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コンコルド効果って何?意味と対策を解説

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監修者
竹村 直浩
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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「ここまで費やしたのだから、やめるわけにはいかない」——そんな心理状態に陥るのが「コンコルド効果」です。合理的に考えれば撤退すべき状況でも、過去の投資が意思決定を歪めてしまうこの現象は、ビジネスにも大きな損失をもたらす可能性があります。この記事では、コンコルド効果の意味と具体例、そして回避するための実践的な対策を解説します。

コンコルド効果とは?

膨大な投資が撤退判断を妨げる心理現象

コンコルド効果(Concorde Effect)とは、巨額の費用や時間を投じたプロジェクトが失敗すると分かっていても、それまでの投資を惜しんで中止の判断ができなくなる心理状態のことです。もともとは超音速旅客機「コンコルド」の開発に由来しています。

項目内容
用語コンコルド効果(Concorde Effect)
意味巨額の投資を回収しようとするがために非合理な継続判断をする心理
由来英仏共同開発の超音速旅客機「コンコルド」が赤字と知りつつも開発を続行した事例から
関連概念サンクコスト効果(埋没費用効果)と類似

合理的には損切りすべき場面でも、「もったいない」「ここまで来たら引き返せない」という心理がブレーキをかけてしまいます。


コンコルド効果の有名な例

巨額の開発費を投じたコンコルド旅客機が語源

この効果の由来となった事例は、以下のようなものです。

事例内容
コンコルド開発計画英仏政府が1960年代から共同で開発した超音速旅客機
問題点開発費が予想を大幅に超過し、運用開始後も赤字続き
継続理由開発費の回収、国家的メンツ、投資済み費用の存在
結果採算が取れないまま継続し、2003年に商業運航終了

このように、合理的判断を阻む心理的バイアスとして、コンコルド効果は教訓的に語られるようになりました。


コンコルド効果とサンクコスト効果の違い

両者は似ているが、使われる文脈に違いがある

コンコルド効果とサンクコスト効果は非常に近い概念ですが、以下のような違いがあります。

比較項目コンコルド効果サンクコスト効果
主な文脈国家規模や大企業の大規模投資に多い個人や日常の選択に多い
強調される点名声や権威、外圧による継続判断損を認めたくない心理
典型例国の公共事業、大規模プロジェクト映画を途中でやめられない、食べ過ぎるなど
関係性サンクコスト効果の延長線上にあるより日常的で小規模な意思決定に働く

いずれも「過去の投資に囚われる」という構造を持つ点では共通しています。


コンコルド効果がビジネスにもたらす影響

非合理な継続が損失の拡大を招く

ビジネスの現場でも、コンコルド効果によって以下のような問題が起こることがあります。

影響内容
プロジェクトの赤字化見込み違いに気づいても撤退できず、損失が膨らむ
意思決定の遅れ現場が継続を望んでも、経営陣が判断できない
組織内対立の原因に撤退派と継続派の意見が分かれ、チームが分断する
資源の浪費人材・予算・時間などのリソースが集中しすぎる
企業イメージの低下失敗プロジェクトを続けることで、外部からの信頼を失う

早期撤退の判断ができるか否かが、経営者の資質を問われるポイントになります。


コンコルド効果を回避するための対策

冷静かつ客観的に「今後の価値」で判断を下す

非合理な継続を防ぐには、次のような実践的な方法があります。

対策解説
投資評価の基準を明確に「今後の利益」に基づいて続行の可否を判断する
事前に撤退ラインを設定「ここまで赤字が出たら中止」と基準を設けておく
外部の視点を取り入れる第三者による評価やコンサルティングを活用する
感情の介入を排除する社会的地位や感情ではなく、数値で判断する習慣をつける
損切りをポジティブに捉える「次に進むための投資回収」として撤退を肯定する考え方を持つ

重要なのは「未来の価値」を基準にし、過去の投資は決断の材料にしないことです。


まとめ

コンコルド効果とは、回収不可能な投資に執着するあまり、合理的な撤退判断ができなくなる心理現象です。国家レベルから企業のプロジェクト運営、日常生活に至るまで、誰しもが陥りうるリスクを含んでいます。正確な情報と冷静な判断力を持ち、時には「勇気ある撤退」を選択することが、損失を最小限に抑え、将来の成果を引き寄せるカギとなります。