, デザイン思考とは何か?ポイントと有用性について解説 | ビズスキルDX

デザイン思考とは何か?ポイントと有用性について解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

詳しく見る

デザイン思考は、ユーザー視点で問題を解決し、イノベーションを生み出すためのアプローチとして注目されています。本記事では、デザイン思考の基本概念、実践のポイント、そしてその有用性について詳しく解説します。


デザイン思考とは

デザイン思考とは、ユーザーの立場に立って問題を理解し、創造的な解決策を導き出す思考プロセスです。特に、変化が激しく先行きが不透明な現代社会(VUCA時代)において、新たな価値を提供するための手法として注目されています。


デザイン思考の5つのプロセス

デザイン思考は、以下の5つのプロセスで構成されています。これらは直線的な流れではなく、相互に行き来しながら進めることが重要です。

  1. 共感(Empathize) ユーザーの行動や感情を深く理解し、共感する。
  2. 問題定義(Define) ユーザーのニーズや課題を明確にする。
  3. 創造(Ideate) 多様な視点から解決策のアイデアを出す。
  4. プロトタイプ(Prototype) アイデアを具体的な形にする。
  5. テスト(Test) プロトタイプをユーザーに試してもらい、フィードバックを得る。

デザイン思考の特徴

デザイン思考には、以下の特徴があります。

  • ユーザー視点の重視 自社の都合ではなく、ユーザーの立場から物事を考える。
  • 継続的な改善 完璧を目指すのではなく、プロトタイプとテストを繰り返しながら改善を進める。
  • 共感の創造 機能や性能だけでなく、ユーザーの感情に訴える価値を提供する。

デザイン思考の有用性

デザイン思考を取り入れることで、以下のメリットが期待できます。

  • イノベーションの促進 ユーザーの潜在的なニーズを発見し、新しい製品やサービスの開発につながる。
  • チームの協働強化 多様なメンバーが協力してアイデアを出し合うことで、チームワークが向上する。
  • 市場適応力の向上 ユーザーの声を反映した製品やサービスを提供することで、市場の変化に柔軟に対応できる。

デザイン思考の実践例:iPodの開発

デザイン思考の成功例として、Appleの「iPod」の開発プロセスが挙げられます。以下の表に、各プロセスでの具体的な取り組みをまとめました。

プロセス具体的な取り組み
共感ウォークマンユーザーの行動を観察し、「曲の保存が手間」「容量が小さい」といった不満を発見。
問題定義「どこでも、その場で、選んだ音楽を聴きたい」というユーザーのニーズを特定。
創造「すべての曲をポケットに入れて持ち運ぶ」というコンセプトを考案し、片手で操作できるコントローラーや自動で曲を取り込むソフトウェアを提案。
プロトタイプ回転式の「スクロールホイール」や、iPodとPCを自動同期させる「Auto-sync」を開発。
テスト2ヶ月で100以上のプロトタイプを制作し、ユーザーのフィードバックを基に改良を重ねた。

このように、デザイン思考のプロセスを経ることで、ユーザーにとって価値のある製品が生まれました。


まとめ

デザイン思考は、ユーザー視点で問題を捉え、創造的な解決策を導くための有効な手法です。そのプロセスと特徴を理解し、実践することで、イノベーションの創出や市場適応力の向上につながります。企業や組織が変化の激しい時代を生き抜くために、デザイン思考を取り入れてみてはいかがでしょうか。