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DX推進の指標とは?ポイントも解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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DX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性が叫ばれる一方で、「どこまで進んでいるのか」「何を基準に評価すべきか」が曖昧なままになっている企業も少なくありません。そこで注目されているのが、DX推進の進捗度を定量的に把握するための「DX推進指標」です。本記事では、DX推進の指標とは何か、その活用方法と設定のポイントについて分かりやすく解説します。

DX推進指標とは?

DX推進指標とは、企業がDXをどの程度実現しているか、または推進する準備が整っているかを可視化・定量化するための評価基準です。経済産業省が示す「DX推進指標(デジタルガバナンス・コード)」が代表的なものであり、企業の自己診断や改善計画の策定に活用されています。

単なるIT導入の有無ではなく、「組織体制」「戦略」「人材」「企業文化」など多角的な観点から評価する点が特徴です。


DX推進指標の主な評価項目

項目説明
ビジョン・戦略経営層がDXをどう位置づけ、どのようなビジョンを示しているか
ガバナンス・推進体制DXを推進する組織・責任者の設置、権限と役割の明確化
IT・デジタル技術の活用業務におけるクラウド・AI・RPAなどの導入と活用状況
データ活用の仕組みデータの収集・分析・共有・意思決定への反映体制
人材・スキルDX推進に必要なデジタルスキルを持つ人材の配置と育成体制
企業文化とマインドセット挑戦・失敗容認・変化受容など、DXを支える企業風土の形成状況

これらの項目を自己評価し、各レベルに応じたアクションプランを策定することが求められます。


DX推進指標の活用方法

活用方法内容
自己診断ツールの活用経済産業省提供の診断ツールなどを用いて、現状の立ち位置を可視化する
ギャップ分析を行う理想と現実の差異を特定し、重点的に改善すべき領域を明確にする
中長期の計画立案指標に基づいて、段階的なDXロードマップを設計する
KPIへの反映評価指標を具体的な業績指標(KPI)として各部門に落とし込む
社外への説明資料に活用取引先・投資家・金融機関に向けた「DXへの取り組み状況」の説明材料として活用可能

単なる点数化ではなく、「どう行動に結びつけるか」が活用の鍵となります。


DX推進指標を導入する際のポイント

ポイント説明
経営層の関与を明確にするトップのコミットメントがなければ指標評価も形骸化しやすい
自社の現状に即した評価を行う他社と比較するのではなく、自社の成長段階に応じて現実的に評価する
定期的に見直しを行うDXの進展に合わせて評価項目やレベルのアップデートが必要
全社への共有と巻き込み評価内容は関係者全員で共有し、実行プランとして浸透させる必要がある
第三者評価や外部支援も活用する専門家や外部パートナーの視点を取り入れることで、客観性と精度を高められる

形式的な取り組みではなく、企業変革の道しるべとして指標を位置づけることが重要です。


まとめ

DX推進指標は、企業が自らのデジタル変革の状態を可視化し、次のアクションを導き出すための強力なツールです。定性的な「感覚」ではなく、定量的な「事実」に基づいた判断ができることは、全社的な推進力の源にもなります。

これからDXを本格的に進めたい企業にとって、まず「現状を正しく知る」ことが出発点です。ぜひDX推進指標を有効に活用し、着実な変革の第一歩を踏み出してください。