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EVM(アーンドバリューマネジメント)とは?プロジェクト管理への活用方法を解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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プロジェクト管理において、進捗状況やコストを効果的に把握することは成功の鍵となります。EVM(Earned Value Management:アーンドバリューマネジメント)は、これらを定量的に評価する手法として注目されています。本記事では、EVMの基本概念とプロジェクト管理への具体的な活用方法について解説します。

EVMとは何か

EVMとは、プロジェクトの進捗を「時間」ではなく「コスト」で管理する手法です。具体的には、プロジェクトの進行状況を金銭的な価値(アーンドバリュー)として評価し、計画と実績の差異を分析します。これにより、プロジェクトが計画通りに進んでいるか、コストが適切に管理されているかを客観的に判断できます。


EVMの基本指標

EVMを理解するためには、以下の基本指標を押さえることが重要です。

指標略称説明
計画価値PV(Planned Value)特定の時点までに計画された作業の予算コストの合計
出来高EV(Earned Value)特定の時点までに完了した作業の予算コストの合計
実コストAC(Actual Cost)特定の時点までに実際にかかったコストの合計
スケジュール差異SV(Schedule Variance)EVとPVの差(SV = EV – PV)
コスト差異CV(Cost Variance)EVとACの差(CV = EV – AC)

これらの指標を用いることで、プロジェクトの進捗状況やコスト管理の状況を定量的に評価できます。


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EVMのプロジェクト管理への活用方法

1. 進捗管理の精度向上

EVMを導入することで、プロジェクトの進捗を金銭的な価値で評価でき、計画との差異を明確に把握できます。これにより、遅延やコスト超過の早期発見が可能となり、迅速な対応策の検討が行えます。

2. コスト管理の強化

実コスト(AC)と出来高(EV)を比較することで、現在のコストパフォーマンスを評価できます。これにより、予算内でプロジェクトが進行しているかを確認し、必要に応じてリソース配分の見直しやコスト削減策を検討できます。

3. 将来予測の精度向上

EVMの指標を活用して、プロジェクト完了時の総コストや完了までの期間を予測できます。これにより、リスク管理やステークホルダーへの報告の精度が向上し、信頼性の高いプロジェクトマネジメントが実現します。


EVM導入時の注意点

1. データの正確性の確保

EVMの分析結果は、入力データの正確性に大きく依存します。不正確なデータは誤った判断を招くため、データ収集と記録の精度を高めることが重要です。

2. チーム内での理解と共有

EVMの概念や指標をチーム全体で理解し、共有することが必要です。全員がEVMの意義と活用方法を理解することで、効果的なプロジェクト管理が可能となります。

3. 過度な依存の回避

EVMは強力な管理ツールですが、すべての状況をカバーできるわけではありません。他の管理手法や定性的な判断と組み合わせて、総合的なプロジェクトマネジメントを行うことが推奨されます。


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まとめ

EVM(アーンドバリューマネジメント)は、プロジェクトの進捗とコストを金銭的な価値で評価し、計画と実績の差異を分析する手法です。これにより、プロジェクト管理の精度が向上し、リスクの早期発見や対応が可能となります。導入にあたっては、データの正確性やチーム内での理解を深め、他の手法と組み合わせて活用することが重要です。