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個人事業主が自己破産したらどうする?必要手続きも解説!

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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個人事業主として事業を運営していると、経営状況の悪化などで借入金の返済が難しくなる場合があります。このような状況に陥った場合の最終手段として選択肢に挙がるのが「自己破産」です。しかし、自己破産にはメリットとデメリットがあり、適切な手続きや対処が必要です。本記事では、個人事業主が自己破産する際の影響や必要な手続きについて詳しく解説します。

個人事業主が自己破産するとは?

自己破産とは、裁判所に申し立てを行い、借金の返済義務を免除してもらうための法的手続きです。個人事業主の場合、事業用の借金だけでなく、生活費などの個人の借金も対象となります。


自己破産がもたらす影響

1. 借金の返済義務が免除される

裁判所が免責許可を下すと、借金の返済義務が免除されます。ただし、以下は免責されない場合があります。

  • 税金や社会保険料
  • 損害賠償金や罰金

2. 資産が処分される

自己破産では、一定の資産が処分され、債権者への返済に充てられます。ただし、生活に必要な最低限の資産(現金99万円以下、必要な家具など)は保護されます。


3. 信用情報への登録

信用情報機関に破産履歴が登録されるため、新たな借入やクレジットカードの作成が一定期間(通常5~10年)制限されます。


4. 職業や資格への影響

自己破産すると、弁護士や税理士など特定の資格が一時的に制限されます。ただし、ほとんどの職業には影響がありません。


自己破産のメリットとデメリット

メリットデメリット
借金の返済義務が免除され、経済的負担が軽減する信用情報に登録され、新規借入が困難になる
生活に必要な最低限の資産が保護される資産が処分され、事業再建が難しくなる可能性がある
法的な取り立てや差し押さえが停止される税金や社会保険料など、一部の債務は免責されない
経済的に再スタートを切ることができる弁護士や税理士などの資格が一時的に制限される場合がある

自己破産の手続き方法

1. 破産申し立ての準備

破産手続きに必要な書類を揃えます。主な書類は以下の通りです。

  • 破産申立書
  • 債権者一覧表
  • 資産目録
  • 収支報告書
  • 過去2年分の確定申告書

2. 裁判所への申し立て

準備した書類を裁判所に提出し、破産手続きの開始を申し立てます。この時、弁護士に依頼するとスムーズに進められます。


3. 破産手続きの開始決定

裁判所が申立書を受理すると、破産手続きが開始されます。裁判所が選任した破産管財人が資産の状況を調査します。


4. 免責許可の決定

破産管財人の調査結果に基づき、裁判所が免責許可を判断します。免責が認められると、借金の返済義務が免除されます。


自己破産後にできること

1. 新たな事業の開始

自己破産後でも、新たな事業を始めることは可能です。ただし、信用情報の制限により融資を受けることは難しくなるため、事業資金を自己資金で賄う必要があります。


2. 個人信用の再構築

免責後、時間が経てば信用情報が回復します。日常の収支管理を徹底し、無理のない範囲で生活を再建することが重要です。


注意点

注意点内容
免責不許可事由がある場合浪費やギャンブルによる借金、詐欺的行為が原因の場合は免責が認められない可能性があります。
税金や罰金は免責されない税金や社会保険料、罰金、損害賠償金などは自己破産の対象外です。これらの支払いは引き続き義務が残ります。
早めに専門家に相談することが重要自己破産を検討する場合は、弁護士や司法書士などの専門家に早めに相談し、適切なアドバイスを受けることが大切です。

まとめ

個人事業主が自己破産を選択することは、経済的に再スタートを切るための一つの手段です。しかし、自己破産には財産の処分や信用情報の制限などのデメリットが伴います。そのため、手続きの詳細や影響をしっかり理解し、専門家のサポートを受けながら進めることが重要です。早めに行動し、適切な対応を取ることで、新たな一歩を踏み出す準備を整えましょう。