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LTVとは?重要なポイントと計算方法を解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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LTVとは?

LTV(ライフタイムバリュー)とは、「顧客生涯価値」のことを指し、1人の顧客が取引を開始してから終了するまでの間に企業にもたらす総売上や利益を表します。LTVが高いほど、企業の収益が安定し、長期的な成長が見込めます。

LTVは新規顧客の獲得以上に「既存顧客との関係を維持し、長く取引を続けてもらうこと」の重要性を示す指標として、多くの企業で活用されています。


LTVが重要な理由

LTVを意識することで、企業は効率的なマーケティング戦略を立てることができます。以下のような理由から、LTVは経営において重要な指標とされています。

理由内容
収益の最大化既存顧客を維持することで、長期的な売上を確保できる
マーケティングコストの削減新規顧客の獲得よりも、既存顧客の維持の方が低コストで済む
リピート率の向上LTVを向上させることで、継続的な取引が増え、安定した売上を確保できる
ブランドロイヤルティの向上顧客との長期的な関係を築くことで、競争優位性を高められる
企業価値の向上投資家やステークホルダーにとって、LTVの高い企業は将来性があると評価される

LTVの計算方法

LTVの計算方法にはいくつかのパターンがありますが、基本的には以下の式を用います。

1. 基本的なLTVの計算式

最もシンプルな計算方法は以下の式です。 LTV=平均購入単価×購入頻度×継続期間LTV = 平均購入単価 × 購入頻度 × 継続期間LTV=平均購入単価×購入頻度×継続期間

項目意味
平均購入単価顧客が1回の取引で支払う平均金額
購入頻度一定期間内における平均購入回数
継続期間顧客が企業と取引を続ける平均期間


・平均購入単価 5,000円
・購入頻度(月1回) 12回/年
・継続期間 3年 LTV=5,000円×12回×3年=180,000円LTV = 5,000円 × 12回 × 3年 = 180,000円LTV=5,000円×12回×3年=180,000円

この場合、1人の顧客が生涯を通じて企業にもたらす価値は18万円となります。


2. 利益ベースでのLTV計算

企業の実際の収益を考慮する場合、利益率を含めた計算が必要になります。 LTV=(平均購入単価×購入頻度×継続期間)×利益率LTV = (平均購入単価 × 購入頻度 × 継続期間)× 利益率LTV=(平均購入単価×購入頻度×継続期間)×利益率


・平均購入単価 5,000円
・購入頻度(月1回) 12回/年
・継続期間 3年
・利益率 30% LTV=(5,000円×12回×3年)×0.3=54,000円LTV = (5,000円 × 12回 × 3年) × 0.3 = 54,000円LTV=(5,000円×12回×3年)×0.3=54,000円

この場合、1人の顧客が企業にもたらす純利益は5万4,000円になります。


3. CAC(顧客獲得コスト)を考慮したLTV計算

LTVをより実践的に活用するためには、新規顧客の獲得コスト(CAC:Customer Acquisition Cost)とのバランスを考えることが重要です。 LTV/CACLTV / CACLTV/CAC

この比率が1より大きい場合、事業として持続可能であると判断できます。
一般的には「LTV / CAC ≥ 3」が望ましいとされています。


・LTV:180,000円
・CAC(顧客獲得コスト):30,000円 LTV/CAC=180,000円÷30,000円=6LTV / CAC = 180,000円 ÷ 30,000円 = 6LTV/CAC=180,000円÷30,000円=6

この場合、1人の顧客を獲得するのに30,000円かかるが、最終的に6倍の価値を生み出しているという評価になります。


LTVを向上させるポイント

LTVを向上させるためには、顧客との長期的な関係を築くことが重要です。以下の施策を実施することで、LTVを最大化できます。

ポイント具体的な施策
顧客満足度の向上高品質な商品・サービスの提供、迅速なカスタマーサポート
リピート購入の促進定期購入プランの導入、会員制プログラムの活用
パーソナライズマーケティング顧客データを活用した個別最適化の提案
クロスセル・アップセルの強化関連商品や上位モデルの提案
ロイヤルティプログラムの導入ポイント制度、VIP顧客向け特典

まとめ

LTV(顧客生涯価値)は、企業にとって長期的な売上と利益を確保するための重要な指標です。LTVを高めることで、収益の安定化、マーケティングコストの削減、ブランドロイヤルティの向上など、多くのメリットを得ることができます。

計算方法としては、「平均購入単価 × 購入頻度 × 継続期間」が基本ですが、利益率や顧客獲得コスト(CAC)を考慮することで、より実践的な活用が可能になります。

LTVを最大化するためには、顧客満足度の向上やリピート購入の促進、ロイヤルティプログラムの導入など、長期的な関係構築を意識した施策を実施することが重要です。企業の成長戦略において、LTVを意識したマーケティング施策を積極的に取り入れましょう。