, 有給は時効で消滅する?期限や繰り越しになる仕組みを解説 | ビズスキルDX

有給は時効で消滅する?期限や繰り越しになる仕組みを解説

お役立ち情報
監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

詳しく見る

有給休暇(年次有給休暇)は、労働者の権利として付与されますが、一定期間が経過すると時効で消滅することをご存じですか?本記事では、有給の時効や繰り越しの仕組み、消滅しないための対策について詳しく解説します。


有給休暇の基本ルール

有給休暇(年次有給休暇)は、労働基準法に基づいて労働者に付与される休暇で、取得することで給与が支払われる制度です。

有給休暇の基本ルール

項目内容
付与条件入社から6カ月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤している
付与日数勤続年数に応じて増加(最低10日、最大20日)
有効期限(時効)付与された日から2年
企業の義務年5日の有給取得を義務付けられている(労働基準法)

ポイント

  • 有給休暇は「2年の時効」があり、未使用分は消滅する
  • 企業は労働者が有給を適切に取得できるよう配慮する義務がある

有給休暇の時効と繰り越しの仕組み

1. 有給の時効は「2年」で消滅する

有給休暇は、付与された日から2年が経過すると自動的に消滅します。

付与日時効到達日(消滅)
2022年4月1日2024年3月31日
2023年10月1日2025年9月30日

そのため、使わずに放置すると、せっかくの有給休暇が消えてしまうため注意が必要です。


2. 繰り越しは「翌年分のみ」可能

有給休暇のうち、時効にならない範囲のものは翌年に繰り越せるため、最大で「2年分の有給」を保持することが可能です。

繰り越しのイメージ

年度付与された有給繰り越し分期限切れ分
2022年度10日なしなし
2023年度10日10日(2022年度分)なし
2024年度10日10日(2023年度分)2022年度分が消滅

このように、2年間を超えた有給休暇は時効で消滅するため、計画的に取得することが重要です。


有給が消滅しないための対策

1. 計画的に有給を取得する

時効による消滅を防ぐためには、年間の有給取得計画を立てることが重要です。

対策内容
年初に有給取得計画を立てるいつ有給を取るか事前に決めておく
繁忙期を避けて調整会社の業務に影響が出ないよう計画的に取得する
長期休暇と組み合わせるゴールデンウィーク・お盆・年末年始と合わせて連休にする

2. 会社の有給消化ルールを確認する

企業によっては、「計画的付与制度」を採用し、有給休暇を計画的に取得する仕組みを導入している場合があります。

制度内容
計画的付与制度会社が決めた日に有給を取得させる(例:会社指定の一斉休業日)
有給取得推奨日会社が有給取得を推奨する日を設定する

自分の会社がどのような制度を採用しているか確認し、適切に活用しましょう。


3. 有給取得を会社と相談する

「忙しくて有給が取れない」という人は、上司や人事に相談し、業務調整を行うことが大切です。

相談のポイント内容
早めに申請する余裕をもって有給申請を出す
業務の引き継ぎを行う休む前に必要な業務を整理し、周囲に共有する
繁忙期を避ける会社の業務に支障が出ないよう配慮する

企業側にも「有給取得を促進する義務」があるため、適切に相談すれば有給を取得しやすくなる可能性が高いです。


会社が有給を取らせてくれない場合の対応

1. 労働基準法に基づく「年5日取得義務」

2019年4月から、労働基準法の改正により「年5日以上の有給取得が義務化」されました。

企業の義務内容
年5日の有給取得義務すべての労働者に、1年間で5日以上の有給を取得させる必要がある
未取得の場合の罰則違反すると、会社に最大30万円の罰金が科される

もし会社が「有給は取らせない」と言ってきた場合は、違法行為の可能性があるため、労働基準監督署に相談することも検討しましょう


まとめ

有給休暇は、付与から2年で時効により消滅するため、計画的に取得することが重要です。

  • 有給の有効期限は「2年間」、それを超えると自動的に消滅
  • 繰り越しは翌年分のみ可能(最大2年分まで保持できる)
  • 企業は「年5日以上の有給取得」を義務付けられている
  • 消滅を防ぐためには、計画的に有給を取得し、会社のルールを確認する

有給休暇は労働者の権利として認められているため、しっかり活用し、無駄にしないよう注意しましょう!