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ノーマライゼーションって何?考え方も解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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障害の有無にかかわらず、すべての人が等しく暮らせる社会を目指す「ノーマライゼーション」という考え方。福祉や教育、雇用の現場で重要なキーワードとなっています。この記事では、ノーマライゼーションの意味や背景、基本的な考え方や実際の取り組みについてわかりやすく解説します。

ノーマライゼーションとは?

障害のある人もない人も「普通に」暮らせる社会の実現

ノーマライゼーションとは、障害のある人を特別視するのではなく、すべての人が地域社会で平等に生活し、共に生きていくことを目指す理念です。

項目内容
用語の意味正常化・標準化(normalization)
福祉での意味障害者も健常者と同じように暮らせる社会をつくる考え方
発祥1950年代のデンマークで提唱された福祉理念
対象領域教育、労働、住居、交通、医療など社会生活全般

特別な場に隔離するのではなく、日常の中で共に暮らすという発想が根底にあります。


ノーマライゼーションの考え方の基本

障害の「ある・なし」ではなく「ありのままの人間」としての尊重

ノーマライゼーションには以下のような基本的な思想が込められています。

考え方解説
共生の視点障害者を排除せず、社会の一員として受け入れる
権利の平等健常者と同様の教育、雇用、生活の機会を保障する
自立支援必要なサポートを受けながら、自分らしく生きることを重視
社会のバリア除去心の壁や制度的な障害を取り除くことが求められる

つまり、障害者を「保護する対象」ではなく「自立した一人の市民」として捉える姿勢が求められます。


ノーマライゼーションとインクルージョンの違い

「共に生きる」の考え方をさらに発展させたのがインクルージョン

似た概念として「インクルージョン(包摂)」がありますが、両者には以下のような違いがあります。

用語意味対象特徴
ノーマライゼーション障害者も「普通に」暮らせるようにする考え方主に障害者平等な生活環境の提供
インクルージョン多様な人々が排除されず共に生きる社会の実現人種、性別、年齢などを含むすべての人ダイバーシティ(多様性)の尊重

ノーマライゼーションは、インクルージョンの礎となる福祉理念の一つといえます。


ノーマライゼーションが求められる背景

高齢化社会と価値観の変化が後押しに

ノーマライゼーションの重要性が高まっているのは、次のような社会背景があるためです。

背景要因内容
高齢化の進行誰もが将来的に障害者になる可能性がある社会構造
障害者差別解消法の制定差別的な取り扱いを禁止し、合理的配慮を求める法律
障害者雇用促進の流れ民間企業にも雇用義務や職場環境整備が求められる
ユニバーサルデザインの推進すべての人が使いやすい環境づくりが進行中

今や「障害者の問題」ではなく、「社会全体の課題」として捉えられる時代となっています。


実際の取り組み事例

地域・教育・企業など多方面で進む実践

ノーマライゼーションの理念を実現するために、具体的には以下のような取り組みが行われています。

分野取り組み事例
地域社会障害者と高齢者が共に暮らす共生型グループホーム
教育現場通常学級への特別支援教育の導入、教員研修の実施
交通インフラバリアフリー駅、音声ガイダンス付き信号機の設置
企業障害者雇用の拡大と合理的配慮(短時間勤務、業務調整など)
IT活用視覚・聴覚に配慮したウェブサイト設計(アクセシビリティ)

こうした具体的な取り組みが、「共に生きる社会」の実現へとつながっています。


ノーマライゼーション実現のために求められること

一人ひとりの理解と行動が社会を変える力に

ノーマライゼーションを実現するには、制度や環境だけでなく、私たち一人ひとりの意識改革も必要です。

必要な要素内容
偏見や無意識の差別の解消「できないこと」に注目せず「できること」に目を向ける
情報と機会の提供障害者にも選択の自由とチャレンジの場を与える
相互理解の促進障害について学び、対話の機会を持つこと
継続的な社会参加地域・職場・学校などあらゆる場での共生を意識する

私たちができる小さな配慮や行動が、ノーマライゼーション社会の基盤になります。


まとめ

ノーマライゼーションとは、障害者を含むすべての人が社会の一員として普通に暮らし、共に生きていくための考え方です。差別や分断のない社会を実現するには、制度や設備だけでなく、人々の意識と行動の変化が不可欠です。日常の中で「誰もが生きやすい社会」を意識することこそが、ノーマライゼーション実現の第一歩といえるでしょう。