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ゼロサムって何?意味を詳しく解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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ビジネスや経済、ゲーム理論の文脈で使われる「ゼロサム」という言葉。勝者の利益は敗者の損失と等しく、全体では得も損もないという考え方ですが、実生活やビジネスにおいてもその考え方が大きな影響を及ぼすことがあります。この記事では、ゼロサムの意味と仕組み、例を交えてわかりやすく解説します。

ゼロサムとは?

全体の利益が増減しない「得と損が等しい構造」

ゼロサム(Zero-Sum)とは、ある人の得は別の誰かの損失によって成り立ち、全体としてはプラスマイナスゼロになる状態を指します。ゲーム理論の用語として発展し、現在では経済や交渉など幅広い場面で用いられています。

項目内容
用語ゼロサム(Zero-Sum)
意味一方が得をすれば、他方が同じだけ損をする構造
概念利得の合計が常にゼロになる
用途経済、交渉、ビジネス競争、ゲーム理論など

ゼロサムの反対概念には「プラスサム」や「ウィンウィン(Win-Win)」があります。


ゼロサムゲームの具体例

相手の損が自分の得になる典型的なシチュエーション

ゼロサム構造はさまざまな場面に見られます。以下のような例が代表的です。

シーンゼロサムの構造
株式市場(短期トレード)Aが株を安く買って高く売る=Bは高値で掴み損をする
ギャンブル誰かが勝てば、他の参加者が同額を失う
スポーツの勝敗一方が勝てば、もう一方は必ず負ける(勝敗の合計はゼロ)
限られた予算の分配ある部門の予算が増えると、他の部門の予算が減る
競争型入札1社が受注すれば、他の入札企業は契約を逃す

ゼロサム構造では、すべてのプレイヤーが得をすることは不可能であり、競争が激しくなりがちです。


ゼロサムのビジネスでの使われ方

市場シェア争いなどで顕著に現れる構造

ビジネスの世界では、次のような場面でゼロサム的な考え方が適用されます。

ビジネスシーンゼロサムの特徴
市場シェア競争A社の売上が伸びる=B社の顧客が奪われる
人材獲得限られた有能人材を他社よりも先に採用する構図
給与交渉昇給を受けた人がいる一方で、他の人の評価が相対的に下がる
投資競争高リターンを狙う人がいれば、高リスクを引き受ける人もいる

こうした場面では、相手より優位に立つことが成果につながるため、短期的な利益追求に走りやすい傾向があります。


ゼロサムの問題点とデメリット

対立や競争を激化させ、持続性を損なうリスクがある

ゼロサム思考には以下のような課題があります。

問題点内容
協力の否定常に他者との競争を前提とするため、協調や共創が生まれにくい
長期的視点の欠如今だけ勝てばいいという短期志向に陥りやすい
組織内の対立を生む社内の評価や報酬がゼロサムだと、不満が増加する
非生産的な競争全体の価値が増えないため、疲弊だけが残る可能性もある
創造性の低下分配前提の思考では、新たな価値の創出が難しくなる

ゼロサムでは「パイ(全体の利益)」が増えないため、成長戦略としては限界があると言えます。


プラスサムとの違い

競争から「共創」への転換が成長を促す

ゼロサムの対極にあるのが「プラスサム(Plus-Sum)」です。違いを比較すると以下のようになります。

比較項目ゼロサムプラスサム
利益の合計常にゼロ全体の利益が増える
関係性対立的(勝ち負け)協力的(Win-Win)
成果の性質奪い合い生み出し合い
成長性限定的高い(市場拡大など)
入札競争、短期トレード共同開発、アライアンス、クラウドファンディング

現代のビジネスでは、ゼロサムから脱却し、プラスサム型の関係性にシフトすることが求められています。


まとめ

ゼロサムとは、一方の利益が他方の損失と等しい、全体としてはゼロになる構造のことです。競争や奪い合いが前提となるため、短期的には効果がある一方で、持続性や成長性には限界があります。これからのビジネスや社会では、協調や共創を重視する「プラスサム」への意識転換が不可欠です。自分の成果だけでなく、全体の利益をどう増やすかという視点を持つことが、真の成功につながるでしょう。