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KPIツリーとは?メリットと作成方法を解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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KPIツリーとは、目標達成のための指標(KPI)を階層構造で整理し、可視化するフレームワークです。企業の業績向上や業務効率化に役立ち、経営戦略の実行をサポートします。本記事では、KPIツリーの基本概念やメリット、作成方法を詳しく解説します。

KPIツリーとは?

KPIツリーとは、企業や組織の目標を達成するために、各プロセスの重要業績指標(KPI)をツリー構造で整理したものです。

KPI(Key Performance Indicator/重要業績指標)は、目標達成の進捗を測るための指標であり、KPIツリーを活用することで、目標と各業務の関係を明確にし、効果的な改善施策を立案できます

KPIツリーの基本構造

階層内容
最上位(最終目標)企業全体のKGI(最重要目標)
中間KPIKGIを達成するための主要な指標
下位KPI中間KPIを達成するために必要な具体的な指標

たとえば、売上向上をKGIとした場合、売上を構成する「客数」「客単価」「リピート率」などをKPIとして設定し、それぞれの指標を細分化してツリー構造で整理します。


KPIツリーのメリット

KPIツリーを活用することで、組織の目標達成がスムーズになり、業務の効率化が図れます

KPIツリーの主なメリット

メリット内容
目標達成のためのプロセスが明確になる各指標がどのように関連しているかを可視化できる
業務改善の優先順位が分かるどのKPIを強化すべきかが一目で分かる
チーム全体で共通認識を持てる部門間の連携が強化され、目標達成への意識が統一される
PDCAサイクルを回しやすくなる進捗管理がしやすく、適切な改善施策を立案できる

特に、目標達成に向けた具体的なアクションプランを策定しやすくなる点が大きなメリットです


KPIツリーの作成方法

KPIツリーを作成する際には、最終目標(KGI)を明確にし、それを達成するためのKPIを細分化していきます

KPIツリーの作成手順

ステップ内容
1. KGI(最終目標)を設定する企業やプロジェクトの最重要目標を明確にする
2. KGIを構成する主要KPIを特定するKGIに影響を与える要素を洗い出す
3. KPIをさらに細分化する各KPIを達成するための具体的な指標を設定する
4. 数値目標を決める各KPIに具体的な数値目標を設定し、達成基準を明確にする
5. 定期的に進捗を確認するKPIの達成状況をチェックし、必要に応じて調整する

目標を達成するために必要な要素を階層化し、全体の流れを可視化することがポイントです


KPIツリーの具体例

実際に、「売上向上」を目標としたKPIツリーの例を見てみましょう。

【売上向上を目的としたKPIツリー】

階層KPI項目指標例
KGI(最終目標)売上向上1億円達成
中間KPI客数増加月間来店数10,000人
中間KPI客単価向上平均購入額5,000円
下位KPI新規顧客獲得広告CTR(クリック率)3%
下位KPIリピート率向上再来店率30%
下位KPI販促施策の実施メルマガ開封率20%

このように、KGI(売上向上)を達成するために、客数や客単価に分解し、さらに具体的なKPIを設定することで、目標達成の道筋が明確になります。


KPIツリーを活用する際のポイント

KPIツリーを効果的に活用するためには、以下のポイントを意識することが重要です。

1. 具体的な数値目標を設定する

方法内容
SMARTの原則を活用する具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限を意識して設定する
過去のデータを参考にする現実的な目標値を設定し、無理のない計画を立てる

2. KPI間の因果関係を整理する

方法内容
上位KPIと下位KPIの関連を明確にする各指標が最終目標にどう影響するかを整理する
無関係な指標を排除する目標達成に直接関係しないKPIは除外する

3. 定期的な見直しと調整を行う

方法内容
月次・四半期ごとに進捗を確認KPIの達成度を分析し、必要に応じて見直す
市場や競合の変化に対応する環境変化に応じて、KPIの優先度を変更する

KPIは固定するものではなく、状況に応じて柔軟に調整することが重要です。


まとめ

KPIツリーは、目標達成のための指標を階層的に整理し、業務プロセスを明確にするフレームワークです。

KPIツリーのポイント

  • KGI(最終目標)を明確にする
  • KPIを細分化し、ツリー構造で整理する
  • 具体的な数値目標を設定し、定期的に進捗を確認する

KPIツリーを活用することで、業務の優先順位を明確にし、効率的に目標を達成できるようになります。企業やプロジェクトの戦略立案に、ぜひ取り入れてみてください。