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クロスセルとは?アップセルとの違いとメリットを解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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クロスセルとは?

クロスセル(Cross-Selling)とは、顧客が購入しようとしている商品やサービスに関連する商品を提案し、追加購入を促す販売手法です。たとえば、スマートフォンを購入する際に「ケースや保護フィルムも一緒にどうですか?」と提案するのがクロスセルの典型例です。

クロスセルを活用することで、顧客の利便性を向上させるとともに、企業の売上アップにもつながります。


クロスセルとアップセルの違い

クロスセルとよく比較されるのがアップセル(Up-Selling)です。それぞれの違いを表にまとめました。

項目クロスセル(Cross-Selling)アップセル(Up-Selling)
定義購入予定の商品に関連する別の商品を提案する購入予定の商品よりも上位モデルや高価格の商品を提案する
目的顧客の利便性向上と追加購入の促進単価の高い商品への切り替えによる売上向上
スマートフォン購入時にケースやイヤホンを提案64GBモデルから128GBモデルへの変更を提案
販売方法バンドル販売・セット販売・追加提案上位グレード・プレミアムモデルの訴求

クロスセルは「関連商品を追加購入してもらうこと」を目的とし、アップセルは「より高価な商品に切り替えてもらうこと」を目的とします。


クロスセルのメリット

クロスセルを効果的に活用することで、企業と顧客の双方に多くのメリットがあります。

メリット内容
客単価の向上関連商品を購入してもらうことで、一回の取引での売上が増加する
顧客満足度の向上必要な商品をまとめて購入できるため、利便性が向上する
リピート率の向上適切な提案によって、顧客の満足度が上がり、再購入につながる
在庫回転率の向上関連商品を一緒に販売することで、売れ残りを減らせる
マーケティングコストの削減既存顧客に対する提案が中心のため、新規顧客獲得コストを抑えられる

特に、ECサイトや小売業ではクロスセルの活用が売上向上に直結するため、効果的な戦略が求められます。


クロスセルを成功させるポイント

クロスセルを成功させるためには、以下のポイントを意識することが重要です。

1. 購入商品との関連性を意識する

  • メインの商品と相性の良い関連商品を提案する(例:カメラとSDカード)。
  • 過度な押し売りにならないよう、自然な流れでおすすめする。

2. セット販売やバンドル提案を活用する

  • まとめ買いの割引を適用し、セット購入を促進する(例:「PC本体+マウス+キーボードのセット」)。
  • 「よく一緒に購入される商品」として関連アイテムを表示する。

3. 過去の購買データを活用する

  • 顧客の購買履歴や閲覧履歴をもとに、適切な商品をレコメンドする。
  • AIや機械学習を活用して、最適なクロスセル商品を提案する。

4. タイミングを考慮する

  • 購入時のカート内で「おすすめ商品」として表示する。
  • 購入後のフォローアップメールで、関連商品の提案を行う。

5. 顧客のメリットを明確にする

  • 「このアクセサリーがあると、もっと便利になります」といった価値を伝える。
  • 「セットで購入すると10%オフ」などのインセンティブを提供する。

クロスセルとアップセルを組み合わせる戦略

クロスセルとアップセルを組み合わせることで、さらに効果的な販売促進が可能になります。

組み合わせの例具体的な提案
スマートフォンの販売アップセル:上位機種へのグレードアップを提案
クロスセル:ケースやワイヤレスイヤホンを提案
ノートパソコンの販売アップセル:メモリ増設やSSD搭載モデルを推奨
クロスセル:マウスや外付けHDDをセットで提案
オンラインサービスの契約アップセル:プレミアムプランへの変更を推奨
クロスセル:追加機能やサポートプランを提案

このように、両者を適切に活用することで、売上向上と顧客満足度の両方を実現できます。


まとめ

クロスセルは、顧客が購入する商品に関連するアイテムを提案し、追加購入を促す手法です。アップセルとは異なり、購入予定の商品を「より高価格なものに変更する」のではなく、「関連商品を一緒に購入してもらう」ことを目的とします。

クロスセルを活用することで、客単価の向上、顧客満足度の向上、リピート率の向上など、多くのメリットを得ることができます。効果的なクロスセルを実施するためには、購入商品との関連性を意識し、適切なタイミングで提案することが重要です。

また、アップセルと組み合わせることで、より効果的な販売戦略を構築することが可能になります。企業は、顧客の購買データを活用し、最適な提案を行うことで、売上の最大化を目指しましょう。