由や譲渡後の関与の有無も問われます。誠実な情報開示が信頼と好条件につながります。

売却で使われる主な手法

株式譲渡と事業譲渡の違いを理解しよう

企業売却にはいくつかの手法がありますが、代表的なのは「株式譲渡」と「事業譲渡」です。

手法概要特徴
株式譲渡株主が保有する株式を買い手に譲渡する方法手続きが比較的簡単で、会社の契約や許認可が引き継がれる
事業譲渡特定の事業や資産のみを譲渡する方法必要な部分だけを売買できるが、契約の引き継ぎに手間がかかる

どちらを選ぶかは会社の状況や売却の目的によって異なるため、専門家と相談の上で決めるのが賢明です。

売却後の注意点

売却して終わりではない

企業を売却した後も、経営者にはさまざまな対応が求められます。以下は売却後に必要となる対応の一例です。

  • 税務申告(譲渡所得税など)
  • 関係先への通知と感謝の挨拶
  • 競業避止義務やアフターサポートの確認
  • 従業員の雇用維持に関する配慮

また、売却後に新たな事業や投資に挑戦するケースも多く、ライフプランの再設計も必要となります。

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まとめ

企業の売却は、自社の価値を正確に把握し、適切に市場へ伝えることで成功に近づきます。相場を知るだけでなく、事前準備や買い手の視点を意識した交渉が重要です。経営者として最後まで責任ある判断を行うためにも、信頼できる専門家とともに段階的に進めましょう。売却は終わりではなく、新たなスタートの一歩です。