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災害や盗難被害にあったときの確定申告はどうなる?所得税は軽減できる?

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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災害や盗難被害に遭った場合、予期せぬ損失に頭を悩ませる方も多いでしょう。しかし、確定申告を活用することで、所得税の軽減措置を受けられる可能性があります。本記事では、災害や盗難被害を受けた場合の確定申告手続きや、所得税を軽減するための控除制度について詳しく解説します。被害を受けた際の正しい対応を知り、少しでも負担を減らすための参考にしてください。

災害や盗難被害時の確定申告の基本とは?

災害や盗難被害を受けた場合、確定申告を行うことで、被害に関連する所得税の軽減措置を受けることができます。具体的には、「雑損控除」と「災害減免法」という2つの税制措置が適用される可能性があります。


1. 雑損控除とは?

雑損控除は、災害や盗難、横領などにより財産に損失が生じた場合、その損失を所得から控除できる制度です。

対象となる被害

  • 自然災害(台風、地震、大雨、火災など)
  • 盗難被害(空き巣、車上荒らしなど)
  • 横領(従業員や第三者による財産の搾取)

控除の対象となる財産

  • 自宅や家財道具
  • 自動車やその他個人所有の資産
  • 事業用の設備や商品(ただし事業所得に関連する場合)

控除額の計算方法

雑損控除の控除額は、以下の計算式で求められます。

雑損控除額計算式
1. 被害金額 – 保険金等で補填される金額被害総額から保険金や損害賠償金などを差し引いた金額。
2. 10万円または総所得金額の10%のいずれか低い額この金額を引いた残りが控除額となる。例えば、被害額が50万円で所得が400万円の場合、控除額は40万円。

2. 災害減免法とは?

災害減免法は、自然災害により被害を受け、所得税を支払うことが難しくなった場合に適用される制度です。対象者は、所得金額に応じて以下の減免措置を受けられます。

減免の条件

  • その年の所得金額が500万円以下であること。
  • 災害による損失額が一定以上であること。

減免額の目安

所得金額減免措置
500万円以下所得税の全額免除。
450万円~500万円未満所得税の一部減額。

雑損控除と災害減免法の違いを整理

雑損控除と災害減免法は似ているようで、それぞれ異なる特徴を持っています。以下の表で違いを比較してみましょう。

項目雑損控除災害減免法
対象災害、盗難、横領などによる損失自然災害による被害
適用条件所得制限なし所得金額が500万円以下であること
申請効果所得控除として税負担を軽減所得税の全額または一部免除
適用範囲広範囲(災害、盗難、横領など)主に自然災害(台風、地震、大雨など)

災害や盗難被害で確定申告を行う際の流れ

災害や盗難被害を受けた際には、以下の手順で確定申告を進めます。


1. 被害状況を記録する

被害を受けた際には、まず状況を詳しく記録しましょう。以下の情報が重要です。

  • 被害を受けた日時
  • 被害内容(被害総額や被害品のリスト)
  • 写真や動画での証拠記録

2. 必要書類を準備する

確定申告の際に必要な書類を揃えます。

  • 被害に関連する領収書や証明書(修理費用、購入費用の明細)
  • 保険金や損害賠償金の支払い通知書
  • 自治体や警察が発行する証明書(罹災証明書、被害届など)

3. 税務署で申告を行う

確定申告書に雑損控除や災害減免法を適用する旨を記載し、税務署に提出します。税務署の窓口やe-Taxを利用して申告が可能です。


注意点

災害や盗難被害時に確定申告を行う際には、以下の注意点を押さえておきましょう。


1. 必要書類を揃えるのに時間がかかる場合がある

罹災証明書や保険金の通知書は発行に時間がかかることがあります。早めに手続きを開始しましょう。


2. 損失額の計算は慎重に行う

控除額を正確に計算するためには、被害総額や保険金補填額を正確に把握することが大切です。


3. 専門家に相談する

税金や控除に詳しい専門家(税理士など)に相談することで、手続きがスムーズに進み、ミスを防ぐことができます。


まとめ

災害や盗難被害を受けた場合、確定申告を行うことで所得税の軽減措置を受けられる可能性があります。雑損控除や災害減免法を活用し、被害後の経済的負担を軽減しましょう。本記事で紹介した手順や注意点を参考に、必要な手続きを早めに進めてください。また、専門家や税務署のサポートを活用することで、より確実に適切な控除を受けることができます。